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レポート日記

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知るほど楽しい!知のワンダーランドへようこそ!

開催日:2015年07月25日

通常授業

梅雨明けしたかのような、雲一つない晴天!

福岡市博物館にて授業が開催されました。

 

実は私、福岡に引っ越してきて初めて博物館に行きました!

今回の授業は、このように日頃あまり博物館に行ったことがない人にも博物館の楽しみ方が学べる授業でした。

 

 

まずは、学芸員の野島さんから今回鑑賞する

「山本作兵衛の世界」について見どころを教えてもらいました。

 

田川市以外で山本作兵衛の原画が大規模に展示されるのは、今回が初めてとの事。

 

山本作兵衛の作品には筑豊が炭坑で沸いていた時代が鮮明に記録されており、

ユネスコ世界記憶遺産にも登録されています。

 

福岡市博物館では、墨画と彩色画がそれぞれ30作品。

大迫力の壁画や作品の保存方法などを含め5つの章立てで展示されています。

 

 

それでは、さっそくグループに分かれて鑑賞に出発!・・・と、その前に、

鑑賞にあたって有馬館長から3つのミッションが与えられました!

 

 

 

 

・炭坑における女性の位置づけや姿に着目してみる

・墨画と彩色画の違いに着目してみる

・展示全体の見せ方に着目してみる

 

 

各グループ、上記ミッションを意識しながら思い思いに鑑賞。

山本作兵衛の作品はもちろん、実物の石炭、炭坑で使っていた道具、当時の資料などが展示されており、

みなさん足を止めて興味津々に鑑賞されていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あっという間の1時間。

まだまだ見足りないという思いを残しながら、

授業は博物館内の喫茶室に場所を移します。

 

何を頼もうかと迷ってしまうほどメニューが豊富で、

窓からの景色も良い喫茶室。

博物館のおすすめスポットの一つです。

 

そこでは、グループ毎に感想や気づきを共有しました。

 

・女性の強さや華やかさが感じられた

・炭坑の時代は本当の意味で男女平等だったのかもしれないと思った

・墨画と彩色画どちらも良いけれど、彩色画の方が働いている人の様子が伝わった

・墨画と彩色画で同じ絵があったが、それぞれで印象が違った

・炭坑の雰囲気が伝わる展示方法だった

・石炭が展示してあるところは、触ることもできて導入として良かった

・炭坑時代の工具、ランプが作兵衛の作品と一緒に展示してあることで作兵衛の記憶力の凄さに気付いた

 

 

 

 

各グループとも3つのミッションを意識していたせいか、

ただ「見た」だけに終わらず短い時間の中でも様々な発見や気づきがあったようです。

 

 

最後に、有馬館長と野島学芸員からもコメントを頂きました。

 

個人的には、いかにして来館者にわかりやすく伝え、

見せるかという展示の工夫に関するお話が印象に残りました。

 

 

 

 

作品自体の素晴らしさはもちろんのこと、

展示の仕方にも着目してみると新しい発見があるのではないでしょうか?

 

 

 

 

さて、「山本作兵衛の世界」の展示は残念ながら終了してしまいましたが

現在は「大関ヶ原展」が開催されています。

 

グループで、子供連れで、あるいは一人で。

この夏のお出かけスポットに福岡市博物館はいかがでしょうか?

 

ちなみに、15時以降は人が少なくて比較的ゆっくり見れる時間帯だそうですよ。

 

(ボランティアスタッフ 田中 千代美)

 


 

【今回の授業のコーディネーター】

 

下野 弘樹 まちとひとの未来の発明家/Future Studio大名+代表

 

  東京でNPO支援のベンチャー企業を経て2011年より福岡でフリーランスとして独立。「まちとひとの未来の発明」をテーマに、ある時はプランニング・ディレクターとして、ワークショップのファシリテーターとして、教育系社団法人の理事として、など複数の肩書きで活動。 天神のオフィスビルにて多分野の若い世代が集まるクリエイティブな活動拠点「Future Studio 大名+」を運営しながら、多彩な引き出しとつながりを活かして企業やまちの課題に対して新しい視点から創造的なアイデアを発想して、小さく生んで大きく育てていく。

 

 


 

【今回の先生】 有馬 学 福岡市博物館館長

 

  1945年北京生まれ、鹿児島県出身。1971年東京大学文学部卒業。76年同大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。九州大学文学部講師、助教授、教授を経て94年より同大学院比較社会文化研究科教授。2009年退官し九州大学名誉教授。2012年から福岡市博物館館長。歴史学者、専門は日本近代史。著書に『日本の近代4「国際化」の中の帝国日本』、『日本の歴史23 帝国の昭和』などがある。

 

 


 

【今回の教室】 福岡市博物館

 

 

1990年10月に、地域の歴史と民俗を研究・展示する博物館として開館。また、常設展示は2013年に内容を刷新。福岡は、弧を描く日本列島の西の端にあり、ユーラシア大陸と朝鮮半島に近接している。この地に住む人々は、古来、この国の誰もが知らなかった文化に最初に触れ、経験したことのない生産手段や経済活動を発展させ、遭遇したことのない脅威を克服し、豊かな都市を営みつづけてきた。この博物館は、アジアとの人・もの・文化の交流がつくってきた特色ある歴史と、そこに生きる人びとのくらしを、さまざまなかたちで発信している。

住所 : 福岡市早良区百道浜3丁目1-1