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博多まちづくりラボ Vol.2

開催日:2014年02月15日

博多まちづくりラボ

【特別授業】 博多まちづくりラボ

博多駅地区のにぎわい創出・回遊性向上にむけたまちづくり実践を行う「博多まちづくり推進協議会」と協力し、地域資源である空きテナントを活用したまちづくり手法を学び、実践する特別授業です。本企画ではまちの産業やコミュニティ再生にもつながる建物のリノベーションを通じたまちづくりや実際にテナント入居して活動をしている実践者から実例について学び、現実の低・未利用不動産を対象にしたテナント活用プランを作成します。まちを使ってアイデアを実現させたい方、まちづくりやリノベーションに関心のある方にご参加いただきたい企画です。

博多まちづくりラボ : http://www.hakata-machilabo.com/

 

 

2月15日(金)、博多駅前のビルの空きテナントを会場に、【博多まちづくりラボVol.02】が開催されました。

 

 

 今回のまちづくりラボでは、シェアオフィスの運営や、NPO法人でのまちづくりなどを行っている「コミュニティづくり」の専門家と不動産事業計画づくりに長けた専門家がグループリーダーとして、タッグになり、一般参加者とともに、それぞれの視点を組み合わせ、オーナーへの空きテナントの事業計画提案を行いました。 

 

 

今回グループリーダーを務めてくださったのは、コミュニティづくり方面から、NPO法人ドネルモ 山内さん、フューチャースタジオ+ 下野さん、福岡テンジン大学 谷口さんの3名です。不動産方面からはダイスプロジェクト 椛島さん、コヤマコンセプト 貞國さん、福岡R不動産坂田さんの3名。以上計6名の方々がご協力してくださいました。

 

 

また、各グループのプレゼンテーションの講評を博多まちづくり協議会 溝口さん、ダイスプロジェクト橋爪さんに講評していただきました。また、お二方はグループワーク中に、溝口さんには博多の街や不動産等のアドバイザーとして、橋爪さんにはプラン全体のアドバイザーとして会場をまわっていただきました。

 

 

【博多まちづくりラボVol.02】では、まず、グループリーダーである専門家と一般参加者のみなさんで、3つのグループに分かれ、各グループでそれぞれ異なる3つの空きテナントを視察してもらいます。そして次に、それぞれのグループが担当する空きテナントの活用プログラムを制作し、プレゼンテーションをしてもらいます。このプレゼンテーションでは、以下の4つをそなえておかなければなりません。①空きテナント活用の事業計画のコンセプト、②事業計画のイメージビジュアル、③平面図(レイアウト案)、④収支計算 です。こうして、午前9時半から午後8時までの約10時間(!)、みなさんに空きテナント活用の可能性を検討してもらいました。

 

 

さて、午前10時!グループワーク開始です!まずは担当物件の視察から。各チーム、それぞれの担当物件の前に集合。視察は担当物件のテナントだけでなく、ビルの周辺環境も調査。また、他の階のテナントがどういうふうに使われているか、このビルに来る人はどういう人が多いか、など対象物件に関する様々な情報を実際に目で見て、肌で感じて拾っていきます。

 

 

午前11時。各グループのみなさんが担当物件から会場に集まります。

こちらは、フューチャースタジオ+ 下野さん・コヤマコンセプト 貞國さんチームです。

 

 

 

お隣は、福岡テンジン大学 谷口さん・福岡R不動産坂田さんチーム。

 

 

 

そのお隣は、NPO法人ドネルモ 山内さん・ダイスプロジェクト椛島さんチームです。

 

 

 

まずは担当物件の情報を整理して、博多に、もっと広げて福岡市にどんなマーケットがあるかをブレインストーミングで出していきます。これをもとに担当物件の活用アイデアを出し、企画を練ります。

 

 

ここで、博多まちづくり協議会 溝口さんの登場です。各グループをまわって、博多の街や不動産についてアドバイスをしていただきます。実際に博多駅前のビルのオーナーの方にプレゼンテーションを行ったときの資料や最近の博多駅前のテナントの賃料についてなど、まちづくりのリアルを教えていただきました。各々の活用プログラムがブラッシュアップされ、博多の「今」をより意識したものとなりました。

 

 

 

 

さて、担当物件の活用方法のコンセプトが見えてきたところで各チームお昼ご飯休憩 

です。お腹も満足したところで、ストーブを囲み、みんなでわいわいトーク。

 

 

 

 

 お昼ご飯休憩も済み、グループワーク再開です!

