レポート日記
一覧に戻る[オンライン授業] 戦後75年に見る戦争と平和~現代史を通じて今、我々ができること
開催日:2020年09月26日
通常授業
テン大では珍しい「平和」に関するオンライン授業が行われました。
広島や長崎といった被爆地と比べると、平和教育の少ない福岡での実験的な授業。途中でパワーポイントが映らないというトラブルがありつつも、参加者が熱心に耳を傾ける中で授業を進めることが出来ました。
授業の前半はコーディネーターの中牟田さんからの話。
以前は、福岡のどの学校も広島、長崎に原爆が投下された8月6日、9日のどちらかが登校日となっていたものの、今では諸事情により夏休み期間には平和教育が行われなくなり、さらには限定された一部のメディアでしか原爆の日に関する報道がされなくなった現状をとても重く受け止めていると話していました。
北九州で8月9日に原爆が投下される可能性があったという話を知らない人が多くなってきたそうです。
現在の平和教育の現状を理解したところで、今回の先生の安彦さんの登場です。
安彦さんは、広島に「ハチドリ舎」というカフェを3年前の2017年に開業した方で、他にも様々な活動を行っています。社会問題について人に話すと、たまに「えらいね(笑)」とか「ちょっと重くない??(笑)」って感じで引かれたりすることありますよね。ハチドリ舎は、問題意識を持っている人が「真面目に」話し合うことができる「居場所」になっています。
このカフェが完成するまではかなり長い道のりだったようで、クラウドファンディングの大変さ、運営する上での企画力の大切さがよく伝わりました(汗)。
先生の話の中で、個人的にとても印象に残った言葉は、「加害性をもつ」ことでした。「他の国で起こった紛争とか分からないし…」など、「過去に起こったこととか知らなくていいじゃん」というように傍観者で居続けるのではなく、「自分の無知が原因でこの紛争・社会問題は引き起こされているのではないか」と考えることが大事だと話していました。
確かに、ニュースを見ても「ふーん」で終わっていたこともあったなあ、と思い、自分の考え方を振り返るきっかけとなりました。
平和教育において大事なのは「自分の考えをもつこと」。ただただ被爆体験を継承すればいい、という簡単な話ではありません。平和教育をする意味というものをもう一度、自分で問い直す必要があると感じました。
私はこの授業を通して、今後様々な社会問題に対して、他人事として考えるのではなく、「自分にできることは何なのだろうか」「これは自分に関係のある問題なのではないか」というように「自分事」として考えていきたいと思いました。
≪この授業のスタッフ≫
Report 前田 也詠子
Photo 田中 千代美
【今回の授業のコーディネーター】
中牟田 康
福岡市出身。約16年間の新聞社勤務中は、主に野球やサッカーなどを担当し、1999年のホークス初の日本一の胴上げは、相手チームの担当記者として見る。フリー転身後は主にボートレースの予想を担当しながら、たまに野球の原稿や放送の台本、翻訳なども担当。趣味はマラソンと英会話。姉妹校「ひろしまジン大学」からの転校生でもある。
【今回の先生】
安彦 恵里香
茨城県出身。現在は広島市内にあるソーシャルブックカフェ「ハチドリ舎」オーナー。NGO「ピースボート」スタッフを経験後、核廃絶キャンペーンの社会活動をする傍ら、福岡テンジン大学の姉妹校「ひろしまジン大学」で授業コーディネーターも務める。2020年度からNHK中国地方放送番組審議会委員。
WEBサイト : ハチドリ舎
Twitter : https://twitter.com/abikoerika