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レポート日記

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それぞれの生き方を考える。多様性と僕らの暮らし。

開催日:2019年06月22日

通常授業

自分の身近な人達の事、知っているようで知らない。

今回は、自分と違う誰かの事を考えてみる、知ってみる授業となりました。

NPO法人まる代表理事樋口龍二先生を招いて、NPO法人まるが運営を行う福祉生涯サービス事業所「工房まる」を中心に人との関わりについてお話を伺いました。

 

 

工房まるは1997年無認可の福祉事業所として開所。「その人らしさ」があらわれてくる事を「自立」と考え、人や社会とのかかわりの中での「自立」を目指し活動されています。

 

皆さんは、日本の障害者数が何人くらいかご存知でしょうか?約937万人、人口の約7.4%とされています。主な障害は知的障害・身体障害そして近年、増えている精神障害の3つとなります。精神障害が増えている理由として、発達障害があります。2004年に確立された障害で、その認定方法はとても曖昧なもので、障害者手帳の発行も難しいのが現状です。

 

 

工房まるでは、障害による縦割りをしない事で障害の垣根を越えた活発なコミュニケーションが生まれ、障害者自身が経験を重ねることにより自主性を持ち、アートや粘土等で作るオリジナル作品の制作や一人暮らしと自分自身が「したい」事に取り組んでいるそうです。

 

 

樋口先生は、彼らの「したい」があって支援ができる。今の福祉は、先回りして支援を行ってしまう為、彼らの「したい」が出てこない、出来ない事を補わされていて、出来る事を伸ばされていない「環境障害」が問題の一つだとお話ししてくださいました。

 

工房まるの活動の中には、企業相手に福祉事業所施設の就労支援ビジネスや、企業研修の受入れ、利用者によるお芝居や朗読等対外活動も行っています。

天神地下街にあるモニュメントは工房まるの利用者さんが、企業コンペに勝ち抜き制作されたそうです。

 

 

 

生徒の皆さんからの多くの質問に、樋口先生自身の経験を交えながら回答して頂き最後までとても楽しく興味深いお話を伺う事ができました。

また、生徒の皆さんにグループトークで今日の授業で感じた事を共有・発表して頂きました。

 

 

 

お互いを知らない事が、恐怖となり相手と自分を隔てる壁になってしまう。相手を知る機会を多く持つ事や自分とは違う当たり前を認め、自分との違いを面白いと思える環境が、多様性の社会を共に生きていく事に必要な事ですね。

 

 

〈この授業のスタッフ〉
Report 矢野 明美
Photo   宮坂 直人
Staff     泉 佑果、横山 郁美

【今回の授業のコーディネーター】

それぞれの生き方を考える。多様性と僕らの暮らし。

吉開 崇人

1986年、福岡生まれ。九州大学芸術工学部卒。民間企業勤務。テンジン大学では、理事、授業局長、授業コーディネータを担当。福岡の街の本のお祭りBOOKUOKAにも参加。赤坂のけやき通りで毎年開催されている「のきさき古本市」の取り纏めを行っている。

【今回の先生】

それぞれの生き方を考える。多様性と僕らの暮らし。

樋口 龍二

1974年福岡生まれ。1998年、染色会社在職中に「工房まる」と出会い、障害のある人たちの感性に魅了され即転職。2007年に「NPO法人まる」設立と同時に代表理事就任。現在では、九州/福岡を中心に、障害のある人たちの表現を社会にアウトプットする企画運営や、表現活動をサポートする人材育成として、セミナーやワークショップ等も各地で開催。2015年には、障害者の自立サポートを目的とした「(株)ふくしごと」を、地元福岡の企業経営者やクリエーターたちと共同設立。障害のある人たちに対しても柔軟に対応できる"まちづくり"としてさまざまな活動をおこなっている。
2014年、「NPO法人まる」が「第22回福岡県文化賞(社会部門)」を受賞。

 

<WEBサイト>

工房まる

ふくしごと

【今回の教室】

それぞれの生き方を考える。多様性と僕らの暮らし。

イムズ

1989年4月12日に天神の中心地にてオープンした商業施設。「まちの情報受発信基地」としてInter Media Stationの頭文字をとって「IMS」という名称になっており、ショッピング以外にも演劇や映画鑑賞などのホール、セミナールームなども設備、文化やスポーツが楽しめたり、学びのスクールがあったりと多様なコンテンツが揃っている。外壁のタイルは全て有田焼のタイルでできている。