レポート日記
一覧に戻る【女性限定】あなたの人生の味方かも!ピルの知りたかった正しい知識

開催日:2018年02月24日
通常授業
皆さんは、ピルに関して正しい知識をどれくらい持っていますか?いざ、そう質問されると、自信をもって答えられる方はそう多くはいないのではないでしょうか。今回は、女性だけという空間の中、女性の身体とピルについて疑問や不安を共有しながら考えていきました。
天神の中心にあるイムズ8階の一室。明るい表情で、集まった女性たちの前に立つのは、今回の授業の先生である牛草 由美子さん。先生は、助産師の資格をもち、以前はピルに関する電話相談員をされていた経験があり、ピルに関してとても詳しい方です。
最初に、生徒の皆さんがそれぞれピルに対するイメージを書き出し、それらをグループの中で共有しました。副作用に対する怖さや身体的・精神的辛さを緩和する作用と副作用を考えた時にどちらを優先して考えるべきかなどが挙げられました。女性同士だからこそ話しやすい雰囲気のなか、授業が進んでいきます。
そういった生徒やスタッフからの声を受け取った先生。まずは、ピルの役割について説明していきました。ピルは、女性ホルモンから作られており、月経困難症や子宮内膜症といった疾患に対する治療薬としての使用と避妊を目的として使用されています。ピルには、21日間または28日間服用するタイプがありますが、28日間分の最後の7日間分は効果がなく、服用習慣をつける、あるいは日数管理を確実に行うためのものです。ピルは、女性の意思のみで避妊できるものですが、外国と比較し、日本は未だにピルをタブー視する傾向があるそうです。
ここからは、2冊の冊子を使用した先生の講義をQ&A形式で見ていきましょう。
Q.ピルは初めてという方におすすめの服用のタイプは?
A.28日タイプから飲み始めるのがおすすめ。21日タイプは飲み忘れが起こりやすいため、習慣化が重要になってくるので、自分の生活スタイルを考えて、医師と相談しながら選びましょう。
Q.ピルはいつから飲み始めたらいいの?
A.月経初日または月経5日目までに飲む。最長7日までで、それ以上になると、避妊効果が減少するので注意しましょう。
Q.ピルが欲しい場合はどうしたらいいの?
A.産婦人科や婦人科を受診し、医師の診察のもと、処方してもらいましょう。病院で処方されるものは、安全性が保障されていますが、ネットでの購入は海外からのものであるため安全性は保障されていません。費用は疾患に対する治療薬目的であれば、保険が適応されますが、避妊目的であれば自費になります。
Q.海外旅行の予定がある。時差が生じてしまう場合の対処法は?
A.普段と同時間帯に服用するのが理想だけど、そこまで厳密でなくていい。日本時間を確認し、1日1回服用していることになればよいので、出発時に飲み、到着時に飲むなど工夫するとよいでしょう。
Q.服用している期間に薄い出血があるのですが…。
A.服用中は気にしなくて大丈夫です。微量すぎておさえられていないものなので。
Q.飲み忘れた場合の対処法は?
A.1日飲み忘れた場合は2日分飲みましょう。2日飲み忘れた場合は、今日の分と飲み忘れた分のうち1錠の合計2錠を飲むようにし、余った1錠は予備としてとっておきましょう。
Q.副作用への対策は?
A.副作用は個人差が大きく、3か月耐えられるかがポイントになってきます。副作用がきつい場合は、医師との相談の上で薬の種類を変えるとよいでしょう。薬にも合う合わないがあり、薬を変えたら副作用が軽くなったという声は少なくないです。
Q.赤ちゃんが欲しくなった場合は?ピルの服用による赤ちゃんへの影響はあるの?
A.服用を止めることで多くの人が3~4か月で自然な月経に戻り、妊娠できるようになります。ピル服用終了後と服用していない場合の妊娠率はほとんど変わらず、赤ちゃんに先天異常が増加することはないといわれています。授乳中は、乳汁の分泌に影響があるため、服用しないようにしましょう。
Q.ピルと一緒に飲んではいけない薬はあるの?
A.水虫などの治療に使われる真菌症の薬やセイヨウオトギリソウを有する健康補助食品などいくつか服用時に注意する薬があります。
これまで疑問に感じていたことへの正しい答えや目からうろこの情報に、生徒の皆さんは先生の話を聞き逃すまいと真剣な様子。
ここで、初めて知ったことやさらに知りたいことをそれぞれがワークシートに書き出し、グループで意見交換を行いました。自分の経験を踏まえた上で、感じていた不安や疑問が解消されたなどの意見が出ていました。
続いて、生徒の皆さんから先生への質問タイムです。
Q.女性ホルモン剤を服用していると脱毛できないと言われたことがあるのですが、それはなぜ?
A.女性ホルモンによって毛の量や濃さが抑えられ、生えるのを遅らせ作用があるため、脱毛したいという視点からすると問題ないのではないかと思いますが、施術会社の考えにもよると思うので説明をよく聞き、医師に相談してみましょう。
Q.抗生剤や頭痛薬を飲んでてもピルは飲んでいい?
A.ピルと併用は可能です。基礎疾患がある場合は、医師に相談してみましょう。また、ピルは精神安定の効果もあるため、精神科や心療内科で処方される薬を服用している場合、それらの薬を減量できることもあります。しかし、自己判断で勝手に服薬量を減らすことはせずに、医師に相談したうえで服薬量を調整しましょう。
今まで相談することが出来なかった疑問を直接先生へ質問することによって、ピルへの理解を深める場になったのではないでしょうか。
しかし、ピルは性感染症の予防にはならないというデメリットがあります。きちんと避妊具を使用することが性感染症を防ぐために重要なのです。ですが、女性の避妊具に対する理解は未だに乏しいことから、今回は避妊具についても学びました。
使用方法を間違っているケースもあり、パートナーだけに避妊を託すのではなく、女性も避妊具に対して正しい知識を持って、自分の身体を守る必要があるということを知る機会になったと思います。
生徒の皆さんからは、『少人数だったので自分の思いを話しやすかった。』『正しい情報を選択して、自分の身体を守ることの大切さを感じた。』といった感想が聞かれ、生徒の皆さんにとって満足度の高い授業になったようです。
ピルの知識や避妊具の使用法や使用上の注意、保管期間、保管場所など、なかなか学ぶことがないからこそ、今回の授業は、普段思っていても、口にすることが出来ない悩みをフラットに話すことができ、それらを解決あるいは再認識できた時間になったのではないでしょうか。
(ボランティアスタッフ 石橋 愛)
【今回の授業のコーディネーター】

