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レポート日記

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Think 福岡 ~福岡についてみんなでおしゃべりしよう~

開催日:2010年12月25日

通常授業

【今回の先生】 まちのみなさん(参加者1人1人)

 

【今回の教室】 SLOW+ K

 

 

福岡テンジン大学、2010年最後の授業が中洲のSLOW+Kで行われました。今回の授業は「Think福岡~福岡についてみんなでおしゃべりしよう」。私たちの街「福岡」について、良い部分とそうでない部分を参加者同士でざっくばらんにお話しました。

 

 

行動することで、福岡に変化をもたらしたい。

この授業の案内人を務めたのは福岡市役所職員の安川浩平さん。「DO IT」という福岡市役所職員が中心のコミュニティに参加しながら、福岡市をより豊かにするためのアイデアをカタチにされています。行動することで福岡に変化をもたらしたい。そんな想いが「DO IT」というネーミングに込められているそうです。

 

 

この日の授業は「DO IT」でもよく使われる〈ワールドカフェ〉という対話の手法で進行しました。〈ワールドカフェ〉はファシリテーション(※2010年11月27日のレポートをチェック)でよく使われる手法ですが、日本での認知度はあまり高くないとのこと。

 

「ワールドカフェを体験したことがある方はいますか?」という問いかけにも、手を挙げた方はごくわずかでした。(自分も手を挙げられませんでした・・・。)たまたま授業の見学に来られていた日本ファシリテーション協会の田坂さんにワールドカフェについて説明していただきました。安川さんが師匠と呼ぶ、田坂さん。「かなりの無茶ブリ」と少し困った様子でしたが、分かりやすく説明してくれました。

 

 

 

会話するだけで、自分の知恵や経験が、みんなの貢献になる。

「ワールドカフェとは、会話することから人々が気付きやアイデアを生み出し、学びを深めることができる会議のような話し合いの場です。自分の知識や経験、そして自分がこれまで思ってきたことなどを「話せる場」を持つことで、その知恵や知識をもっと大きなものに変える。そうすることでそれまで見えていなかった気づきやアイデアが得られます。何かが見つかると期待していれば、きっと何かが見つかるはずです。だから今日は参加者のみなさんを信じて取り組みましょう。」

 

田坂さんからの説明の後に、安川さんから〈ワールドカフェ〉についてのルールとエチケットについて説明がありました。

 

職場でもできます!

 

〈ワールドカフェ〉

ルール&エチケット

 

〈ルール〉

20分×3ラウンドの対話。4人単位でテーブルに着き、テーマに基づき意見交換を行います。包装紙でつくったテーブルクロスに思ったことや感じたことなどを書き込む。一定の時間が来れば、テーブルに一人残り、残りのメンバーは別のテーブルに移動。異なるメンバーとの意見交換を繰り返し行っていきます。

 

〈エチケット〉

・テーマに集中しましょう。

・感じていること、その時思ったことを積極的に話し合いましょう。

・話は短く簡潔にしましょう。

・自分が喋るばかりではなく相手の意見にも耳を傾けましょう。

・人の発言やアイデアが繋がっていくような対話を心懸けましょう。

・新しい問いって何だろう、という探求心を持ちましょう。

・机のクラフトパーパーにはどんどん落書きをしましょう。

・会話をみんなで楽しみましょう。

 

テーマが発表され、第1ラウンドのはじまりです。

 

 

〈テーマ〉

あなたが「福岡」に対して誇りに思うことと、残念に思うことはなんですか?

 

 

 

 

スタートの合図と同時に、会場は会話の熱気であっという間に温まりました。食べ物の話から、飲酒運転の話など話題はさまざま。「なるほど」や「そうですね」など、気づきの声もたくさん聞こえてきます。一通りメンバーが喋り終わる頃には、テーブルクロスも書き込みで賑やかに。20分経ち第1ラウンド終了です。

 

 

 

 

続く第2ラウンドは、テーブルにメンバーを一人残した状態で席替えを行います。新規のグループで会話を進めます。テーブルクロスに書いてあることを新メンバーとともに意見交換。第1ラウンドで出た意見とリンクさせながら会話を広げていきます。

 

 

 

 

第3ラウンドは初期のメンバーでもう一度対話。第2ラウンドで得た知識をもとに、自分たちのアイデアや意見を見直していきます。第1ラウンドではでは出なかった意見も飛び出すなど、ラウンドごとにどんどん会話の内容が濃くなっていくように感じました。

 

 

 

 

すべてのラウンドが終了すると、3ラウンドで得た新しい気づきを一人ひとつ紙に書いていくことに。それをもとにグループ内で対峙したあと、各テーブルの代表者が参加者全員の前で発言しました。

 

 

 

 

 

WE LOVE FUKUOKA

ではなく、

WE PRIDE FUKUOKA

 

 

 

 

・福岡は住みよい街なので、県民全員でもっと良い街にしていきたい。

 

・福岡はするめみたいに味がある。地味な部分もあるけれど、住んでみたら離れなくなる。

 

・福岡のことを「好き」と言う人は多い。けれど、一番か?と聞けば、一番にはなれていない。だから、すべての人に「好き」ではなく、「誇り」に思ってもらえる街にしていきたい。WE LOVE FUKUOKA ではなく、WE PRIDE FUKUOKA!

 

・福岡は先進的な街でもあるが、歴史的な街でもある。でも子どもたちはその歴史に触れずに生活している。それはもったいない。子どもたちから心を育て環境づくりに取り組んでいきたい。

 

・福岡は子どもが遊べる場所が少ない。天神にしてもそれは言える。そういった意見の中から「商店街の空きスペースを利用して、子どもたちのたまり場をつくってみてはどうか?」などの具体的なアイデアも生まれた。と同時に、こうした話し合いの中からでた「気づき」を発言する場がもっとほしいと思った。福岡を豊かにするためにそれは必要だと思う。

 

 

発表が終わり紙に書いた内容を参加者全員で閲覧して回ります。これもまた、気づきを生むヒント。みなさん携帯のカメラでじゃんじゃん撮影していました。

 

 

 

 

 

そして最後に今日の気づきを書いた紙とともにみんなで記念撮影して授業は終了。安川さん、参加者のみなさんおつかれさまでした。

 

 

 

 

授業の満足感だけでなく、福岡が他人事ではいられなくなる愛着も生まれる。今回の授業はそんな見えない力を持っていると感じました。この日得た「気づき」があれば福岡はもっと良い街になるはずです。みなさんで頑張っていきましょう。

 

(ボランティアスタッフ 下田 浩之)