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レポート日記

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恋する短歌~31文字の世界を楽しもう~

開催日:2011年02月26日

通常授業

【今回の先生】 りょう (アーティスト・作歌-sakka-)

 

【今回の教室】 赤煉瓦文化館

 

 

今回は、恋するフリーペーパーフクオカ・ビィーキ×イムズとのコラボレーション授業。授業で完成した、作品がイムズ内の飲食店でメニュー化されるという魅力的な授業でした。参加者は、大半が女性でしたが、男性の参加者もいらっしゃいました。

 

 

  

 

 

先生のりょうさんは、「嬢舌短歌リズム」をコンセプトに福岡・北九州を中心に活動しているりょうさん(アーティスト・作歌-sakka-)です。今回の教室は、テンジン大学ではお世話になっている赤煉瓦文化館。ここは、天井が高く、大きな窓からは、寒さも和らいだ日差しも入り、創作するには、心地よい教室でした。

 

授業は、フクオカ・ビィーキの藤村編集長とりょうさんの現代短歌についてのQ&Aトークからスタートしました。

 

 

 

 

・現代短歌は従来の短歌に比べると自由な印象ですが、その特徴は?

  今の私たちの日常の言葉で綴るもので自由に。

 

・現代短歌を作る上でルールはありますか?

  短歌は、五・七・五・七・七の31文字ですが、現代短歌はリズムよく

  堅苦しくなければ字余りや字足らずもOKです。

 

・現代短歌を作るのに必要な能力は?(例えば、感性・語彙力・センス)

  短歌を作ってみたいという好奇心が一番大切。その気持ちがあれば自然にできます。

 

・今回の講座は、短時間で短歌を作るというハードルが高そうですが、コツがあれば教えてください。

  シンプルに、言葉を詰め込み過ぎず31文字にしてみて下さい。

 

 

 

 

トークも終わりいよいよ、短歌作りです。これまでは、椅子にてトークを聞いてましたが、ここからは、テーブルをセッティングし、4人のグループになりました。テーブルには一面の模造紙とカラフルなマジックペン。そして、3枚の草花や木の写真。短歌作りの話は聞いたけど、では実際どうやったら・・。みなさん緊張していましたが、まずは、今日の気分を漢字1文字に書いてみましょう。と始まりました。

 

 

今日の気分を1文字で表す?実にシンプルですね。ここから、想像力が広がっていきます。書いた文字を、自己紹介をしながら、なぜその文字を書いたのか、その想いを話し、同じテーブルの人と共有していきます。

 

 

 

 

 

そして、ここから実際の短歌作り。テーマは「あなたが想う出会いのストーリーは?」テーブルにある3枚の写真を見ながら、現在や未来、そして過去の出会いについて模造紙にどんどん書き出していきます。

 

 

そしてもう1つ。「あなたの想う別れのストーリーは?」次は、「別れ」について。春は、出会いと別れの季節と言いますが、みなさんには3枚の写真と相まって、どのよう想いを、言葉に表したのでしょうか?

 

 

そして、模造紙に書かれた言葉やフレーズをまた、それぞれ話していきます。先ほどの1文字とは違い、どのテーブルも大変盛り上がっていました。

 

 

 

 

そして、短歌作りも最終段階へ。模造紙に書いた言葉を各自、短歌作りのシートに落とし込んでいきます。

 

 

<短歌作りの手法>

Ⅰ.ディスカッションでみつけた言葉・気になったフレーズ

Ⅱ.本来、自分自身が好きな言葉・単語・お気に入りのスレーズ

Ⅲ.フレーズを使って、短いストーリーを書いてみる

Ⅳ.出来上がった短いストーリーを31文字にしてみる

 

 

みなさん真剣に作りました。筆が進まない方もいらっしゃったようでしたが、ここで、学長がステキな歌を詠み、一気に張りつめた空気が和みました。

 

 

ここまで一気に授業を進めてきましたが、ここで休憩。休憩時間にも熱心に作っていた方いらっしゃいました。そして、いよいよ出来上がった作品を発表です。今回は、自分の作品をテーブルに置き、1人3個のおはじきを持ってみなさんの作品に、投票していきます。

 

 

 

 

みなさんの投票が終了後、りょうさん、藤村編集長、岩永学長が3票分の重みを持った大きなおはじきを置き、投票終了。

 

 

1位は

満開の  桜を見上げ  撮る写真  君にメールを  送る口実

 

 

2位は

今日かぎり  もういもうととは  言わせない  決意をこめた  春色の服

 

 

どちらも女性の方の句でしたが、想いの詰まった作品です。1位の方は、この作品について、

「今まで、気持や想いを言葉にした事がなかったが、学生時代の思い出を歌にしてみました」とのこと。2位の方は、「まさに、今現在の正直な気持ち。頑張って想いを伝えたい」とのことでした。

 

 

この短歌の授業で生まれた2つの作品は、3月末より、天神イムズの2つの飲食店で、実際にメニューになるんです。つくった短歌がメニューになるなんて、なんかステキですね。

 

 

最後に今日の感想をりょう先生から

 「短い時間で駆け足でしたが、みなさん素晴らしかったです。私自身、書き出した頃を思い出しました。みなさんにも福岡の街を歩きつつ、日常に溶け込んだ短歌を作っていただけたらと思います。」

 

 

そして、フクオカ・ビィーキ藤村編集長から

 「りょうさんの現代短歌は毎号表紙を飾っています。ぜひ、気を付けて毎号見てください。この赤煉瓦文化館での授業は静かで厳かな雰囲気とみなさんのペンを走らせるハーモニーが素敵でした。今回だけでなく今後もぜひ今日の授業を活かしてください」

とお二人から、素敵なお言葉を頂きました。

 

 

授業後は、りょうさんから「今日の作品をぜひ、ポストカードに書きましょう」とポストカードのプレゼントがありました。また、教室内に展示していました。りょうさんのカレンダーやフォト作品などみなさん見入っていました。

 

 

 

 

 

参加された方は、初めて、短歌を作ったと言う方が大半でしたが、この授業タイトル「恋する短歌」に惹かれて参加された方、また、「恋の歌を作ってみたかった」と言う方も。そして、「素敵な恋がしてみたい!」これには、私も納得です。今回の授業は、写真を見て、自分の想い素直に言葉に表すことで、現在・過去・未来の自分の出会いや別れに触れ、また言葉で綴る面白さ、そして日本語の素晴らしさを体験することができた授業だったと思います。ありがとうございました。

 

(ボランティアスタッフ 濱村淑子)