フクオカテンジン大学

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レポート日記

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脚本で、散歩。 ~街を思って、街を書く~

開催日:2013年06月22日

通常授業

 

6月のしっとりした天気の土曜日の朝。映画の脚本について学ぶというこの時期ぴったりの授業です。

 

 

まず初めにコーディネーター青柳さんより説明があります。

 

 

 

 

“全ての映画は脚本から成り立っている。1枚の紙に書いた脚本が、何度も何度も修正を重ね、色んな力を結集して羽を広げ一つの映画を作り上げている。今日はその達成感をすこしでも味わってもらいたい。また、日々の中でつい見落としている福岡の光景にスポットを当てて改めて気付きを得る場にしたい。”

 

 

その後参加者さんの自己紹介を行います。

それぞれ好きな映画を一つ、理由を添えて共有。

幸せのありかたについて問いかける“life is beautiful”が好きな方、山田洋次の“息子”のワンシーンがたまらなく好きで何度も見ている方、“12人の怒れる男”で多様性の価値について考えテンジン大学に繋がった方、様々な個性的な価値観が飛び出します。

 

 

 

 

その後花野先生より、ご自身の経験や現在のお仕事についてご紹介頂きます。

ずっと博多で、劇団から女優、脚本家まで幅広く活動されている先生。ご自身の経験から、脚本を書く楽しさや大変さ、また感動についてお話頂きました。

 

 

 

 

その際に二つの言葉についてご説明頂きました。

プロット・・・250字程度のあらすじのこと。作者によって読者に提示される物語の流れ全体を指す。たましいや心をこめて作り上げるとても大切なもの。プロットがまとまっており、かつ膨らんでいくような内容でないと世間に出せない。脚本の前の非常に大切な命をかけて書くもの、とのこと。

リライト・・・書き終えたものを書きなおすこと。脚本を書く中で、プロデューサーや監督、俳優等、色んな人が色々と指摘を入れてくる。どれだけ人の意見を受け入れ書きなおせるかが、良いものをつくるために非常に大切なところだそうです。

 

 

今回は、「福岡の街からはじまる物語」について200字程度で書いてくるという事前課題がありました。

ここで皆さんが書いてきたオリジナルな物語の読み合わせを、参加者全員で行います。

 

 

 

 

福岡天神のショッピング街を舞台にした恋愛物語や、日本に来て間もない留学生からみた福岡についての物語、主人公が犬という設定の物語、福岡の歴史に関わるお話、親と子どもの関係に関するお話、皆さんそれぞれのテーマで、それぞれの価値観や世界観が出てきます。

ひとりの作品に対してそれぞれ他のメンバーが感想、意見、どう受け取ったかを共有し、先生からもアドバイスを頂きます。

 

 

“なぜこの言葉を使ったのか”、“この後どんなストーリーにしたいのか”、“なぜここでこの情景なのか”等、色んな意見がそれぞれの作品に対して出てきます。

 

 

 

 

ここで先生からポイント。

・一番大事なのは主題。物語を通して何を読み手に投げかけたいかを明確にすること。人は経験からでないと相手を説得できないので、自分が経験から導きだした想いを答えにし読み手に分かりやすく表現すること。

・話の中で主役は自分に設定する。最初の段階では、誰かを主人公にして描くのは難しいので、自分を主人公にして描くと感情的なものも書きやすくなる。

 

 

 

 

それぞれの作品には様々な経験や価値観、世界観、大切にしているものが入っており、それをどう読む、受け取るかもまたそれぞれ。福岡に対して、日々の生活に対しての色んな価値観の交換の場、また交換を通して自分の価値観について考える場になりました。授業後も先生に質問に行かれる方も多かったので、脚本書きは根気のいる作業だと思いますが、それぞれの作品がまた今後も広がっていったらおもしろいですね。

 

 

 

 

(ボランティアスタッフ 安枝 真奈美)

 

 


 

 

【今回の授業コーディネーター】

青柳 雄太

 

 


 

 

【今回の先生】

花野 純子 (映画脚本家・映画監督・女優)

 

 


 

 

【今回の教室】

赤煉瓦文化館

住所 : 福岡市中央区天神1-15-30