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レポート日記

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[天神朝キャンパス] 血液型と防犯のふしぎな関係?現役警察官に学ぶ護身術

開催日:2011年01月19日

天神朝キャンパス

【今回の先生】 中央警察署 生活安全課 防犯係

 

【今回の教室】 福岡ビル 4F・We Love 天神協議会サロン

 

 

【特別授業】 天神朝キャンパス

この授業は、天神を安心・安全・快適な街にしようと活動する「We Love 天神協議会」と一緒に進める特別授業です。天神の新たな朝の魅力を発掘するために始まりました。開催日は、毎月第3水曜日。出勤途中の方も、お休みの方も、天神の朝を楽しみませんか?

We Love 天神協議会 : http://welovetenjin.com/

 

 

本日のテーマはズバリ「防犯~性犯罪から身を守る~」。

平日朝早く、こんなお堅いテーマにどれだけの方が参加してくださるのだろうか。

当初はそんな不安も幾ばくかありながらの募集でしたが、凍てつく寒さ、まだ薄暗い朝もなんのその、約20名の方にご参加いただきました。ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。

 

 

防犯の中でも「性犯罪」が話のメインになっていたため、7割が女性の方で、20代から中高年の方まで幅広い年代の方にお越しいただきました。まずは、「護身術」を伝授していただくまえに、中央警察署生活安全課防犯係の森先生から、福岡の性犯罪の実数、犯罪の起こりやすい場所、被害に合いやすい行動、性犯罪者の心理などについてお話いただきました。

 

 

平成22年の福岡市の一年間の性犯罪(強姦、強制わいせつ)総数は、547件(内強姦76件、強制わいせつ471件)にのぼり、前年度より108件増加しているそうです。また、盗撮や声かけ、つきまといなどを含めると、福岡市だけで一日なんと4.4件(!)もの性犯罪が起こっているというのだから、驚きです。

 

 

強制わいせつは路上での被害が、強姦は住宅、マンションなどの屋内での被害が最も多く、被害に合いやすい時間帯は、前者が夜18:00~5:00、後者が9:00~15:00。そして、屋内被害の多くの場合、被害者宅が無施錠だったという報告があるそうです。また、高層マンションに住まれている方で玄関を閉めたので大丈夫、と思っていたら、隣のベランダをつたって侵入されたケースもあるそうで、極力就寝の際には家全体を施錠するということが、最も効果的で重要な予防策になるそうです。また、犯罪者は、誰でも簡単に入れて、かつ見通しが悪い場所を好み、人気のないところで、一人で携帯を見たり、ウォークマンなどを聞いていたりして、犯罪者の存在に気付きにくい状態の女性を好むそうです。そのような犯罪者の心理からして、

 

①人気のない公共施設(公園)は避け、

②常に周囲に注意しながら、

③または複数人で行動し、被害に合いそうになった場合は、周囲に気付いてもらうため

④大声をだす、防犯ブザーを鳴らす、

などの対策が有効だそう。

 

 

うーん、言われてみれば、基本的なことばかり。ですが、いざそのことを自分が本当にできているかを考えた時に、私は「・・・」となってしまいました。皆さんは今の話を聞いてどう思われましたか?

 

 

ということで、次は血液型にわかれて、皆さまの防犯意識についてディスカッションしていただきました。テーマは「自分が防犯において用心深いと評価できた点、抜けているなと思った点」。

 

 

O型チームからは「知らない人に警戒しているし、あまり抜けているところはない。」という報告が、AB型チームからは「警戒心が薄い、失敗してから気がつくのかも。」、B型チームからは「徹底して注意している。やれることはやっている。」、そしてA型チームからは「意外かもしれないが、施錠には無頓着。特に、飲み会の後など油断していることが多い。」などという報告がありました。

 

 

今回は、それぞれの血液型の方の人数も少なかったため、血液型の違いがあまりはっきりと出ませんでしたが、B型の「徹底してやっている」とう内容が特徴的だったと思います(ちなみに私はB型ですが「徹底して無頓着」でした...)。その他、性別、一人暮らしか否か、年齢、住居が都市か田舎か、などの違いが、意識の差に少なからず影響しているようでした。

 

 

そして、最後はいよいよ護身術の伝授。

森先生より、実演を交えて護身術を教えていただきました。

 

 

まずは、護身術の真髄は「逃げるための時間づくり」であって、決して戦うためのものではないということです。そのためには、相手の急所を狙うか、思いっきり掌底突き(しょうていづき)をお見舞いするのが最も有効だそう。急所とは、普段鍛えることができない場所(例えば、股間やすね、顔のパーツ、指など)のことで、掌底突き(しょうていづき)とは、拳(こぶし)の変わりに掌の付け根で相手を殴る技です。この掌底突きは、意外にも、拳よりも威力が強く、また手首を痛めにくいとのこと。そして、前から襲われた時には、この掌底突きを斜め下から顔に向かって思いっきり突き出し、後ろから抱きつかれた場合には、犯人の足を思いっきり踏むなどして、相手がひるんでいるうちに逃げます。そのほか、身近にあるパンフレットなどの道具を使った護身術など、簡単&強力な技も教えていただきました。

 

 

今回の朝キャンパスに参加した30代の女性は、「この機会を通して、護身術を学べたほか、警戒心を持つという心がけがとても大切なのだということがわかった。また、犯人の心理を知ったことで、具体的にどのようにすれば被害に遭いにくいかということが分かったのでよかった。」という感想を寄せてくれました。

 

 

また、今回授業を担当してくださった、森先生からも「ディスカッションを通して、普段なかなか聞けない市民の皆さまの防犯意識を聞けたことは、私たち自身も勉強になりました。」とおっしゃっていただきました。

 

 

性犯罪-どんな理由があっても正当化できないこと。そして、絶対に悪いのは犯人であること。その真実は変わりませんが、私たち一人一人が日常のちょっとしたことに気をつけ、意識を変えたりするだけで、防げるケースも多いのです。自分自身だけでなく、大切な人が悲しい思いをすることがないよう、今日ここで学んだことを、ご家族、ご友人など多くの方に伝えていただければと願う今回の授業コーディネーターの岩永テンジン大学学長なのでした。

 

(ボランティアスタッフ 甲斐田晴子)