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レポート日記

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Rethink Fukuoka Project サードプレイスはどこだ!?

開催日:2016年09月21日

コラボレーション授業

みなさんは「サードプレイス」と聞いて、何を思い浮かべますか?

 

家庭でも、職場でもない、もうひとつの場所。

それがサードプレイスと呼ばれる場所ですが、いったいどんな場所なのでしょうか?

また、そこにはどのような可能性が眠っているのでしょうか?その“サードプレイス”について迫っていく授業でした。

 

 

 

 

今回はソーシャル系大学と呼ばれるテンジン大学の姉妹校でもある、NPO法人シブヤ大学の学長、左京泰明さん

7月22日から10月22日の3か月、毎週金曜日と土曜日に開催する千年夜市の代表、松岡まさたかさんを先生にお呼びし、

コーディネーターの山路さんとRethink Fukuoka Projectの上水優輝さんの進行のもと“サードプレイス”について考えていきました。

 

 

 

 

「かんぱ~い!」

 

いつも通り、ドリンク片手に始まったこの授業。

 

 

先ずはシブヤ大学と千年夜市とは何か?お二人にお話し頂きました。

 

 

 

2006年に開校したシブヤ大学は、決まった校舎がなく、街全体をキャンパスとして見立てて、カフェやレストラン、公共施設にて授業を行います。なんと200~300もの場所を教室にしてきたみたいですよ。先生も街の人であり、その人の仕事や活動について学びます。卒業がなく、生涯学習と呼ばれるものです。

 

 

 

 

千年夜市は、県外からの人を連れていく場所がないことに気づいた松岡さんが、

福岡の良さである、人と人の距離感が近いローカルな部分を伝えられる場所が作れないか考えてつくられたそうです。アジアのナイトマーケットを参考にし、「旅とローカルの交差点」として生まれたのが、千年夜市です。

その千年夜市はこの街での日常となるべく、年間200日開催を目標にしています。

 

 

 

 

続いての話題は、サードプレイスをやっていく中で変わってきたもの、逆に変わらないものは何かについてでした。

 

シブヤ大学が開校した10年前は例えば本屋さんに入ると”ソーシャル”や”まちづくり”というコーナーは有りませんでした。

しかし、そのニーズは開校時から変わらず存在し、今までシブヤ大学にはのべ3万人を超える生徒さんが参加されています。まちの人々に支持されてきたことがわかりますよね。

そして、変わってきた事はシブヤ大学の運営を支えてきたボランティアスタッフ達です。

当時からシブヤ大学のスタッフには、ソーシャルビジネス等、何かしらの興味を持って参加する人たちがいました。さらに、情報が溢れる現代において、情報から色々な疑似体験はできるものの、それを体感できる場所がないということで、“リアル”で自分の世界を広げたいという人が集まるようになったそうです。シブヤ大学のスタッフになることで多様な価値観や活動に触れ、仕事やシブヤ大学での活動に変化や成長が現れて来たそうです。

 

 

一方、松岡さんは、やってきたことは変わらずとも、周囲に認知されて変化してきた事を挙げられました。

特徴的な人たちと千年夜市をつくり上げているのは変わらずとも、

開催場所が規模の大きな公園に変わったり、日数が増えたりと、千年夜市は年々成長を続けています。その中で例えば今年は、オフシーズンの春に開催を依頼され、そちらも好評を博していました。

 

 

最後に、サードプレイスとはいったい何なのか、参加された生徒さんと一緒に考えました。

 

 

 

 

左京さん

「私たちが受けてきた教育では、やりたいことの目を積まれて生きてきました。『○○をしたい』といえば、勉強しろ、働け、甘っちょろい!って言われるように。しかし、サードプレイスではそんなことがありません。みんな背中を押してくれます。」

 

松岡さん

「やりたいことを主体的にやれる場所で、色んな人がいて、誰も拒まない。みんなが全力でやれる場所、これがサードプレイスだと思います。」

 

そして、コーディネーター山路さん

「行けば受け入れられる、余白のような場所。気兼ねなく行ける、ストレスフリーなたまり場ですね。」

 

 

