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レポート日記

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愛犬のための親バカ講座

開催日:2011年06月25日

コラボレーション授業

【今回の先生】 福岡ビジョナリーアーツ・ペット学科学生

 

【今回の教室】 福岡ビジョナリーアーツ 7F

 

 

【特別授業】 専門学校 福岡ビジョナリーアーツ

この授業は、専門学校・福岡ビジョナリーアーツ・ペット学科の学生たちが、授業の企画・プレゼンし、運営や実施の計画を福岡テンジン大学と一緒になって作り上げる犬と人と街のモラル・マナーアップを目的とした授業です。

福岡ビジョナリーアーツ・ペット学科:http://www.va-f.ac.jp/pet/

 

 

■授業を企画、そして運営まで手掛けた若者たち

この授業は、福岡ビジョナリーアーツとのコラボレートにより企画されました!

去る4月、2人の女の子と、1人の先生と打ち合わせ。そのときから、この日に向けて1つのプロジェクトが動き始めました。

 

プレゼンの仕方から、企画書の作り方をほんの少しアドバイスしただけだったんですが、彼女たちは自分たちで考え、企画書をつくり、事前にアンケートまでしてマーケティングデータを揃え、福岡テンジン大学学長の僕と、学校の責任ある方々の前でプレゼン。大人は全員驚かされました。

 

そして、仲間が集められ、授業の中身から告知、そして当日の運営までのほとんどを、わずかなアドバイスと毎週1度の打ち合わせのみで作り上げてしまいました。

 

 

■ペット学科の学生による授業開始

当日、天気は晴れ。とても暑い中、博多駅から少し歩く、ちょっとわかりにくい場所にある今回の教室ですが、ペット学科の学生たちは教室の周りに配置し、道案内ができるようにスタンバイしてました。すると一人の学生が、参加者が重そうなキャリーバッグを抱えていたので、走り寄っていき、荷物を持ってあげていました。これぞおもてなし!自らその行動ができたのはすばらしいことですが、この精神をこの日はみんなが共有していました。

 

 

 

 

徐々に集まってくる参加者。そしてワンちゃんたち。

今回の主役は人間ではなく、完全にワンちゃんたちでした。いるだけで場が和む、アイスブレイクが必要ないくらい、一瞬でワンちゃんを介してコミュニケーションがはじまります。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の主役たちです!

参加した方の中で一番多かった参加理由は「お手入れの方法を教えてもらえるから」というものです。そう、今回のタイトルにあるように、ワンちゃんを飼っている方にとってワンちゃんは家族も同然。そして、自分の手でお手入れしてもらうとワンちゃんも飼い主さんも幸せなんじゃないか?もっと親バカな気持ちになれるんじゃないか?ということでこの「親バカ」というワードが付けられたのです。

 

 

まずは、我が子のためにアクセサリーづくりを行います。

 

 

 

 

その後は休憩のため、隣の部屋へ移動。そこではもう、ワンちゃんを通して参加者同士、そして参加者とペット学科の学生たちと会話が弾んでおりました。休憩後は、少しお勉強。ワンちゃんを飼っている方でも、実は多くの方が「知らない」「教えてもらう機会のない」病気やワクチンについての講座です。

 

 

 

 

○狂犬病

イヌだけではない、全ての哺乳類が感染する、発症したら死亡率100%の怖い病気です。もちろん人間にも感染し、いまだに治療法がありません。大陸続きの国では飼い犬は飼い主がしっかりとめんどうを見て病気の知識などもありますが、島国の日本では野犬も少なく、感染ルートが限定されるため飼い主の意識が非常に低いという特性があります。そのため狂犬病の知識がない日本人も多く、海外で日本と同じように野生のワンちゃんに近づくのは実はとても危険な行為だったりします。そして日本では40%程度のワンちゃんしかワクチンを接種していないそうですが、各自治体で1年に1度の予防注射をすることが法律で定められています。

 

