レポート日記
一覧に戻る[オンライン授業]オンラインってなんだか苦手かも… ~そのモヤモヤの正体にZoom IN!~
開催日:2020年06月27日
通常授業
「じゃあ、オンラインで!」
「Zoom飲みしよ〜」
なんて言葉が当たり前になった様な気がする2020年。
世間では新しい定番とかニューノーマルとか言われていますけど、
「とは言えオンラインって何か苦手…」
「自分は向いてないかもな〜…」
と思うことも少なくないですよね。
そんなモヤモヤをNPO法人ドネルモの山内さんに聞いてみました。
前半は山内さんからのお話。
参考にされたのはマクルーハンの「メディア論」でした。
ポイントは3つ
1.メディアとは
2.メディアはメッセージであるとは
3.人はメディアの影響をめちゃ受けてる
です。
【1.メディアとは】
メディアというとテレビや新聞のイメージがありますが、
マクルーハンは人と人をつなぐもの全部を「メディア」と言っています。
だから電話もラインもお手紙も「メディア」なんですね。
そしてそれをもう少し広げて考えてみると、
新聞やネットの文字、ラジオや話し声等の音はもちろん、
匂い、味、住まい、時間….感じるものは何でもメディアになっちゃいます。
もう、「世の中にあるもののほとんどがメディア!」なんです。
【2.メディアはメッセージであるとは】
例えば「大好き!」て告白するときに、
・密室で言われるか、ファストフード店で言われるか
・対面なのか、LINEなのか
それによって返事も変わることってありますよね。
つまり、伝えたいことが同じでも、「伝え方」で返事が変わる
=伝え方自体が「メッセージ」を発していると言えます。
(ほえ〜!)
【3.人はメディアの影響をめちゃ受けてる】
告白じゃなく何気ない日常の中でも、
人はメディア(=伝え方)にとても影響を受けています。
例に出されたのがまた壮大な話ですけど、
宗教革命だって、メディアの変化が大きな影響を与えたんだそうです。
ということは、例えばテン大のオンライン授業も、
☓いつもの授業をオンラインでやる
◯新しい体験としてのオンライン授業
だったんですね!
山内さんからは、
告白やテン大以外の「何気ない日常」でも同じ様に、
今どんな状況で何が起きているのかを意識してみる事をおすすめ頂きました。
「なんか違うな〜」というモヤモヤの正体がちょっと分かったような、気がします!
・
ここで生徒さんからの質問と山内さんからのお返事も聞いてみましょう。
- じゃあ、情報の送り手はどう意識をしたら良い?
- オンライン、オフライン関係なく伝える事、体験をどの様につくるのかが大切
受け手がどんな体験をするのか、それをより良くする為にはどうすれば良いのかを考えること。椅子の配置や照明、時間配分等々。受け手が感じるものにたくさん気配りする事が大切
- じゃあ、受け手側としてどうすればいいんだろう?
- モヤモヤっていうものを明らかにするには、?
- 体験の違いに注目しましょう
・オフラインで起きていたこと、起きていないこと
・オンラインで起きていたこと、起きていないこと
は何なんでしょうか?
「オンラインだとこんな事が出来るのか」
「オンラインはここに気を付けた方が良いんだな」
とか考えてみてはどうでしょうか。
・
続いてはグループワークです
2つのテーマ別に分かれて生徒さん同士でお話して頂きました。
テーマは、
①オンライン飲み会とリアルな飲み会は何が違う?
②オンライン会議やグループワークとリアルな会議は何が違う?
です。
・
みなさんからはどんなお話が有ったんでしょう?
いくつか、発表の内容と山内さんからのコメントをご紹介しますね。
「お家の外でする様な話、ノリがオンラインだとできない」
「BBQや焼き肉みたいな共通の体験ができない」
「お酒を飲む量が変わっちゃう」
↓
山内さん
「家というメディアで話す内容が変わりますよね」
「LINEのグループチャットでもいつ入って良いのか分からなくなる」
「オンラインの方が時間って区切られるよね」
「4人組でも2人と2人みたいな話がオンラインだと出来ない」
↓
山内さん
「同時に話が出来ないことに不自由感を感じている、同時性が普段では大切に感じられているんではないでしょうか」
「オンラインの参加者は終始おだやか。人より画面に向かっての方は感情が出にくいのでは」
「自分自身も映ってるから、もし怒ったら自分の怒った顔が見えるからかな?」
↓
山内さん
「自分が映ってるから、『あれ?自分なに怒ってるんだろう?』が常に起こるんでしょうね。これこそメディアからの影響だと思います」
なるほど〜
どんな事にどんな風に思うのか。
それを意識
・
あと最後にmentimetorというサービスでみなさんに感想を頂きました。
こんな風に可視化されると、皆さんからの感想がまんべんなく見えるのではないでしょうか。
・
授業をまとめると、
「オンラインはこれまでの変わりじゃなくて新しい空間&体験」
こんな言葉が一番上にある気がしました。
モヤモヤしたときは
「この新しい空間やルールを自分はどう体験しているんだろう?」
なんて考えてみると整理が出来るのかもしれませんね。
≪この授業のスタッフ≫
Report: 山路 祐一郎
Photo: 宇都 太亮
Staff: 貴島 道拓、渕 信子
【今回の授業のコーディネーター】
野田 遥
山口県防府市生まれ。大学から福岡に住み始め、福岡が好きになりそのまま就職。テンジン大学では、理事、保健室長。気になるテーマを見つけた時だけ授業を作る気ままな授業コーディネーター。「対話」や「学びあう」可能性の無限さを感じており、最近は「良質な問い」の作り方に興味がある。現在は、久留米でchietsukuプロジェクトにも参加し、まちで遊びながら暮らしている。
【今回の先生】
山内 泰
1977年山口県生まれ。ドネルモ代表理事。株式会社ふくしごと取締役。ポ二ポ二(大牟田未来共創センター)理事。芸術工学博士(専門は美学)。九州大学非常勤講師。ドネルモでは、超高齢社会を見据え、学び合いの場づくりや社会のしくみづくりに取り組む。ふくしごとでは、障がいのある人と社会の豊かなつながり(しごと)を生み出す事業に取り組む。ポ二ポ二(大牟田未来共創センター)は、大牟田に暮らす誰もがその人らしく生きることに貢献すべく、これからの地域経営の一翼を担うことを目指す一般社団法人。好きなものは音楽(クラシック)を聴くこと、美味しいものを食べること、世界や人の不思議を考えること。
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