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レポート日記

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糸島の森からマイカホン、 つくってみんなでセッションしよう!

開催日:2016年07月23日

通常授業

「みなさん、間伐材をご存知ですか?

森に光を行き渡らせるために伐採された

木材のことです。」

 

 

まずはコーディネータから授業と先生の紹介から。

 

間伐材は森を育てるための木材なのに、

今ひとつ認知度が低い。そんな間伐材で楽器を作ったら

社会のためになるし楽しいのでは?

との想いで今回の授業を企画したとのこと。

 

 

講師の薦田先生は

お父様の代から樵(きこり)をされていて、

ご本人も木工家として、今も森に入るのだそう。

今回の材料となる木材も準備して頂きました。

 

古民家風のカフェでお話を伺います。

 

「昔は樵が山の持ち主にお金を払っていたけど、

今では山に手をかける人がおらず、

逆に山の持ち主がお金を払って間伐してもらっている」

とのこと。

 

人手不足や跡継ぎなど、色々と課題があるようですね。

 

 

間伐材から森の話、

日本の林業のあり方まで話は広がりました。

 

最近は

古民家風の木造建築が法的に難しくなってきている事

なども懸念されていました。

 

その後、参加者の皆さんと感想トーク。

 

あるご家族は、

「自宅の改装で床を間伐材にしたら、

あったかい部屋になった」

と話してくれました。

 

意外と気づいてないだけで、

私たちの身近にも間伐材が使われているのかも

しれませんね。

 

みんなで話した後は、外に出てカホンを作ります。

作業は教室となったグリーンコードさんの

駐車場スペースで。

 

 

 

 

カホンとは直方体型の打楽器で、

後ろ面に音が響くよう穴が開いています。

鳥の巣箱のような感じ。

 

工程は縦板を横板でサンドし(厚板)、

中にスナッピーという部品をつけ、

表と裏にベニヤ板(薄板)をはるというもの。

 

 

材料は糸島の瀬戸の杉材で、

同じ木目はひとつとしてありません。

板を選ぶときには、じっくりと時間をかけます。

これから長い付き合いになりますから。

 

 

 

 

注意点は2つ。

 

①横板で縦板をサンドする(強度の関係から)。

 

②木は年輪の外側を木表(きおもて)、

内側を木裏(きうら)といい木表が外側になるようにする。

 

これは木工製品の約束事とのことなので、

覚えておくといいですね。

 

 

さて、みなさんそれぞれ作り始めていきます。

最初は不安そうでしたが、

だんだん思いがこもってきます。

うまくいかないときには、

薦田先生がドクターXばりに解決してくれました、

安心です!

 

 

 

 

音が響くように中に入れるスナッピーは

スネアドラム用のコイルを半分にカットしたもの。

 

音が変わるかもとその位置を悩む方や

仕上げのカンナがけにこだわる方、

電動ドライバーを使わず最後まで手作業で仕上げる方。

 

木を組む単純な作業だと思っていたのに、

こんなにも個性が出るとは。

 

そして、カホンの完成です。

 

 

完成したカホンを手に、

暑い屋外から涼しいカフェへ戻って

演奏のレクチャーです。

 

8ビートの基本的な叩き方、

簡単なものからちょっと難しくしたものまで

実際叩いてもらいます。

 

 

 

 

演奏に馴染みのない人も、

音楽を楽しんでもらうのが今回の目的なので、

細かいことはともかく、楽しく叩ければOK。

 

こなれてきた頃を見計らってコーディネータが

ウクレレでユーミンの「ルージュの伝言」

で入ってセッション開始です。

 

なかなか良い!

続けてTHE BOOMの「風になりたい」へ。もっと良い!

始めは硬い表情だった方も、

ここまでくると本当にみんなニコニコと

笑顔になっていました。

 

こちらから言ってもいないのに、

サンバのリズムまで叩いてくれて、

音楽って素敵だと改めて改めて思ったのでした。

 

 

薦田先生から

「木製品は作り終えた時が完成ではなく、

ここからがスタートなんです」

と印象的なひとこと。

 

使っていくうちに味が出て、一緒に育っていく、

という事でした。

 

 

今日の授業で音楽が参加者にもっと身近になり、

カホンと共に、

それぞれ新しい音楽との関わりができたら、

スタッフとしてこれほど嬉しいことはありません。

 

解散する頃には参加者どうしで会話したり、

車を乗り合わせて帰る姿が印象的でした。

 

音楽って素晴らしい!

また音楽の授業をしたいと思います!

 

 

 

 

ご参加頂いたみなさん、

ありがとうございました。

 

 

(レポート 吉村・立石)

【今回の授業のコーディネーター】

糸島の森からマイカホン、 つくってみんなでセッションしよう!

立石 依里

八女出身福岡市在住。デザインの仕事の傍ら、週末やアフターは音楽活動、アート鑑賞などで気ままに活動中。2013年にカホンプロジェクト福岡チームを始動、2014年には思い立って世界一周を経験、持続可能な開発やフェアトレードなどにも興味を持つ。将来的にはアーティスト活動とソーシャルビジネスに従事することを目標に修行中。

 

(photo by Youhei Wakamatsu

【今回の先生】

糸島の森からマイカホン、 つくってみんなでセッションしよう!

薦田 雄一

幼少から木こりであった父と森に入り、木と対話を続けてきた「木楽家(きらくか、木を楽しむプロ)」。木工房moqucOmo(モクコモ)を主宰。糸島杉や檜を森から切り出し、

くらしの品に加工し、お客さんに届くまでを一貫して手がける。他にもイベントにて間伐材を使ったスプーン作りのワークショップや「森の健康診断」として森に入る体験のサポートなども行い、多方面から糸島の森を守るために、勢力的にキラクに活動している。

 

<WEBサイト>

木工房moqu cOmo(モクコモ)

【今回の教室】

糸島の森からマイカホン、 つくってみんなでセッションしよう!

糸島のスタジオ GreenCoad

コンセプトは「帰って来れる場所」。

糸島のJR一貴山駅より10分程、のどかな景色の中を歩いていくと辿り着く、緑に囲まれた古民家風のスタジオ兼カフェ。温かく迎えてくれるオーナーご夫妻。気兼ねなく親子で訪れられるカフェ空間にはお座敷もあり、懐かしさを感じる癒しの空間になっており、ライブの他、子供向けの音楽教室や、朗読など、幅広いイベントで賑わう。スタジオは24時間営業で、地元の音楽人にとっては、夜中も練習できる貴重な場所となっており、東京で経験を積んできたギター講師もおり、普段の穏やかさとギャップを感じる演奏テクニックの持ち主で、幅広くレッスン対応してくれます。

 

住所 :福岡県糸島市二丈武581

電話 :092-332-9386

営業時間 :営業時間:11:00~23:00 (スタジオのみ24時間営業)

 

■webサイト

糸島のスタジオ GreenCoad