レポート日記
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開催日:2024年03月23日
通常授業
この授業を受けた後に最初に思ったこと。それは「前を向いてみよう」という感覚でした。
今まで関わった福岡テンジン大学の授業で、会場に入るときに挨拶された方が少なかったのが心に引っ掛かりました。きっと、何だかの迷いを抱えているように思えました。参加者の世代は、40代、50代が多め。降り始めた雨の影響もあったかもしれません。「正社員」という方は少数派。「契約社員」、「パート」、「自営業」、何だかの理由で「休職」「無職」という方もいました。
帰りには少しだけでも笑顔を残して、帰られる方がいました。「少しは視野が広がった気がします」と感想を残していました。スタッフとして正直、ホッとした部分もあります。
この授業は、福岡テンジン大学に長年、関わってきた方々の経験で進行しました。
まず、コーディネーターの貴島さん、岩永学長の掛け合いから始まります。岩永学長の肩書の多さから、「働く」の多様性、「複業」が中心になりました。参加された方が特に食いついた岩永学長の話の中身は、2点でした。
①仕事を自分事にする。
②社交性がなくても、人付き合いは広げられる。
①は、キャリアを自らデザインする力の項目の1つに挙げられたものでした。生産性を上げる大切さ。そのためにはスピードの大切さを説いていました。「コントロールできることはスピードアップ。その余白で他のことをやってみましょう」と話しました。その後の質問を受けた後でも、「短い時間で、どれだけ成果を出せるか」と付け加えました。
②は、質問コーナーで出たものでした。人間関係で悩む方は多いのも現実。そこに世代は関係ありません。「自身の社交性のなさ」から質問されていました。岩永学長の答えは「社交性がなくても、人付き合いは広げられますし、立ち回れます」というものでした。同時にコミュニケーション力を上げる大切さを説いていました。
続いては、貴島さんと、テン大スタッフの1人、みねさんとの対談となりました。みねさんは公務員から結婚を機にフリーランスに転じています。
テーマは、公務員時代の「モヤっとした感覚」からの脱却です。職場との往復の退屈さを乗り越えて、ある資格を取得しました。その後にテンジン大学でも資格関連の授業をして、子育てをしながら幅を広げてきました。トライ、チャレンジする大切さ。その話の中身は、生き生きとしていました。
参加された正社員の方の1人は、副業またはフリーランスも視野に入れている方でした。「扉を開く勇気が必要ですね」という感想が印象的でした。
その後は座談会に移ります。その中では、自身の境遇に苦しむ方もいれば、働き方の今後を模索している方もいました。その中から、少しでもヒントをつかんでもらえれば…。座談会に入った一人として、自分の過去と照らし合わせながら、ふと思いました。
ネット、メディア、SNSでは、この手の話に溢れています。でもストライクは、ないのだと思います。だからこそ、今回のような授業の場が必要だと感じました。
私自身も広島に住んでいるとき、40歳で正社員だった会社を辞職しました。その頃は、鬱の症状に苦しみ、離職後も悶々とした日々を送っていたのを覚えています。その3年後にもパニック障害を発症して、心療内科で薬をもらう日々を2年続けました。
救ってくれたのは仕事仲間ではありません。最初は、テン大の姉妹校である「ひろしまジン大学」の仲間に助けてもらいました。3年後も「福岡テンジン大学」の仲間に会うことでホッとできる空間を見つけることができました。
残念ながら、「即解決!」ということはないでしょう。「働く」ということは、テクニックも必要だけど、同時にメンタル、人間関係、環境などが伴います。
もし、悩みが晴れないなら、ぜひ「福岡テンジン大学」を利用してください。解決はできなくても、前向きになれる話のできる仲間がいます。参加者、学生の方はもちろん、スタッフも助けの担い手になれるかもしれません。
〈STAFF〉
Report:中牟田康
Photo:森彩夏
【今回の授業のコーディネーター】

貴島 道拓
1992年鹿児島県出身。鹿児島大学卒業後、トヨタ自動車九州(株)に就職し福岡へ移住。トヨタに働きながら、ボランティアでテンジン大学に関わる。その後、2020年に独立し、個人でも”関わった人の道(価値観)を拓く“を人生の軸に、企業や行政と連携したワークショップ、対話型・体験型の企画運営を300回以上行なっている。2021年より、テンジン大学理事。
【今回の先生】

岩永 真一
1981年、福岡市生まれ。就職氷河期世代で内定ゼロで大学を卒業し、アルバイトで社会人を始める。大学卒業前より、まちのそうじをするgreen birdに参画。その後は広告業界でプランナー/ディレクターとしてサラリーマンをしながら、福岡・天神エリアのまちづくり団体にも参画。27歳で脱サラして独立、28歳で福岡テンジン大学を立ち上げ学長を務める。31歳より複数の組織に所属する複業家の働き方を始める。現在は、人材育成・教育・まちづくりや、複数の企業の経営支援など、複数の組織で複数の職業を実践する複業家。2017年、福岡の歴史絵本「のったよ!ふくおかタイムスリップ号」をプロデュース・脚本担当し発刊。2025年よりKBC「ぎゅっと」の第3月曜コメンテーター。
■WEBサイト
・登壇実績
【今回の教室】

URBANG TABLE(アーバンテーブル)
URBANG TABLEではまちづくりに関するイベントが行われる、学びの場、人とのつながりの場です。(2020年12月にUR都市機構が開設)
TABLE SESSION TENJINなどの開催をとおして、まちづくりに関心のある人が集まり、様々な知識・経験を持ち寄り交流する場を提供している。2023年に向けてリニューアル準備中。現在は、イベントスペースとして貸し出しを行っている。
住所 :福岡市中央区天神4-3-30 天神ビル新館1階
利用可能時間 : 平日10:00〜18:00 (要事前予約)
■TABLE SESSION TENJIN
福岡の未来が広がるトークイベント動画配信チャンネル(Youtube)
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