○混合ワクチンを打つこと

狂犬病以外にも、ワンちゃんも同じ動物なので気分が悪いこともあれば病気にかかることもあります。そのうち今回紹介したのは

<死亡率が高い>

・ジステンパー

・伝染性肝炎

・パルボウイルス感染症

・ヘブドマディス

<症状が重い>

・アデノウイルス2型感染症

・パラインフルエンザ

・コロナウイルス感染症

<腎炎・肝炎を起こす>

・コペンハーゲニー

・カニコーラ

・ヘブドマディス

です。感染ルートとしては、直接感染・間接感染・空気感染・経皮感染があり、多頭飼育や散歩、ケンカや草むらなどに注意が必要です。これらの病気を予防するための混合ワクチンですが、種類がいくつかあり動物病院などで接種できます。もちろんこれも、ペットショップではなかなか教えてくれないのが現実で、ワクチン接種率もかなり低いそうです。

 

 

■自宅でできるお手入れを伝授

しっかり勉強したあとは、我が子を我が家でお手入れし、より親バカ度を増していきましょう!というお手入れ講座です。まずはワンちゃんの耳そうじから。耳そうじも大事なお手入れです。これで防げる病気もあるんです。

 

 

 

 

次に、ワンちゃんも飼い主さんもちょっとビクビクする爪切りです。これはなかなか自宅でやる人は少ないそうですが、でもとても大切なお手入れのひとつなのです。犬は爪に血管が通っていたりするので、爪の切り方も飼い主さんへ伝授しました。これでワンちゃんが爪でケガすることが防げるようになると思います!

 

 

 

 

そして次にブラッシングを伝授していきます。このブラッシング、実はすごく大切なのです。ブラッシングをサボるとダニやノミが棲みついたり・・・。逆にブラッシングすると、身体の状態を知ることもでき、健康管理ができたりもします。参加者のアンケートには「ブラッシングの大切さを学んだ」という声が一番多かったです。

 

 

最後にシャンプーして乾かして、お手入れ講座は終了です。参加人数の少ないこの授業でしたが、今までにないくらい濃い、そして参加者みんながこのような授業を待ってました!と満足な感想を言っていただける授業となったのです。みんなで集合写真をとって、授業を終えました。

 

 

 

 

■参加者だけでなく、関わったみんなが学べた授業

今回の授業で、ペット学科の学生たちは「接客」や「コミュニケーション」そして何より役割ごとに「チームで動く」ということを学ぶとても良い機会になりました。もちろん予め一人一人目標を設定しており、授業終了後に反省会も開催しました。この授業の企画・運営は、ペット学科の中から“有志”が自ら手をあげて参加しているので、強制でもないですし、また遊びでもありませんでした。

 

 

今回、この授業を通して参加者もワンちゃんのために学べることが多かった満足のいく授業になったかもしれません。しかし、それを実現できたのは、運営していたメンバー全員が「気持ちよく運営できた」からこそ、満足度の高い授業になったという実感がありました。自ら気づき、自ら動き、そして達成しているときの充実感。これから彼ら学生たちは、社会に出てもきっとこのことを忘れなければ、しっかりと仕事をする社会人になれることでしょう。

 

 

福岡テンジン大学は、地元の資源を活かした授業を、地元に根差してやっていきます。なかなか光の当たってないものに光を当てたり、ときにはプロデュースしたり、人材育成としての授業をやってみたり、軽い運動やお茶会のような授業もやっていったりと。今回はワンちゃんと一緒に授業に参加できる!という内容でしたが、実は多くの「ワンちゃんと一緒ではないんですが、参加したいです」という声もいただきました。

 

 

これからもイヌだけでなく、ネコに関する授業も企画していけたらと思えた、とても充実感のある授業でした。我が子でも飼い主でもない僕ですら、そのかわいさに虜にされそうになったワンちゃんたち、参加してくれてありがとうございました!

 

(学長 岩永 真一)