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レポート日記

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共体験とは?現代のダンスから学ぶ、盆踊りやラジオ体操のルーツ

開催日:2011年08月27日

通常授業

【今回の先生】 ドネルモ

 

【今回の教室】 朝比奈ダンスステップス

 

 

今回は今泉一丁目の朝比奈ダンスステップスさんのスタジオをお借りしての授業。夏の終わりのよく晴れた空の下、日傘とペットボトルを手にした学生さんが今泉の小路からぽつぽつと集まります。

 

今回の授業では実際に体を動かし、「ダンス」を通じて共体験を学びます。子供のころは、テレビの音楽番組に合わせてよく体を動かしたものです。大人になってから、ダンスはテレビやライブでみる程度という人が多いようです。授業前は「きちんと踊れるかな・・・」そんな不安げな空気が流れていました。

 

 

 

 

今回の先生は福岡発文化系団体 ドネルモの方々です。

最初にドネルモの山内さんから参加者のみなさんへ質問。

 

 

●「ダンスってどんなものを思い浮かべますか?」

→「ジャズダンス、バレエ、ストリートダンス・・・」

「ダンスは見るもの=プロによるパフォーマンス」という考え方は西洋の見方で、実はここ200年くらいの考え方です。では盆踊りはダンスだと思いますか?「ダンス」っぽくはないですが、みんなが同じ振りをして踊っている点は同じですよね。

 

 

●同じ振りをすることで得られる『共体験感覚』

みんなが、同じ時間、同じ場所で、同じ音楽に合わせて、同じ動きをする。そこで生まれているのは、「みんなと一緒だ」という共体験の感覚です。例えば野球を観に行って、7回になったらみんなでウェーブする時を思い浮かべてみて下さい。一体感が生まれるのを感じませんか?

 

 

●コミュニティデザインへの意識

普通、地域っていうと、地縁・血縁というイメージではないでしょうか。日本ではここ20年くらいで急速に地域のつながりがなくなってしまいました。いわゆる「孤立した人々による無縁社会」です。しかしその中でも、人々は異なった形で新しいつながりを生み出しています。それを最近では「コミュニティ」と言ったりします。ミクシィやフェイスブックなどのソーシャルメディア、テンジン大学のようなリアルな場でつながりを作っていこうとする活動など、コミュニティデザインへの意識が高まっています。

 

 

●共体験が作るコミュニティ=地域

新しいコミュニティを支える基盤が、共体験という「一体感のイメージ」の中にあるとドネルモは考えています。それは土地や建物、地域と言った形のあるものではなく、「みんなで一緒にやった」という体験の中で、イメージとして、それぞれの人に抱かれるものだ、と思っています。

 

 

●ダンスのもつ「共体験」を生み出す力

大勢でアニメの主題歌やアイドルの歌に合わせてダンスを踊っている映像を撮影した、たくさんの動画がYouTubeやニコニコ動画にアップロードされています。

なぜ大勢で同じ振り付けを踊るのか?そこにあるのは共体験感覚です。Web上では、ダンスを通じ、共体験を生み出す試みがいろいろな形でなされているのです!

 

 

 

 

●今回の授業ではダンスの振付をみんなで一緒になって覚えることを通じて「共体験」について学びます。

課題曲は老若男女の中でも認知度の高いAKB48の「ヘビーローテーション」!昨年、忘年会や結婚式の余興ですごく踊られた、多くの人と共有できる踊りです。かわいらしいAKBのコスチュームに身を包んだ女の子たちが登場。服装も笑顔も気合バッチリ!ダンスレッスンの講師の方々です

 

2チームに分かれて鏡張りのスタジオで振り付けのレッスン開始です。「アイラービュー、アイニージュー・・・」おなじみのイントロが流れてきます。緊張していた表情が、身体を動かすうちだんだん笑顔に変わっていきます。休憩時間の自主練習タイムでも、曲が流れるとついつい曲に合わせて身体が動いてしまいます。

 

 

 

 

1時間半みっちりレッスンした後、いよいよ本番です。

覚えた振付をみんなで踊り、ビデオカメラで撮影したものがYouTubeにアップされています。

「ヘビーローテーション」で踊ってみた@福岡テンジン大学+ドネルモ-001

「ヘビーローテーション」で踊ってみた@福岡テンジン大学+ドネルモ-002

 

 

踊り終わって実感したのは、みんなと同じ時間・同じ場所・同じ感覚を共有している!という感覚でした。共体験恐るべしです!その日逢った人と1~2時間で仲良くなれる。同じ空間を共有し笑顔になれる。『共体験』は新しいコミュニティ作りのヒントかもしれません!

 

 

 

 

●参加者の感想より

「ディズニーランド並みの楽しさ」

「身をもって体験するって大事だな」

「またダンスしたいです」

「本当にお祭り並みな楽しさでした」

 

 

(ボランティアスタッフ 村井 泰)