 

 

また、参加された生徒さんの中には、

「昔入院していた場所から通っていたカフェの心地よさが忘れられなくて。そんな場所をつくるにはどうしたら良いでしょうか?」

とお話頂いた方もいらっしゃいまして、左京さんと松岡さんから強い励ましとアドバイスを頂く場面もありました。

 

 

今回の授業には、実際にご自身が仕事やライフワーク等でサードプレイス的なフィールドに関わる、関わりたいと思っている生徒さんが多く参加されてた気がします。

最後の時間では皆さんが普段から思っている事についての質疑応答が多数起こっていました。

 

 

 

サードプレイスとは、色んな人がいて当たり前の場所。でも、そこにいるだけじゃなく、主体的に動く人になってからがスタート。やりたいことを見つけ、やりたいことをやれる場所、それがサードプレイスなんだな、と思いました。

サードプレイスは人それぞれ意味が違って当然です。テンジン大学がみなさんにとってのサードプレイスを見つけるお手伝いができたら幸いです。

 

 

 

 

 

(ボランティアスタッフ 峰 萌絵)

 

 


 

【今回の先生】

左京 泰明 シブヤ大学 学長

 

1979年、福岡県出身。早稲田大学卒業後、住友商事株式会社に入社。2005年に退社後、特定非営利活動法人グリーンバードを経て、2006年9月、特定非営利活動法人シブヤ大学を設立、現在に至る。著書に『シブヤ大学の教科書』(シブヤ大学=編 講談社)、『働かないひと。』(弘文堂)がある。

 

 

松岡 まさたか 千年夜市代表

 

2012年8月より「福岡の福岡化」を実現するべく、「福博であい橋 よる市」を開催し、「風土・文化・観光・地元」を巻き込む、新しい場所創りに取り組む。2013年7月、「福博であい橋 千年夜市」として7月~8月の毎週土曜に「福岡・博多の新しい遊び場づくり」をスタート。2014年夏を盛況に収めると、調子に乗って会場を清流公園に移し、秋にもロングラン。大ゴケしてあまりの計画性の無さに心が折れそうになる。 2015年7月~9月の毎週土曜日にオープン。背水の陣で規模を拡大すると、見事大盛況。協力してくれた皆さまのおかげで一気に名前が知れ渡る。 2016春には「福博花しるべ」と特別コラボ開催。大盛況となり、またも調子に乗った4年目の夏、7月~10月までの 毎週 金曜土曜 オープンと、さらに規模を拡大。ちょっとやりすぎた感を覚えながらも、現在大絶賛オープン中。つくりたいのは、特別なイベントやフェスではなく、今の日常のすぐ隣にある「新しい日常」。 いつでもあっていて、行けば誰かがいて、少し刺激があって、また帰ってこれるような場所。「10年以内に年間200日オープン」を目標に、新しい遊び場づくりに日々奮闘している。

 

 

上水 優輝 株式会社ビッグトゥリー 取締役

 

中学時代より、バンド活動に明け暮れる。現在はバンド「homesick」でボーカル・ギターを担当。さまざまな分野のアーティストを集めたアートイベント「Stroll in the Sun」を主催。音楽活動以外では、コミュニケーション・ディスカッション専門の教育会社「株式会社ビッグトゥリー」にて取締役を務める。「ディスカッションコーディネーター講座」「ディスカッションの学びの空間 Dコート」など、子どもから大人まで幅広い対象者のコミュニケーション教育に携わる。

【今回の教室】

Rethink Fukuoka Project サードプレイスはどこだ!?

Rethink Books - 本とビールと焼酎と

天神・明治通り沿いにOPENしたばかりのRethink Booksは、なんと「ビールと焼酎が飲める本屋」。そして「Rethink Fukuoka」をコンセプトに、トークイベントや音楽ライブを開催している。「日常のささいな疑問から、世界が抱える課題まで、あらゆることについて “Rethink”するための「場」としての本屋」を目指している。

 

住所 : 福岡市中央区天神1-10-24

営業時間 : 11:00~22:00

 

■webサイト

Rethink Books - 本とビールと焼酎と