レポート日記
一覧に戻る天神へのまなざしをデザインしよう!
開催日:2018年06月23日
通常授業
今回の授業はギンギラ太陽’s主宰の大塚さんを迎えての授業でした。
まずはウォーミングアップ。今日来た理由や名前、また宿題であった天神の中で好きだと思うスポットの写真についてのお話を皆さん楽しそうに話していました。
次に今回の授業を企画した岩永さんのお話。光景、景観、景色 、風景と同じ「景」がつく4つの言葉。最初の3つは客観的な言葉ですが、4つ目の風景という言葉はとても主観的な言葉で一番捉え方が変わるものであるとのこと。
商業施設や乗り物などのキャラが物語を紡ぐという衝撃的なギンギラ太陽’sの公演は、この風景を変えてくれるものではないか。これが今回の授業を企画した意図であるということでした。
そして大塚さんのお話。キャラやかぶりものの作成、演出、出演すべてをされている大塚さん。そこに当たり前にあるものの物語、その商業施設などを支えている人がグッとくるものを作りたいとおっしゃっていました。なので取材に行く前に自分で調べられるもの(業界の歴史や郷土史など)は自分で調べ、その後必ずそこに行って取材をするとのことでした。
スクリーンには、空襲に備えて迷彩化された岩田屋の写真(現PARCO)も。福岡大空襲の写真も紹介され、新聞の切り抜きなども資料になるということでした。
大塚さんいわく、天神は商業施設それぞれが切磋琢磨しているのに最初から協力しあっている大変珍しい場所であるとのこと。ビルなどをキャラにするとき、それらの歴史や背景などを、結婚・離婚・再婚・出産などに置き換えて、人生として考えると想像しやすいそうです。
皆さん、「へー面白い!」と笑ったり感心したりしながら熱心に聞いていました。キャラや物語の創作に並々ならぬ熱意を感じるお話でした。大塚さんのお話はまだ続きます。
スクリーンにはギンギラ太陽’sの公演の映像が。マダム大丸やエルガーラ、PARCO、ソラリア、天神コア姉さんなど、天神ではお馴染みの施設が個性豊かな魅力あるキャラとなって舞台上で大騒ぎしていました。実際に町に出て見ていないとわからないネタも満載で、参加者の皆さんはクスクスと笑っていました。(正直言うともっと映像を観ていたかったです笑)
大塚さんいわく、「物語を知って公演を見た後はギンギラ目線になって風景が変わる!」とのことでした!
さて、興味深く楽しいお話で少々お腹がいっぱいになってきたところで本日のメインイベント、天神にある施設や乗り物などのキャラづくりが始まりました。
まずは個人ワーク、自分が好きなもののキャラづくりをしました。妄想もOKで深く考えずに、という大塚さんのアドバイスを頂き、そのものの歴史から性別や性格、口癖などを皆さん真剣に考えていました。
次に顔型のデザインづくり。顔型は縦横どちらでも2人用でも何でも自由とのことだったので、それぞれ思い思いのキャラを作っていました。皆さんとても楽しそう!
そして全体での発表。一人一人自分が作ったキャラをかぶりながら、そのキャラにした理由や自己紹介、口癖などを自由に発表していました。アクロス福岡や赤煉瓦文化館、西鉄軍団(バスや電車、ソラリアなど)、天神地下街や新天町など、それぞれたくさんのキャラが生み出されていて大変楽しい発表会となりました。
最後に大塚さんのまとめ。
「自分が作ったキャラはもう他人とは思えないはず!
これが町と仲良くなるきっかけになったらいいと思います!」
とのことでした。
自分なりのキャラをつくってただ楽しいだけでなく、今まで見ていたものとは違う風景が見えてくる、天神との新しい関わり方を手に入れることができた授業でした。
<この授業のスタッフ>
Report 嶋村有紀
Photo 田中千代美、松本桃果
【今回の授業のコーディネーター】
【今回の先生】
大塚 ムネト
ギンギラ太陽'sで作・演出・かぶりモノ造型および出演を担当。劇は、地元福岡を題材とし擬人化されたビルや乗り物が登場するのが特徴。「地元にこだわった地産地消の物語」をコンセプトに、福岡以外での全国ツアーを「地方公演」として実施。第42回ギャラクシー賞ラジオ部門優秀賞、平成19年度福岡県文化賞、平成22年度福岡市民文化活動功労賞を受賞している。
■ギンギラ太陽's WEBサイト
【今回の教室】
イムズ
1989年4月12日に天神の中心地にてオープンした商業施設。「まちの情報受発信基地」としてInter Media Stationの頭文字をとって「IMS」という名称になっており、ショッピング以外にも演劇や映画鑑賞などのホール、セミナールームなども設備、文化やスポーツが楽しめたり、学びのスクールがあったりと多様なコンテンツが揃っている。外壁のタイルは全て有田焼のタイルでできている。