レポート日記
一覧に戻るどうせ死ぬなら、どう生きる?~このまちの誰かと語る、いつか来る「最後」と私の「これから」~
開催日:2026年04月25日
通常授業

仕事は、そこそこ順調。プライベートにも、大きな悩みごとはない。今の自分のことを、決して不幸だと思っていないけれど、ふとした瞬間に立ち止まってしまうことがあります。
「あれ?私って、これからどう生きていきたいんだっけ?」
そんな、心のどこかに抱えている問いに向き合うために、組織開発アドバイザー・パーソナルコーチの西田 祐大先生をお迎えして授業が開講されました。
授業のスタートは、手を使って今の自分のコンディションを表すチェックインから。ここで大切にされたのは、「良い・悪い」をジャッジすることではなく、今の状態を客観視して受け入れることでした。
今回のテーマは【死】、そして【生】。重く避けられがちな言葉ですが、このチェックインを通して、「あるがまま」を肯定する雰囲気が生まれた中、授業は本題へ入っていきます。

まずは、今回の先生である西田さんよりこの場に込めた「願い」が共有されます。理想の最期や生き方を言葉にしてみることで、自分と他人との違いを知り、「自分が大事にしたいこと」の輪郭を浮き彫りにしていくこと。そして何より、「この街には、自分の話に耳を傾けてくれる人がいる」という実感を持って帰ってほしい――。その温かな「願い」に沿って、ワークへと入っていきました。
ワークでは、まず、「理想の最期」か「理想の生き方」のどちらかを選択。キーワードリストからピンときたものを選び、5W1Hの観点で「自分の理想」を具体的に描き出します。その後、ペアで内容を共有し、椅子を使いながら「現在の自分」「理想の自分」「俯瞰的な自分」の3つの視点から、さらに内省を深めていきました。
特に印象的だったのは、ペアワークの様子です。聴き手は特別なスキルを振るうのではなく、ただ「そこにいてちゃんと聴く」という姿勢に徹します。すると、聴き手の率直な興味から生まれるシンプルな問いが、話し手の内省を深く、深く掘り下げていきました。沈黙さえも心地よく、上手く言葉にならない思いを一生懸命に紡ごうとする参加者の皆さんの姿。受容の空気に包まれてありのままの本音がこぼれ出し、静かに涙を流される方の姿もありました。それは決して悲しい涙ではなく、自分を覆っていた殻を一枚脱いだような、そんな素敵な涙に思えました。

私自身、当日は運営スタッフとして参加していたため、帰宅後に一人でこのワークを実践してみました。静かに自分と向き合う中で見えてきたのは、社会的な規範や他人からの目といった、自分で作り出した幻想で自分自身を縛り付けていたという事実でした。価値観を丁寧に言語化していくうちに、「現時点でも理想の状態がまったく叶っていないわけではない」という安心感が広がり、同時に「もっとこうしていきたい」という前向きなモチベーションが湧いてくるのを感じました。もっと自分に正直に、あるがままにしていい部分があってもいい。そう自分を許せたことで、心がふっと軽くなった気がします。
人生は人それぞれ歩んできた道のりが違い、その背景も意図も異なっています。だからこそ、他人との違いを知ることは、自分自身の尊さを再発見することに繋がります。
「どうせ死ぬなら、どう生きる?」
西田さんの願いであった、自分の大切にしたいことの輪郭を知ること。そして、それを否定せずに聴いてくれる誰かがこの街にいるということ。その実感が、立ち止まってしまいそうな時のささやかなお守りとなって、明日からの日々を少しだけ鮮やかに変えてくれるような気がしています。

Report:原口
Staff:片原さん、おしらさん、野田さん
【今回の授業のコーディネーター】
みね せりか
生まれも育ちも福岡市。開校当初からスタッフとして携わる夫に遅れること10年、2020年9月からテン大スタッフとして参画。授業局局長ののち、2025年より理事、2026年よりコミュニティ部リーダー。また、コーディネーターとして「これ、おもしろいから誰かと共有したい!」という思いを起点に、テーマにとらわれずあらゆる授業を企画している。
地方公務員、個人事業主、会社員…と様々な働き方を経て、現在はフリーランスで主に企画・広報・編集に携わる。近所の子どもに「何の仕事しようと?」と訊ねられても即答できない、まぜこぜなキャリアを邁進中。
【今回の先生】
【今回の教室】
赤煉瓦文化館 2F
明治時代の我が国を代表する建築家・辰野金吾と片岡安の設計により、 日本生命保険株式会社九州支店として明治42年(1909)に竣工。 赤煉瓦と白い花崗岩の外壁は19世紀末のイギリス様式で、ほかに尖塔やドームなど、小規模ながら変化に富んでいる建物です。
福岡市歴史資料館として使用された後、有料の会議室等を備えた市民に開かれた施設「赤煉瓦文化館」としてオープン。平成14年(2002)からは1階の一部が「福岡市文学館」として使用され、 文学に関するさまざまな情報を収集・提供しています。 国の重要文化財。
住所:福岡市中央区天神1-15-30
電話 : 092-722-4666
※お問い合わせは所在場所についてのみ、お願い致します。授業内容につきましては、福岡テンジン大学までお問合せください。
■WEBサイト
※駐輪場は、周辺の路上駐輪場をご利用ください。



