レポート日記
一覧に戻る未来のフクオカは誰がつくる?
開催日:2015年03月28日
通常授業
みんなのやりたいことを
みんなで実現できたら。
福岡は、世界は、
今よりもっと楽しくなるんじゃないかなって思いませんか?
この授業案内に、年齢も性別も職業も、住んでいるところも異なる12人が集まりました。
会場に用意された3つのテーブルには、「天神」「博多」「西新」の文字が…
参加者のみなさんは、この中から好きなテーブルを選んで座ります。
実はこの地名が、後半のワークが大きく盛り上がるきっかけになるんです★
まずはテーブルごとに、自己紹介とアイスブレイクです。
福岡の好きなところ、もっとこんなまちだったらいいのになぁと思うところを
一人ずつ話しました。
「電車やバスが便利で住みやすい」「買い物がしやすい」といった、誰もがよく知る福岡の魅力から、
「文化や歴史をもっと大切にするまちになってほしい」といったそれぞれの思いまで、
「福岡」をキーワードに意見を交わしました。
そんな福岡で、自分の夢を実現しながらも、
福岡の魅力アップにも貢献されている方が今回の先生です。
萱野さんは九州大学芸術工学部の出身で、
在学中から映画やグラフィックなどの制作活動をされています。
現在はフリーの映像作家として、福岡のまちで映画を撮ったり、
イベントや企業の映像制作を手がけたりされています。
萱野さんにとって、いいまちとは?いう問いかけには、
「自分がやりたいことをやって、実現することができるまち」とのこと。
今回は、ここ福岡でやりたいことを実現してきた萱野さんに、
どうやって実現できたのか、福岡でどんな未来を描いているのか聞かせてもらいましょう。
まずは、萱野さんがこれまでに手がけた作品を、ダイジェストで見せてもらいました。
プロモーション映像やオブジェ、グラフィック作品など様々な分野で活躍されている萱野さんですが、
なんと2014年には、自主制作映画を、T・ジョイ博多で上映されているんです!
制作から上映まで、どんな過程や苦労があったのでしょう?
①とにかく人手がいる
制作にかかる人数は、なんと最低でも30人…!
友人や知り合いなど、人脈を駆使してなんとか集めたそうです。
②お金もかなりかかる
映画をひとつ撮るために、ハリウッドの大作なら数百億円もかかるとのこと。
自主制作映画でも、50万円は必要です。
そこで萱野さんは、クラウドファンディングに目をつけました。
SNSや公式ホームページでの告知のほか、
Webサイト上で告知してもらったり、影響力のある方に宣伝してもらったり、
これまでの作品の上映会を開いたりした結果、50万円の資金を集めることに成功!
そこで、クラウドファンディングを利用する際のコツを教えてもらいました。
・コアなファンを獲得する
・勢いや話題性も大事
・お祭り感を出して、財布の紐をゆるめてもらう
・コレクターとの関係性を大切に
このようにしていくつもの難関を乗り越えてきた萱野さんですが、
モチベーションを保つためにはどうしていたんですか?と聞いてみました。
すると、「せっかく作るなら、妥協せずいいものを作りたかった」とのこと。
それから、「一度周りを巻き込んでしまうと、もう引き返せない」という思いもあったそうです。
お話の最後に、福岡に対する思いを聞かせてもらいました。
「福岡は、インディーズのクリエイターにとってはあまり優しいまちではないと感じます。
例えば韓国の釜山は、映画のまちとして取り組んでいるだけあって、
撮影させてもらおうとすると、市民もあたたかく迎え入れてくれます。
また、東京に行くと、自主制作映画の上映の機会もたくさんあります。
福岡が、クリエイターにとって優しいまちになったらいいなと思います。」
後半は、はじめに分かれたテーブルごとに、ワークです!
まずは、「天神」「博多」「西新」で、2025年にどんなまちを作っていきたいか、
テーブルごとにイメージをふくらませます。
そこで出たキーワードは、
・天神×クリエイティブ ー遊・職・住―
・博多×新しいモノ
・西新×教育
次に、これらのキーワードから、
「テンジン大学を使って、具体的に何ができる?」
「それを実現するために、何が、誰の協力が、必要?」
というテーマで議論します。
子どもや若者と高齢者のつながりを作りたい!
福岡に住む外国人にも活躍してもらえるかも?
今あるあの施設とあの施設を巻き込もう!
福岡に関わる某企業の社長に協力をお願いしよう!
皆さんが日頃から感じていたことや、思いついたことが、
新しいアイディアとなってどんどん飛び出していました。
その後、模造紙にまとめたものをテーブルごとに発表し、他のテーブルからも、
こんな人紹介できるよ!ここと連携したらどうかな?などの
フィードバックをもらいました。
最後に、一人ひとりが「私が今からできること」を考え、終了です。
福岡を、夢をあきらめず実現できるまちにしたい
変わっていく福岡のまちを、私たちの手でつくっていきたい
そんな思いから生まれた今回の授業。
福岡が楽しくて面白いまちになるために、
今回参加した皆さんから、この思いが福岡全体に広がるといいなと思います。
(ボランティアスタッフ 前田 亜耶)
【今回の授業のコーディネーター】 下川 和子
長崎産、福岡で育つものの、大学進学と共に一時出荷。どこにいても博多の心を胸に、熱量は人一倍。楽しいこととおいしいものにつられて、テンジン大学に出会う。 |
【今回の先生】 萱野 孝幸
フリー映像作家/TriF studio ディレクター
九州大学芸術工学部卒業。在学中から実写、グラフィック、インスタレーションを中心に制作活動を行う。 2012年に自身初の長編映画 『十秒後ランドスケープ』を発表し、TAMA映画祭ある視点部門に入選。その後TriF movieのメンバーとして多ジャンルの制作プロジェクトに携わる。 2014年には短編映画『HOMELESS』をTjoy博多にて公開。現在はフリーの作家として福岡を中心に活動中。 |
【今回の教室】 天神仕事基地
「一歩進むためのキッカケを提供したい」 2013年9月、天神にOPENしたコワーキングスペース。電源・Wi-Fi完備で1時間100円から気軽に利用可能。1人で集中して作業をしたい、複数人でのミーティングをしたい、30名程度のイベントを開催したい時に最適なスペース。 住所 : 福岡市中央区天神3-15-1 にちりんビル3F
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