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レポート日記

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[天神朝キャンパス]  相手の長所を引き出すコーチングとは? ~今日から活かせるコミュニケーション術~

開催日:2011年03月16日

天神朝キャンパス

【今回の先生】 市丸 邦博 (コーチ・コントリビューション株式会社)

 

【今回の教室】 COMMENT ALLEZ VOUS(コマンタレヴー)

 

 

【特別授業】 天神朝キャンパス

この授業は、天神を安心・安全・快適な街にしようと活動する「We Love 天神協議会」と一緒に進める特別授業です。天神の新たな朝の魅力を発掘するために始まりました。開催日は、毎月第3水曜日。出勤途中の方も、お休みの方も、天神の朝を楽しみませんか?

We Love 天神協議会 : http://welovetenjin.com/

 

 

皆さんは「コーチング」という言葉を聞いたことがありますか?

よく、サッカーのコーチやフィギュアスケートのコーチ、といった言葉で耳にすることが多いと思います。

では、コーチングとは一体何なのでしょう?

 

 

 

 

授業は、「自分の価値観とは?」という問いでスタートしました。

自分の価値観。すぐに答えられるようで、思わず言葉が詰まってしまう。そんな方が多いのではないでしょうか?では、これはどうでしょう?

 

 

「何をしているときが楽しいですか?」

 

 

少し具体的に考えることができましたね。

「自分の価値観を知ることが大事」本日の先生、市丸邦博先生は言います。

 

コーチングとは、上の立場の人から下の立場の人へ、といった一方通行のコミュニケーションではなく、双方向の理解を指します。むしろ、下から上である、と先生。コーチングの対照的なものとして、ティーチングが挙げられます。いわゆる社員教育などで見受けられる、上から下への教育法です。私たちの想像するコーチは、このティーチングにあてはまるのではないでしょうか?市丸先生は、ティーチングには様々な問題がある、と指摘します。

 

 

 

 

指示を多く与えるあまり、指示だけを待つ人が増えたり、その指示をする人以上の人間が現れなかったりする恐れもあります。また、せっかく教育したのに、その成果を発揮できる人はそのうちの2割とも言われているそう。

 

 

そして、コーチングのメリットを、先生はプロジェクターを用いて、分かりやすく説明します。

コーチングは問いかけることから始まり、何よりコミュニケーションが大事。その成果は大きく、早期の目標達成をサポートすることができたり、自分で考える力を育成したりすることもできます。アメリカの管理職などの高級社員のうち、約34%がコーチングをつけているという結果も出ています。

 

 

ここで先生はおもむろにゴムボールを取り出しました。

 

 

「誰かキャッチボールをしましょう」

 

 

そうして選ばれた女性と、キャッチボールを始めます。

最初は何事もなく普通にボールの投げ合いを楽しんでいましたが、先生が仕掛けます。やる気を感じないふにゃふにゃのボールを転がしたかと思うと、女性に投げると見せかけて、ほかの生徒とキャッチボールを始めたり。しまいには、女性の背中に向かってボールを投げ始めてしまいました。

 

 

 

 

実はこれ、コミュニケーションを可視化したものだといいます。確かに「言葉のキャッチボール」なんて言葉、よく使いますよね。最初は楽しんでいたやりとりも、一方の歯車が狂うと、もう一方もつられるように狂い出す。キャッチボールでギクシャクした感じを、コミュニケーションだととらえれば、とても分かりやすいですね。

 

 

今回の授業は、生徒の方同士が語り合う機会が多くありました。二人一組になって、様々な話をしました。それだけでも、「語り手」と「聞き手」という役が生まれるわけです。

 

 

 

 

コーチングは、問いかけ、聞くことが重要。相手から情報を聞き出す問いかけの練習をし、その問い方について、一方がアドバイスをする。短時間の間に、生徒の皆さんは問いかけがうまくなった、そんな気がしました。

 

 

相手をよくしようと思うなら、まず相手のことを知る。相手の価値観を知ることが重要。価値観は人それぞれ。ひとりひとりが違う価値観を持っています。「その違いを楽しんで」、と先生は結びます。頭ごなしに指示するのではなく、双方向のコミュニケーションを以てお互い高めあう。先生はコーチングに無限の可能性があることを教えてくれました。

 

 

市丸先生のユーモアのある語り口や、決して飽きることのない参加型の授業で、あっという間の1時間となりました。コミュニケーションの大切さを、改めて学んだ気がします。

 

 

この現代社会において、不足するものはないくらい、全てが揃っています。しかし、なにかひとつ、足りないものと言えば、それはコミュニケーションではないでしょうか。メールやネットで要件を済ます。それも便利ですが、もっと人間臭い部分、それぞれの価値観を尊重し、その違いを楽しみ、そして言葉のやり取りを通して得るものは、きっと人生に華を添えてくれることでしょう。

 

 

 

 

授業後は自然と話の輪ができ、会場であるコマンタレヴーの方がサービスしてくれたコーヒーを味わいながら、さっそくコーチングが活かされていた、そんな寒い日の暖かいひとときでした。

 

(ボランティアスタッフ 澤村迪)