 

 

 

 

 コンセプトを決めたら、プレゼンテーションの準備に移ります。プレゼンテーションの準備にあたっては、グループの中で、「アイデアコンセプトをつめたり、博多に関する統計データや他の地区の例を集める係」、「平面図作成係」、「収支計算係」などに分かれて作業を行います。

 

 

 ここで、ダイスプロジェクト 橋爪さんの登場です。各グループをまわって、プラン全体をみていただきます。収益という「現実」と博多という地域の活性化という「理想」。この2つの要素がきちんと成立するようなアドバイスをされていました。まちづくりの現場にいらっしゃる方にアドバイスをいただき、活用アイデアがよりリアルなものになっていきます。

 

 

 

 

さて、グループワーク終了時間です!各グループの活用プランのプレゼンテーションが始まります。

 

 

まずは、福岡テンジン大学 谷口さん・福岡R不動産坂田さんチームからです。

担当物件は博多駅から徒歩10分、7階立てビルの最上階です。

「いま必要なのはただ泊まるだけのホテルではない。」というコンセプトのもと、ホテルと交流スペースをあわせもった空間をご提案されました。

ここ近年で、交通も便利になり、ますます博多を訪れる人が増えています。これからは旅行者がより一層増えるでしょう。こうして、ここ福岡で人との接点を求めたり、九州での情報を求める旅行者が集う交流スペースが必要になってくることでしょう。そこで、こちらのチームはわくわくが生まれる交流スペースをあわせもった宿泊施設を考えたそうです。

 

 

 

 

プレゼンテーション、2番目はNPO法人ドネルモ 山内さん・ダイスプロジェクト  椛島さんチームです。 担当物件は博多駅から徒歩6分、9階立てビルの4階と5階です。

福岡のアジアマンスを日常に「アジアの屋台が大集合」というコンセプトで、テナントにアジア各国の屋台を集結させるというアイデアを提案されました。

博多区には若い女性が多く居住しています。更に、多くのナショナル企業の支店も博多駅周辺に集積し、多くのOLが働いています。しかし、問題なのは、行く場所がないのでそのまま天神・博多駅に流れているということです。ただ、ここに若い女性に魅力的なテナントが入れば、博多駅周辺のビルの一定のニーズは十分あると考えられます。

 

 

 

 

現在、福岡ではアジアへの関心が高まっています。これと同時にアジアン料理のニーズも高まっています。アジアン料理はスパイシーだったり、野菜が多かったりと、ヘルシーで美容に効果がありそうなイメージから、女性にも人気です。しかし、福岡にはアジア料理を楽しめる場所は多くはありません。そのため、こちらのチームでは、「ここに行ったらアジア料理をおいしく食べることができる」という場所があったらいいだろうと考えました。

 

 

また九州への外国人入国者数は年々増加傾向にあり、そのほとんどがアジア地域からの入国者です。更に、福岡の留学生の受け入れ数は、東京に次いで全国2位だそうです。

アジア系イベントが開催されているのは度々見かけますが、アジアを日常的に感じられる場所って確かにないですよね。アジアといってもたくさんの国があります。様々なアジアの国々を1ヶ所で楽しめちゃう場所があったら行きつけになっちゃいます。

 

 

最後は、フューチャースタジオ+ 下野さん・コヤマコンセプト 貞國さんチームです。担当物件は博多駅から徒歩7分、地下1階、地上11階立てビルの地下1階です。 

提案していただいたプロジェクトのコンセプトは「アジアのラウンジ〜玄関のもう1つ先へ〜」です。博多駅が福岡への玄関口だとすれば、このビルは博多駅から徒歩7分のところにあり、まさにラウンジのようです。

 

 

 

 

オフィス街であることから、オフィスワーカーとの交流の場としても機能する空間であることがまずあげられます。また、海外からのビジネスパーソンが多いため、多言語対応のコワーキングスペースを併設し、海外×博多のビジネスパーソンの交差点にします。こうして、こちらのチームでは、ビルをアジアへと開かれたものにするという提案をしていただきました。

また、こちらのチームはテナント空間を大人もこどもも楽しめるように考えていたところが印象に強く残っています。大人が利用できるコワーキングスペース、こどもが自由に遊べる広い部屋など、どの年代でも立ち寄れる場所でした。

 

 

以上、3組のプレゼンテーションが終わりました。今回プレゼンテーションしていただいた事業計画は博多まちづくり推進協議会を通して、実際に視察対象物件のビルのオーナーの方に提案されます。これでイベントは終了でしたが、その後の懇親会でもみなさん熱く、参加者同士や専門家の方々とも語っていらっしゃいました。

 

(ボランティアスタッフ 白石洋一)