レポート日記
一覧に戻るにしてつグループ社会科見学:日本トップクラスのバス運行マネジメントを調査せよ!
開催日:2017年05月21日
コラボレーション授業
【コラボレート授業】 にしてつグループ
この授業は、“まちに、夢を描こう。”をコンセプトに福岡のまちづくりに取り組む企業であるにしてつグループと、体験型のプログラムを通してまちとの接点をつくっていくコラボレーション授業です。
福岡の街中を走るバス達。私たちにとって普通の光景ですが、西鉄グループ全体のバスが一日に走る距離の合計はなんと地球10周分(!)にも達します。そんな距離を毎日走りながらも安心・安全を継続させている理由や、それを支えているのは一体何なんでしょうか?今回はその秘密を体験する授業に出かけて来ました。
集合場所は西鉄天神高速バスターミナルの貸切バスの乗り場(0番乗り場!!)。のっけからレアなバス体験が待っていました。西鉄バスづくしな一日の始まりです。
バスの中ももちろん教室です。自己紹介から始まり、バスについての話を聞いたり話したり。西鉄社員の平井さんからは西鉄についてのお話もお聞きしました。西鉄には長ーーい歴史や深ーーい特徴が有ります。
(西鉄はグループ全体でバス保有台数日本一なんだそうです!)
そして教習所に着くと先ずは座学です。4つのグループ「外国人観光客・子連れファミリー、地元高齢者・通勤通学客」の設定でバスに乗ってみるチーム分けや、”一日社員”として、レクチャーをビシッと受けました。ちなみに一人前のバスの運転士になるまでの育成プログラムは約1ヶ月!とっても濃密なんですね。
説明の中では所長の「皆さん、バスに乗るときに設定を分けましたけど、(例えば高齢者の気持ちになったりして)その人の目線でバスに乗ると印象は本当に変わります」という、立場や背景の違う人の目線で物事を見たり体験することは、気づきの多い生きた学びに繋がると思います。
座学の後は実習へ。その前にまずは運転士さんが乗務の前に必ず行うアルコールの呼気検査を体験です。初めて見る方も多かったのではないでしょうか。西鉄では飲酒運転撲滅に向けた取り組みも徹底しているそうです。その心がけって大切だよな〜、と感じる時間です。
そしていよいよ教習の現場へ出てのレクチャーです!
先ずはバスの死角について。実際に運転席からはどのあたりが死角になるのかを体験。
普段、バス停でたくさんの人が待っていて、バスが来たから乗ろうとしているシーンを思いうかべてみてください。バスが到着した瞬間の「バスに向かって、この角度で動いている人のことは、運転席から見えてなかったんだ!」という視覚が複数あることを体験。実は運転手からは見えてない!という「へぇ〜!」の連続です。それでも事故が起きないよう安心・安全な運行を実現するために、確かなトレーニングが支えていることを知りました。
ここまではバスが動いていないところを体験でしたが、その後バスが動いているシーンの体験もありましたよ。教習のコースをプロの運転士さんの運転するバスで周ってみたり、S字クランクを走るデモンストレーションを見たりしました。
(あと、急ブレーキの体験は怖かったっす…)
これまで無意識で乗っていたバスの「停車中から発車して、スピードが上がったり曲がったりするときの乗り心地」もしっかり意識してみると、この教習システムあればこその乗り心地!と改めて感じました。
午後は教習所でワークショップ。
4つのグループ「外国人観光客・子連れファミリー、地元高齢者・通勤通学客」の設定で「安心・安全なバス運行に向けての魅力アップや改善ポイント」について話し合いました。
各グループには職員の皆さんも参加して、終始ワイワイとした雰囲気。プロからの生の声と利用者の目線が重なり合います。皆さん何度もうなずいていたのが印象的で、ついどんな話をしているのか聞きに行きたくなっちゃいました。その後の発表では様々な意見を頂きました。
通勤・通学客チーム
「よく見てみると車内には手すりが沢山ついている」
「運転手からの声かけ(降りるときは自転車の飛び出しに気をつけて)は意外と多い」だったり、
「運転士さんの独特の声が聞こえにくい」なんて意見も。確かに独特ですよね。確かにどうやって出してんでしょう。
地元高齢者チーム
「細かい所への目配りが良く効いている」
「安心安全は人が作っている」
子連れファミリーチーム
「ベビーカーの大変なときも運転士さんに声掛けして」
「ベビーカーを留めるベルトが充実してるとありがたい(という改善への意見)」
外国人旅行者チーム
「40年運転士をされていた方からは車内の言語の表記が段々増えたり対応して行く様子が伺えた」
どの意見も、人を乗せて移動する箱という無機的なものではなく、「バスの中にいる1人1人が有機的に関わり合って生まれている空間」だからでしょうか、最後にコーディネーターの岩永学長からは、「運転が自動化に向かっているという話題が有るけど、これだけバスの運転手さんは気を遣うことがあって、パターン化できないそのときそのときの対処法があって、自動運転なんてしばらく無理なんじゃないか。」という、今回の授業のテーマ=”安心・安全の理由”のど真ん中を突く言葉も出て来ました。
今度バスに乗ったときは、当たり前に走るそのバス運行の裏側の話題で盛り上がるのも良いですね。
(アンバサダーの皆さん、よろしくお願いします…!!)
(ボランティアスタッフ 山路 祐一郎)
【今回の授業のコーディネーター】
【今回の先生】
【今回の教室】
西鉄バス
福岡の代表する公共交通。西日本鉄道およびグループ会社各社が運行するバスは、グループ全体で約2,800台あり、年間輸送人員は2億6,000万人で、年間総走行距離は約1億5,000万km(2015年度)。福岡都市高速道路を運行する路線も多く、時速60km以下で走るため乗客が立ったまま走行するのは福岡人にとっては当たり前の光景になっている。
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