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福岡のカフェ文化ってどう変わってきたんだろう?~人気カフェオーナー&仕掛け人に聞く『福岡カフェ物語』~

開催日:2011年07月23日

通常授業

【今回の先生】 木下 雄貴 (Café sones・trene・icone オーナー)

 

【今回の教室】 Café sones (カフェ・ソネス)

 

 

福岡って素敵な街だと思います。転勤族の憧れの地であり、世界的評価も高いとのこと。その魅力を引き立てているカフェの存在。福岡のカフェ文化を築いてきたSONESの木下さんが今回の講師です。

 

 

 

 

本日は気持ちいいほどの快晴。気持ちよすぎるほどの日差しですが、今回の授業会場のCAFÉ SONESには柔らかい光が差します。玄関は緑に溢れ、店内は個性ある椅子やテーブルが並ぶ。心が和む空間です。

 

生徒のみなさんが集まり、定刻となったところで、授業開始のチャイムが鳴りました。授業コーディネーター東さんの計らいです。壁には今日のプログラムを貼っています。

 

 

 

 

【CAFÉ SONESの誕生】

SONESはオープンから13年。福岡の個人経営のカフェでは老舗になります。店舗経営以外にも、お弁当の仕出しなども行っています。月~金曜日、店頭でもお弁当を販売していて、20分足らずで80食が売り切れるという人気ぶりです。ちなみにSONESを含め働いている方はみな社員さんです。1年で辞めたスタッフはいないそう。

 

 木下さんは福岡で役者をされていました。人と会うのが好きで、飲食店で働いていましたが、人と集まる場所を作ろうとお姉さんとカフェをオープンさせたのだそう。今はライブや演劇、落語、映画の上映など、年間40件の企画を行っています。

 

 

 

 

【カフェウィークのはじまり】

カフェウィークのはじまりは、SONESと平尾にあるスラッシュカフェの2店舗で連動したイベントをしたところから。それが数珠繋ぎで広がっていって、一番大きいときでは、全国北から南まで150店舗のCAFÉが参加したのだそう。

 

カフェウィークとはカフェのお祭りみたいなもので、期間中には100件ほどのイベントが開催されます。「あなたの街にはこんないい店がありますよ」という思いで、木下さんはカフェウィークのイベント情報を小冊子にまとめ、発刊しています。木下さんにとってカフェウィークは枠作り。そこにカフェそれぞれの色のアイデアを出してもらうのだそうです。

 

 

 

 

SONESの成り立ちから、カフェウィークのはじまりまでを学んだところで、木下先生への質問タイムです。

 

 

「カフェと喫茶店の違い」

 カフェというものの定義は難しいが、カフェはオーナーが自身のコンセプトにそった空間を作ることができる。現在、”純喫茶”といわれる店舗は減っている、一方でカフェで働く人は増えているという状況なのだそう。また、福岡という都市は、大手外食チェーンが根付きにくい場所とのこと。博多など繋がりが希薄になりがちな都市においても、人との繋がりを大事にする風土であるからかもしれません。

 

 

「今の場所を選んだ理由」

13年前は大名が徐々に盛り上がっていたところだった。しかし、自分のペースで仕事がしたいという思いから、大名から離れた今の場所を選らんだとのこと。ただ、素敵な店もあり、盛り上がる予感があったそう。

 

 

「カフェを開きたいと思っているが、理想と現実のギャップに悩んでいる」

 参加された生徒さんの中に、カフェの開業を考えられている方がいらっしゃいました。その方は、音楽と食が提供できる空間という理想を描いていましたが、既存のカフェ、パーティー会場にイベントの相談をした際、あまりにビジネスライクな考え方に愕然としたとのこと。 木下先生は、自分でやりたいこととお金を稼ぐことのジレンマは5年かかって克服。「お金をいただくということへの責任感」という考え方へのシフトにより克服しました。

 

 

「みんなでワークショップ」

「カフェと一緒に街遊び」をテーマにこれやったらおもしろそうをみんなで談義。ざっくりストーリーを立てて発表します!カフェという空間を活用して、できることはなんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒さん一人ひとりのアイディアが自由に飛び交うブレーンストーミング!みなさんの個性が垣間見られます。話し合いの時間が終わり、各グループで話し合いの結果をプレゼンします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・朝食の大切さを若者に啓発するため、安い料金で提供する「朝食カフェ」

 ・こどもが気安いスペースがあったり、こども店長がいたりする「こどもカフェ」

 ・難しいことを面白く、科学の実験ができる「サイエンスカフェ」

 

 

 などなど、次々に「カフェと一緒に街遊び」企画が飛び出しました。

 

 

「カフェはなんでもありな場所、だからこそなんにでも活かそう」

「カフェは世の中のニーズや課題を解決できる場所」

 

 

など、企画の背景には「カフェという空間」に対する鋭い賢察があり、とても勉強になりました。生徒のみなさんの発表が終わったところで、授業終了。最後はいつものとおり集合写真を撮りました。

 

 

 

 

カフェという空間でやりたいことを考えていたら、これはテンジン大学でやりたいことと似ているなと感じました。誰しもカタチにしたい思いがあるかと思います。それを叶えられる場所のひとつにカフェがあると学びました。

 

 

今回のカフェ授業はシリーズで続きます。みなさんは、カフェで、テンジン大学で、なにをやってみたいですか?このカフェ授業からなにか“カタチ”になるものを生み出しましょう。

 

(ボランティアスタッフ 青柳 雄太)