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レポート日記

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books 〜本を通して街を楽しむ〜

開催日:2015年09月26日

通常授業

夏の名残が残る晴天の5周年の日、

本好き女子がF garage に集まりました。

そう、今回の授業のタイトルはずばり「books~本を通して街を楽しむ~」なのです。

 

 

 

 

授業は、コーディネーター吉開さんの進行でゆるりと始まりました。

まずは吉開さんのお話。

これまで吉開さんがコーディネートした授業を紐解きながら

吉開さんが愛する本と、街と、人についての物語をききました。

 

 

元々本が好きだった吉開さんが、本にまつわる活動を始めるきっかけとなったのは

福岡テンジン大学3周年に開催した「テン大図書館!~1日限りの地の拠点~」だったそう。

本を紹介する人と、その本を手に取る人が顔を合わせることはないけれど、

たしかな繋がりを感じることができたそうです。

本はモノとして存在するだけでなく、“対話の種”として

紹介する人の想いや考えを運んでいたのです。

 

 

邂逅空間~珈琲と本と音楽と……~」では、参加した学生さんにおススメし本3冊を持ってきてもらいました。

“今、なぜその本を選んだの?” という質問から浮かび上がってきたのは

その人自身が大切にしているものでした。

 

 

そうした体験を通じて、吉開さんは“本は媒体だ”と思うようになったそうです。

テン大図書館での本は、人と人を繋げるもの。

邂逅空間では、なにげない自分と深い自分を繋げるもの。

吉開さんの話を聴きながら、本好きの参加学生の皆さんも静かにうなずいています。

 

媒体としての本への気づきを経て、吉開さんは自分の中にあった

「本のタブー」を超える授業や企画をつくっていきました。

“本は家で座って読むものである”

“読書会に参加するには事前に本を読みこんでいなくてはならない”

“自分がキライな本を批判してはいけない”

といったタブーに縛られることなく、人と人とが自由に本を楽しむ場をつくった吉開さん。

 

その後、福岡のブックイベントBOOKUOKAにボランティアとして参加し、

一箱古本市での売り手と買い手の近さに驚いたそうです。

たまたま通りがかった人をも巻き込む本と売り手の魅力!

本のある場所は、人が自然と集う場になっていました。

 

 

そして次にお話してくれたのは、文学フリマ福岡を主催する森元里奈さん。

文学フリマとは、文字通り文学のフリーマーケット!文学作品の展示即売です。

出品される文学作品は、漫画から純文学までオールジャンルだそうです。

作り手(=書き手)と買い手が直接コミュニケーションできることが大きな魅力とのこと。

そういえば、書店やネットで本を買う時って書いた人と話すことってないですよね。

 

 

 

 

本が好きで個人的に東京や大阪で開催される文学フリマに出掛けていた森元さん。

東京では三浦しおんさんなどプロの作家さんが参加されるのも魅力ですが、

一番の魅力は、熱気溢れる会場での宝探し感!

文学フリマに参加する人は、書くことや読むことが大好きな人たちだからこそ

ディープな話ができます。そこで出逢った作品には“わたしが見つけた!”という

プレミアム感があるといいます。

そして、とうとう福岡でも森元さんが文学フリマを主催するそうです。

10月25日(日)11:00より福岡市中央区北天神の都久志会館で開催されますので、

ご興味のある方は是非ご参加ください!

 

吉開さんと森元さんのお話に続いて、トークタイムに入りました。

グループにわかれてbooksなトークの始まりです。

本という媒体のおかげで皆さんすぐに打ち解けていました。

 

 

 

 

最初のテーマは「本の持つ効果」について。

さすがに本が好きな学生さんだけに「本があるだけでワクワクする!」「興奮しますよね」

「ジャケ買いならぬ装丁買いしてしまいます」といった話が盛り上がりました。

一方で吉開さんは「本があると落ち着く」らしく、

学生さんとのギャップに笑いが起こっていました。

 

次のテーマは「本に未来はあるのか」について。

電子書籍が増えつつある今、紙の本に未来はあるのかを話しました。

 

「通勤中にiPadで本も読むけど、充電が切れたら読めんくなる!」

「情報を取るだけではない、自分の好きな本はやっぱりモノとして手元に置きたい」

「紙のページをめくるのって一種の催眠術みたい」

「そうそう、目に見える=実体があるってなんか安心感ありますよね~」

「紙は元々植物から出来ているってことも関係してるのかも」

といった意見が出ていました。

 

電子書籍の便利さは知りつつも、やはり紙の本への愛着は根強いものがありました。

 

 

そして、授業最後のテーマは「本を通した街づくりとは?」でした。

「こういう本のイベントに参加することも街に出るってことですよね?」

「好きな本の話をするだけでも心が軽くなるから、いつでも行けるBook Cafeがあるといいな」

「自宅を開放して気軽に本を貸し借りできたら楽しそうだけど、実際やるとなるとこわい」

「最近はSNSも一般的だし、私でも本のイベントが企画できるかも」

最後の質問は少し難しかったようですが、等身大のトークとなりました。

 

 

 

 

全体を通じて、それぞれの本の楽しみ方や愛し方を感じる授業となりました。

本というのは人が持つ好奇心の器であり、のりものなのかもしれません。

もしそうだとするなら、本が大切にされ元気よく動く街は

きっと魅力的な街に違いありません。

 

(ボランティアスタッフ 日名子 美千代)

 

 


 

 

 

【今回の授業のコーディネーター】 吉開 崇人

 

1986年、福岡県生まれ。大学時代の友人から福岡テンジン大学を紹介してもらい学生登録。最初に参加した授業で、ボランティアスタッフに引き込まれる。現在は、事務局に所属。街の人たちの個性や感性を大切にした授業づくりを心がける。好きな飲み物・食べ物は、温かい緑茶と苺大福。好きな場所は、美術館。あと、”本”と”星”が好き。基本的にのんびりや。

 

 

 

 


 

 

【今回の先生】 参加者の皆さん

 

福岡のまちに暮らす・働く・遊ぶヒト福岡のまちに暮らす・働く・遊ぶヒト、参加者みなさんひとりひとりが先生です。

 

 

 


 

 

 

【今回の教室】 F GARAGE

 

通りから小路に入った奥にある築50年以上の簡易旅館として利用されていた建物。近年ではほぼ使用されていない状態だった。これからリノベーションにより1Fを店舗、2Fを貸しオフィスとして蘇らせる。この秘密基地のような建物がどのような場所に変わっていくのか。生まれ変わる前の未完成の場所が今回の教室です。

住所 : 福岡県福岡市中央区清川2-6-4