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[日帰りサステナブルトリップ] ドボク博士とゆく、福岡の“水”めぐりバスツアー

開催日:2024年11月23日

コラボレーション授業

11月23日(土)勤労感謝の日、朝は雨。

今日は、福岡地区水道企業団様とのコラボ授業。

 

 

先生は、松永 昭吾先生 (横浜国立大学 総合高等技術研究院 客員教授)です。福岡地区水道企業団の今村さんも同行してくださいます。

水をめぐるバスツアーに出発!

 

 

寺内ダムに到着。

ダム管理所で、独立行政法人水資源機構さんから講義を受けました。2023年7月の北部九州豪雨では、緊急放流を行ったとのこと。気象状態の予測が急激に変化するため、管理所内で行われていたWEB会議では怒号も飛び交うほどだったといいます。

 

 

 

 

ダムの下に来ました。

下から見上げると巨大さを感じます!

 

 

 

 

そのダムの横に点検用通路への入口があります。さあ、普段は立ち入ることができないダムの中に入っていきましょう。

 

 

 

 

外とは違う、少し涼しい気温。

ダムの中を探検します。

 

 

見学が終わり、ダム湖周辺で昼食です。

ダムの頂上から朝倉の田園がよく見えます。

ダムの近くにまちなみがあるから、緊急放流の決断はとても難しいものだったでしょう。

 

 

 

 

昼食の後は、三奈木コミュニティセンターでワークショップです。三奈木地区の住民の方々も参加し対話を行っていきます。

 

 

ワークショップ前半

松永先生から話題提供がありました。

 

 

 

 

・世界の水事情。

赤ちゃんの体は、80%が水。汚れた水を飲んで炎症で亡くなる子がいる。

 

・日本の水事情。

世界では水をめぐる争いを防ぐため、水の使い方「利水」の河川法が最初に作られた。しかし、日本は洪水を防ぐ「治水」のほうが最初に作られた。日本は水に関する争いを、知恵と工夫と対話で可能なかぎり乗り越えてきた。

 

・福岡の水事情。

筑後川周辺の市民、企業、行政が努力した結果、筑後川の水質改善が遂に100%になった。福岡市は水に苦労した経験から、水に対するこだわりが日本一。

 

水道管の漏水率、世界:10%以上、日本:10%未満、福岡:2%。もはや世界一。

 

 

これは漏水検知の技術が高いため。またアスファルト舗装管理をしっかりしているので、道路の損傷によって水道管が損傷することが少ないのです。凄いぞ!福岡!

 

 

さて話題提供の後、コーディネーターの岩永学長より「問い」が参加者に与えられます。

 

 

バスツアーで来た福岡組へ。

「今日、講義を受けたりダムを見たりしてどう感じたか」

 

朝倉市三奈木地区に住んでいる三奈木組へ。

「今日、福岡から人が来たことをどう感じたか」

 

 

ワークショップが始まります。対話で様々な意見が出ます。

 

「ダムカッコよかった。お城みたい」

「緊急放流の正しい仕組みを知ることができた」

「福岡市でイベントがあっていると行きたくなる。刺激がほしい」

「ダムに近いほうが果物がおいしい」

 

 

大人が対話している間、バスツアーに参加した子どもたちはダムの絵を描いていました。そのことを知った大人たち全員が「おぉー!」と感嘆。子どもたちもちゃんとダムを見ていました。

 

 

 

 

一旦休憩を挟み、ワークショップ後半。

新しい「問い」が与えられます。

 

 

三奈木組へ。

「この地域で大切にしていきたいことは何ですか」

 

福岡組へ。

「三奈木の方々に大切にしていってほしいことは何ですか」

 

 

ワークショップが始まります。

「ダムを含め三奈木の風景は、人の手が必要」

「朝倉のものを買ってくれたらうれしい」

「”朝倉の水”とは思っていない。自然の水だと思っている」

 

 

 

 

