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忙しいあなたにこそオススメ!~生産者とつながる食べもの付き情報誌~

開催日:2017年03月25日

通常授業

今回の授業の会場は、大名にある「HAPPY HILL」。

生産者から直接仕入れるなど、生産者の想いをお客様に届けることをテーマに

料理を提供されている、こだわりのカフェダイニングです。

 

近くの人と自己紹介をした後、コーディネーター野田遥さんからの自己紹介。

農業に興味があり、仕事で農家さんとも関わっている野田さん。

知っている人が作ったものを食べることを大切にし、

食べることが自分たちの力を作っていると考えているそうです。

 

先生の眞鍋さんからは、

「昨日、1日3食食べた人?」

「そのうち1食でも自分で作った人?」

「作った人が分かる食材を使った人?」

という問いかけが。

 

最初は多く手が上がっていましたが、最後の問いで残ったのは1人だけでした。

 

 

 

 

 

食べ物付き情報誌「四国食べる通信」とはどんなものなのでしょうか?

・旬の食材と共に、四国のさまざまな作り手の物語が届く。

・3年ぐらい続いている。(現在は休止中で、来年再開予定)

・“食べるディアゴスティーニ”とも呼ばれているそうです(笑)

 

ちなみに昨年12月号は“四国のダシ4種類”だったそう。すごい!

 

「食べる通信」は全国で37誌あり、九州では佐賀版や水俣版もあるとか。

意外と身近にありますね。

 

 

ここで、眞鍋さんがさまざまな生産者のもとを訪ねた時の動画を見ました。

 

瀬戸内海の海苔養殖、畜産農家(香川のオリーブ牛)、原木しいたけ、

牡蠣、アスパラ農家など。

 

生産者にお願いして収穫などを体験させてもらう “体当たり取材”で、

目で見て肌で感じたことを記事にしたいとこだわっていたそうです。

 

 

なぜ始めたのか?

 

もともとは香川県出身で、東京の大学に進学し、証券会社に就職。

仕事が忙しく、自炊したことはありませんでした。

会社の経営破綻や震災をきっかけに、

『お金じゃなくて、安心、安全、食の確保が大切』ということに気づきます。

 

実家でしばらく過ごすうちに、

「地方は疲弊していると思っていたが、所得は少ないけど、時間はある。」

「地方には都会にはない豊かさがある」と思い、小豆島へ移住。

 

小豆島は少子高齢化、人口流出が進む“社会問題の縮図”の島でしたが、

一方でオリーブや醤油、そうめんなど食にまつわる手仕事が盛んなところに

魅力を感じたそう。

 

地域おこしの一環としてポン菓子を作り、そうめんなどの特産品もポン菓子に。

すると“小豆島のギフト”として結婚式の引き出物になったり、「食ってすごいな」と感じたことが

「食べる通信」のスタートにつながっていったそうです。

 

眞鍋さんの全ての活動テーマは、

「これまでにあるモノを、これまでにないカタチで」伝え、

「シマとマチとトカイをつなぐ」こと!

 

また、世界は二極化しているという話も印象的でした。

 

 

 

 

 

次は、ダシ取りのワークショップ。

 

今回使うのは高知の「宗田節」。

血合いが多くコクが出ることから、そば、うどんのダシに

使用されているそうです。

 

 

 

 

☆ダシの取り方☆

①お湯500mlを沸騰させる。

②沸騰後、宗田節を入れ、弱火で5分間煮だして火をとめる。

③ザルにあげ、完成♪

 

 

ダシが出るまでに時間があるので、野田さんが作ってきてくれた

香川のいりこダシ、海老のダシを飲み比べました。

 

 

 

 

いりこはがつんと塩分強めな感じで、海老ダシは優しい味でした。

「ダシだけでおいしい!」という声も。

 

店内は宗田節のしっかりした、いいにおいでいっぱいに。

皆さん、作業を手分けしてダシを取っていました。

 

 

 

 

 

ここでHAPPY HILLの店長、山田さんがダシ殻でさっとふりかけを

作って下さり、皆で味わいました。

ダシがおいしいので、もちろんふりかけも最高でした!

讃岐うどんも茹でていただき、それぞれの気に入ったダシや醤油などを

かけていただきました。

 

 

 

 

 

 

感想を共有し、最後に野田さんから新しくできる

「農家の親戚プロジェクト」サークルの紹介がありました。

http://tenjin-univ.net/circle/20160/

 

 

皆さんのリフレクションシートからは、

・食べるものにもう少し気を使っていきたい。

・生産者を知る努力をしてみようかな。

作っている人が分かると、おいしさも2倍になると思う。

・日本にはまだ知らないいいものがたくさんあり、メディア情報に

左右されずに自分で確かめる習慣を身につけたいと思った。

・全国各地の「食べる通信」を試してみたい。

・「食べる通信」は生産者の声が直接聞け、消費者だけではなく

生産者にも大きなメリットがある。

・普段の料理で積極的にダシを取ろう!

などの意見がありました。

 

 

少しの手間でダシは簡単に取れること、食べることは生き方につながることに

気づくことができた授業になりました。

 

 

 

 

 

(ボランティアスタッフ 古川 裕美)

【今回の先生】

忙しいあなたにこそオススメ!~生産者とつながる食べもの付き情報誌~

眞鍋 邦大

1978年香川県高松市生まれ。東京大学大学院卒業後、リーマン・ブラザーズ証券入社。同社の経営破綻後、米マイナーリーグでのインターン等を経験。2012年2月「地域おこしを生業にする」と宣言し, 14年弱過ごした東京を離れ地元へ拠点を移す。生まれ育った高松に戻ると見せかけ, 瀬戸内海に浮かぶ小豆島へ”ほぼUターン”。地域おこしの会社である(株)459を創業し, 瀬戸内海の島々の素材をポン菓子にする『シマポン』や, 小豆島の産品を物語と共にお届けする『小豆島のギフト』などを手掛ける。2014年5月には編集長として、食材付きの情報誌「四国食べる通信」を創刊。つくる人の想いや風景を食材と共に届けることで、四国の生産者と都会の消費者をつないでいる。13年3月, 高松人間力大賞2013グランプリを受賞。

 

<webサイト>

四国食べる通信

【今回の教室】

忙しいあなたにこそオススメ!~生産者とつながる食べもの付き情報誌~

HAPPY HILL

大名2丁目、中央区役所裏にひっそりと佇むカフェダイニング。『できるだけ無添加、できるだけ手作り』にこだわり、生産者の想いをお客様に届けることをテーマに料理を提供している。珈琲はスペシャルティコーヒー専門店のハニー珈琲の豆を使用。不定期で演奏会などのイベントも開催中。

 

住所 : 福岡市中央区大名2-2-47

電話番号 : 092-791-3299

営業時間 : 12:00~24:00

 

■webサイト

HAPPY HILL