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レポート日記

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感覚的鑑賞。《僕の街の美術館で》

開催日:2015年11月28日

通常授業

その日はことさらに寒く、「ついに冬が来たな」という、まさにそういう感じの日でした。

 

 

今回の教室は福岡市美術館。

「感覚的鑑賞。≪僕の街の美術館で≫」というタイトルで、

美術への新しいふれあい方を学びました。

 

先生は、福岡市美術館の鬼本佳代子先生。

関西弁が特徴の、明るく楽しい先生です。

先に言っちゃいますが、すごく楽しかった今回の授業、

鬼本先生のキャラによるところも大きかったです。

 

 

 

最初に、先生から福岡市美術館のお話がありました。
市民に愛され、建築としても面白い福岡市美術館。
1979年に開館し、来年改装に入るそうです。
この機会に改装まで福岡市美術館を楽しむ方法を知りましょう。

 

 

今回の授業は、アートに対して、もっと感覚的に接するというもの。

まずその足掛かりとして、生徒さんたちの背中に絵画のシールを貼って、

同じシールを貼っている人を、言葉を使わずに探すというゲームから始まりました。

 

自分の背中にどんなシールが貼られているかもわからない中、

皆が協力して、自分のペアを見つけ出したのですが、すでにこの時点で感覚を養うというか。

アイスブレイクの意味でも、この始まりは衝撃的でした。

すぐにみんな打ち解けました。

 

 

その次は、目をつぶり、ペアの人に導かれて、美術館内を移動。

美術館の中で視覚をさえぎるんですよ!

ペアの人のアシストを受けながら、館内の空気や、外の気温差などを感じていました。

 

 

 

 

この時点で、生徒の皆さんは、かなり感覚的に冴えわたっていたんじゃないですかね。

もう、五感がびりびりといろんなものを感じていたと思います。

 

その後は、班に分かれて「こわい」や「うらやましい」などのイメージが描かれたカードを引き、

それに準じた作品を、常設展から選ぶというワークをしました。

 

 

 

 

少し話はそれますが、福岡市美術館の常設展はすごいんですよ。
恥ずかしながら、僕も知らなかったのですが、

ダリや、黒田清輝、ウォーホールや、バスキアなどの有名どころが展示してあります。
生で見ると迫力満点です!

 

 

その中で生徒さんたちは、カードに合う作品を探しました。

普段、漠然と見る絵画作品などを、目的を持って、イメージを持って探します。
こうしている間にも、普通に漠然と見るよりも、

作品に対する感想や感覚が深くなっていくようでした。

 

 

 

 

同じイメージでも、生徒さんたちで、選ぶ作品は違ったりして、それもまた面白かったです。

 

今回の授業を通して、より芸術作品を楽しみやすくなったと思います。
芸術の周りは、意外なほど理屈っぽい知識がちりばめられています。
今回の授業で、そういうものがそぎ落とされ、より主観的に、

自分の五感で、芸術に触れられるようになったと思います。

 

 

 

(ボランティアスタッフ 馬場 貴生)

 

 


 

 

 

 

【今回の授業のコーディネーター】 吉開 崇人

 

1986年、福岡県生まれ。大学時代の友人から福岡テンジン大学を紹介してもらい学生登録。最初に参加した授業で、ボランティアスタッフに引き込まれる。現在は、事務局に所属。街の人たちの個性や感性を大切にした授業づくりを心がける。好きな飲み物・食べ物は、温かい緑茶と苺大福。好きな場所は、美術館。あと、”本”と”星”が好き。基本的にのんびりや。

 

 

 

 


 

 

 

 

【今回の先生】 鬼本 佳代子

 

1997年教育普及専門学芸員として福岡市美術館に勤務する。1999年大阪大学大学院文学研究科前期博士課程(修士課程)修了。2008年から2012年まで大原美術館の主任学芸員として勤務。2012年に福岡市美術館に戻り現在にいたる。その間、市民と美術館・美術を結ぶ活動として、ボランティアの育成や学校や地域団体との連携活動、そしてアーティストとともに市民向けワークショップなどを行ってきた。近年では、未就学児童や高齢者むけプログラムを実施するとともに、異種館連携なども含めたより幅広い連携教育活動を模索している。 ※撮影:酒井咲帆

 

 

 

 


 

 

 

 

【今回の教室】 福岡市美術館

 

福岡市の都心の公園として市民の憩いの場所である大濠公園の中に落ち着いた外観の美術館です。広い水面に面し、緑あふれる心安らぐ環境で、周囲には舞鶴公園や福岡城趾、ほかに鴻臚館史跡や茶室を備える日本庭園、能楽堂などの施設もあります。 ※撮影:山崎信一

住所 : 福岡市中央区大濠公園1-6