福岡地区水道企業団の〇〇さんから「ありがとうの森プロジェクト」の紹介がありました。利水と治水の調整をしてきた筑後川と住民に感謝したい、とのこと。みんなでメッセージを書き、写真撮影。お疲れ様でした。

 

 

 

 

勤労感謝の日というのは昔、新嘗祭でした。恵みの雨で始まった今日は縁起の良い日だったんです、と松永先生。はっとさせられた瞬間でした。

 

 

<staff>

Report 與小田 俊宏

Photo 嶋田 康亮、細川 善弘、森 彩夏

 

<コラボレーション授業:福岡地区水道企業団>

福岡地区水道企業団は、福岡都市圏に安心で良質な水を安定供給するために設立された団体。現在は、筑後川から約19万㎥/日を取水し、多々良川水系・那珂川水系・海水淡水化施設も合わせて約27万㎥/日の水を供給(福岡市の1日当たり水の使用量は約41万㎥)。その範囲は、福岡、大野城、筑紫野、太宰府、春日、那珂川、古賀、宇美、志免、須恵、粕屋、篠栗、新宮、福津、宗像、糸島の広範囲に及ぶ。

福岡地区水道企業団

 

【今回の授業のコーディネーター】

[日帰りサステナブルトリップ] ドボク博士とゆく、福岡の“水”めぐりバスツアー

岩永 真一

1981年、福岡市生まれ。就職氷河期世代で内定ゼロで大学を卒業し、アルバイトで社会人を始める。大学卒業前より、まちのそうじをするgreen birdに参画。その後は広告業界でプランナー/ディレクターとしてサラリーマンをしながら、福岡・天神エリアのまちづくり団体にも参画。27歳で脱サラして独立、28歳で福岡テンジン大学を立ち上げ学長を務める。31歳より複数の組織に所属する複業家の働き方を始める。現在は、人材育成・教育・まちづくりや、複数の企業の経営支援など、複数の組織で複数の職業を実践する複業家。2017年、福岡の歴史絵本「のったよ!ふくおかタイムスリップ号」をプロデュース・脚本担当し発刊。2025年よりKBC「ぎゅっと」の第3月曜コメンテーター。

 

■WEBサイト

岩永真一/学びの場をつくる専門家

登壇実績

【今回の先生】

[日帰りサステナブルトリップ] ドボク博士とゆく、福岡の“水”めぐりバスツアー

松永 昭吾

横浜国立大学総合高等学術研究院 客員教授、九州産業大学教授(非常勤)、インフラ・ラボ代表取締役。国内外において橋の設計・維持管理、および地震/噴火/豪雨災害等の災害調査・復旧計画を専門とする土木技術者、研究者。大学、行政機関等において教授・講師をつとめるかたわら、東京、横浜、大阪における舟遊びガイドや、子どもたち向けの土木工事の本物体験イベントを開催している。モットーは「土木は優しさをかたちにする仕事」。趣味は土木写真と歴史散歩、読書。博士(工学)。

 

<webサイト>

橋の町医者マツ

【今回の教室】

[日帰りサステナブルトリップ] ドボク博士とゆく、福岡の“水”めぐりバスツアー

福岡の水道を支える筑後川水系

筑後川は、熊本県、大分県、福岡県、佐賀県の4県にまたがる九州第1の河川で、源を熊本県阿蘇郡瀬の本高原に発し、山岳地帯を流下し、九重連山から流れてくる玖珠川と日田市で一緒になり、筑後平野、佐賀平野を潤し、有明海に注いる。筑後川の名称は、寛永13年(1636)徳川幕府によって公式に“筑後川”呼ばれるようになったと記されており、以前は“千歳川”、“筑間川”、“一夜川”などと呼ばれるも、度重なる水害で流域住民を苦しめてきた暴れ川であるため、“筑紫次郎”という愛称がついている。

 

■webサイト

https://www.f-suiki.or.jp/facility/kaitan-center/