峰 萌絵
1995年産まれ。九州大学21世紀プログラム3年生の話すことが大好きな現役女子大学生。
大学入学直前にgreenbirdに参加したことにより岩永学長と出会い、2014年5月からテンジン大学のインターン生として活動中。現在はテンジン大学にて理事を務めるとともに親子と学生をつなぐ学生団体Fam'S-ファムズ-代表や農業関連の企画、学生向け性教育会立ち上げなど様々な分野に関与する。将来は保育士に寄り添った保育事業をすべく、現在奮闘中。
【今回の先生】

牛草 由美子
佐世保市出身、福岡市内に在住経験がある岡山県在住の助産師。21年目の現役助産師として産婦人科クリニックや総合病院で1,000人以上のお産に携わる。これまで約2万人の男女関係をみてきた経験をもとに、妊娠・出産・育児の不安を緩和するヒーリングや、思春期の性の悩みや、性にまつわる「誤解」を「理解」に変えるためのカウンセリングを提供している。現在、高2男子、中3女子の母。保有している資格は助産師(2015年 クリニカルラダー レベルⅢアドバンス助産師に認定)・受胎調節実地指導員・ 日本マタニティフィットネス協会認定インストラクターなど
【今回の教室】

天神イムズ
1989年4月12日に天神の中心地にてオープンした商業施設。外壁のタイルは有田焼。情報発信基地として、ショッピング以外にも演劇や映画鑑賞などのホールや、セミナールームなども設備も持つ。
住所 : 福岡市中央区天神1-7-11
電話 : 092-733-2016 (マーケットプロモーション部)
※お問い合わせは所在場所についてのみ、お願い致します。
※授業内容につきましては、福岡テンジン大学までお問合せください。
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