授業レポート

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[天神まちづくり学科] 外国人のおもてなしをまち全体でやるには?~後編~

[天神まちづくり学科] 外国人のおもてなしをまち全体でやるには?~後編~

2015年11月28日(土)

※本授業は福岡テンジン大学と『We Love 天神協議会』とのコラボレーションによる授業です。

【特別学科】 天神まちづくり学科

この授業は、九州一の都心“天神のまちづくり”について、知り・学び・繋がり・体験し・実践するシリーズ授業です。まちづくりと言っても、ビルの開発や街並みの整備や交通戦略といった「ハード」の話ではなく、人と人の繋がりから生まれる様々なことをテーマとした「ソフト」のまちづくりです。あなたの持つ天神へのLoveを、まちづくりへのアクションにしてみませんか?

 

 

ビジネス、留学、移住、観光で外国人が増えている福岡のまちに、

その受け入れられるための器、機能は備わっているのか。

 

観光案内の不足からか観光よりも入口や買い物先としか捉えられていなかった。

という現状を把握できた[天神まちづくり学科・外国人のおもてなしをまち全体でやるには?~前編~]から1か月。

今回の後編では福岡市の海外へのプロモーションや天神での外国人の消費行動を、

福岡へ学びに来ている留学生とともに探りながら「まちとしてのおもてなし」の作り方を考えます。

 

 

 

 

実際のところ今福岡市への外国人入国者は、

韓国・台湾・中国・香港を始めとする東アジア圏が8割以上を占めています。

また、ビザ緩和、円安、LCC就航により、

タイやベトナムなどの東南アジア圏も増加傾向にあるといいます。

さらにフィン航空就航によりヨーロッパ観光客の増加も見込めているそうです。

 

そのなかでも1番面白いのがタイ。

なんと前年比1.83倍でどんどん伸びているとのことで、

よく個人でキャナルシティなどに買い物に来ているのだとか。

 

 

 

 

そこで必要となるのがやはりプロモーションです。

福岡の魅力をもっと知ってほしいし、

もっと楽しめるまちだと気付いてほしいですものね。

福岡市はそのために観光をビジネスへと繋げていこうと取り組んでいるそうです。

例えば福岡へ興味をもってもらうためにファッション、文化雑誌に福岡の記事を掲載しています。

また外国人観光客の消費行動は国ごとでも異なっています。

 

 

・韓国人は週末を使ってお買いもの感覚で来日。

・中国人は日本で売られている中国製の製品を買うそうです。

日本に対する安全・安心のイメージが強いとのこと。

・台湾人は日常で使うものを購入しに来日。

・タイ人に対してはドーンと豪華絢爛な料理を出すより

ちょこちょこと料理を出すほうが喜ばれるそうです。

 

国ごとに合わせてプロモーション戦略を変えていかねばならないのが難しいところですね。

 

しかしそれを達成していくには、

わたしたち市民一人ひとりがおもてなしの心を持ち、

もし何か困っている外国人を見つけたら、

ちょっと勇気をもって話しかけてみることが大切とのことです。

 

例え完璧に外国語を話せなくともその気持ちがきっと喜ばれるし、

自分としても何かの発見になると思いました。

 

 

ではいよいよ留学生とともに外国人の目線にたって

天神のまちあるきを通して福岡のまちを見つめなおす時間がやってきました。

今回は韓国、台湾、タイ、オーストラリア、フランス、スウェーデンの6か国の留学生の方々にご協力いただきました。

 

それぞれのグループで留学生の方々に質問をして

その国の目線を探っていき、いざまちあるきへ!

 

 

 

 

 

 

みなさん公園や地下街、デパート、家電量販店など様々めぐってきました。

ではどんな発見があったのか、見てみましょう!

 

『韓国グループ』

・地下などの看板に英語&韓国語表記はあっても訳がわかりにくい

・看板のアイコンなどが伝わりにくい

・まちにゴミ箱が少なくて困る

・情報をネットで探すためwifiを使いたいが設定などよくわからない

 

『台湾グループ』

・街並みが似ていて漢字も読めるのでストレスは少ない

・料理メニューに写真がほしい

・台湾では食べ歩きが当たり前だが、日本人はしないからしにくい。ゴミ箱もない。

・クリスマスムードの早さに驚いた

 

『タイグループ』

・岩田屋では英語・中国語・韓国語・タイ語の4か国表記があり、

台湾人の案内人が対応してくれた

・情報収集はパンティックという2ちゃんねるのようなサイトで行っている

・待ち合わせに難がある(ビルに看板がなく、番地などもわかりにくい)

・飲食店に写真がないから選べない

 

『オーストラリアグループ』

・サインやアイコンがわかりにくい(駐車してよいか、ルールが伝わってこない)

→ピクトグラムなど用いては?

・家電量販店にて外国人対応できていないお店がある

(日本人とのペアで質問すると家電の説明を日本人に熱心にしていた)

→会話するときにもっとこちらの目を見てコミュニケーションしてほしい

・欲しい結果は得られてもそのプロセスにストレスを感じる

 

『フランスグループ』

・食べ歩きをしたいがしづらい雰囲気だ

・もっとゴミ箱がほしいが、ゴミ1つない警固公園は逆にすごい

・日本人はお客さんとしてのリアクションが薄い (お店の人に笑顔でありがとうなど)

・日本人にとっての当たり前がわからず戸惑う (パン屋のトレーシステム、ベジタリアン向けのケア)

 

『スウェーデングループ』

・お店の看板が日本語のため、店内が見えない2F以上のお店に入りづらい

・住所システムの違いからタクシーに乗るときに困っている

→番地の認知や街角に番地のサインなどあると良い

・アニメはNARUTOが人気

・IKEAなどにしかスウェーデン料理がない

 

 

 

 

大満載な感じになってしまいましたが、

ゴミ箱がないことやアイコンやサインがわかりにくいこと、

情報を日本人に聞くよりネットで調べていることなど、

わたしたちには当たり前のことが伝わってなく、

またコミュニケーションも少ないのではといった課題が見えてきますね。

 

わたしたちも「なぜ」福岡のまちがこうしているのかを理解してもらえるように行動することが求められますし、

そのためにはまず、ちょっとの勇気をもって気軽に

外国人とコミュニケーションを取ってみることがまちとしてのおもてなしとなるのではないでしょうか。

 

 

 

 

さて来月は『天神ビックバン』の水上公園についての授業です。乞うご期待!

 

(ボランティアスタッフ 糸濱 正晶)

 

 


 

 

 

【今回の授業のコーディネーター】

岩永真一 福岡テンジン大学学長

 

2009年に独立したのをキッカケに福岡市共働事業提案制度に「福岡テンジン大学」を提案、2010年9月に福岡テンジン大学として開校し学長も務める。学長としての顔以外にも、集客・販売促進の広告プロデュース、九州大学非常勤講師や小中学校での講師、男女共同参画やまちづくり・地域づくりでの講師、ファシリテーターなどを行っている。2012年から福岡市総合計画審議会委員、2013年4月より北九州市立大学の特任教員も務める。

 

 

 

 


 

 

 

【今回の先生】

We Love 天神協議会

福岡市の人口増加とともに福岡の経済・情報・ファッションの発信地として栄えてきた天神だが、過密化による交通渋滞や違法駐輪などの課題を抱え、市や地権者・事業者による「新たな都心づくり」の試みとして2004年に歩行者天国やオープンカフェなどの社会実験を実施。これがキッカケとなり「I Love 天神フォーラム」が開催され、2006年に天神の様々なまちづくり事業を行う「WeLove天神協議会」が誕生。天神の賑わいづくりから、交通課題の解決、モラル・マナーの向上、インバウンド対策などを行っている。

 

 

 


 

 

 

【今回の教室】 福岡YMCA日本語学校

 

1982年、福岡在住の外国人のために実用会話の習得・多文化理解を目的に開設。現在世界約20カ国からの留学生が在籍する伝統と実績のある日本語学校となっている。世界123の国と地域にネットワークをもつYMCAの福岡の拠点は、福岡市城南区七隈とここ天神の2カ所となっている。

住所 : 福岡市中央区天神3-4-7 天神旭ビル2F