レポート日記
一覧に戻る[オンライン授業] “いただきます”のその前に、“ごちそうさま”のその先に。
開催日:2021年03月27日
通常授業
「皆さんは福岡の食にどういうイメージを持っていますか?」
この問いかけから始まったMOK授業。
MOKとはMUNAKATA OPEN KITCHENの略称です。https://mok0940.com/
宗像を拠点に、生産者と消費者(地域の方)をつなぐ活動をされている団体です。
今回の授業は、「いただきますのその前に、ごちそうさまのその先に」。
MOKの活動を知り、「食」について皆で考えるオンライン授業でした。
今回の先生は、宗像でMOKの活動をしている谷口竜平さんと井川春奈さん。
谷口さんは相続で宗像の広大な土地の地主となり、自然と共存する中で農家さんはもっと報われるべき仕事だと思ったことをきっかけに、食のプロモーションでそれを伝えたいとMOKを始めたとのこと。
最近では、宗像の無農薬米を利用した日本酒造りなど、食を通じたつながりを広げる活動をされています。
井川さんは3.11をきっかけに地域参画に興味を持ち活動を始められたとのこと。
地島という人口40名以下の離島で毎年わかめの出荷のお手伝いをしながら、子供たちに地元でとれる食の大切さを教えておられるそうです。
茎をわけたり、めかぶを刻んで出荷したり、わかめ1つを取っても、様々な人の手がかかっていて食べるに至るまでのストーリーがあることをお話くださり、自分の食べているものを考えさせられるきっかけとなりました。
また、今回のコーディネーターである貴島さん自身も食(一次産業)の方と関つながりたいという思いからMOKに関わられているとのこと。
MOKの輪はこれからどんどん広がりそうです。
先生方のお話を聞いた後のワークでは
①地域と食との接点はどんなことがありそう?
②MOKであったらいいなと思う接点ってどんなこと?
という2つのテーマでグループに分かれて話し合いを行いました。
①のテーマでは、
「祖父母が農家をしているので、食べ物に感謝する気持ちが根付いている」といった意見があった一方、大多数の参加者は「暮らしと生産の現場が離れているのであまり接点を感じられない」、「地域とのつながりを感じるのは道の駅で買い物をするとき程度」といった具合で、なかなか都市部にいながら生産者を思うことは難しいという課題が浮き彫りになりました。
そんな話から、「自力で販路を見つけられる人は良いけど、そうでないご年配の方は?」といった
新たな視点も生まれてきました。
②のテーマでは、①で話題に上がった農家の方の販路づくりはもちろん、
「子供のころから農家さん、農作物と関われる場があった方が良い」
「農家の生活スタイルを共有する場があたら良いかも」
「地元ならではの食材の食べ方などを共有したい」といった様々な意見がでました。
これから、MOKの活動の幅が広がりそうです。
普段の食事ではなかなか考えることがない自分が食べているものの産地やストーリーに思いをはせるきっかけとなる授業でした。
今後イベントも企画されるとのことなので、今回ご参加できなかった皆様も、ぜひサイトを覗かれてみてください。
≪この授業のスタッフ≫
Report:森彩夏
Staff :藤原みどり、河野匠哉
【今回の授業のコーディネーター】
貴島 道拓
1992年鹿児島県出身。鹿児島大学卒業後、トヨタ自動車九州(株)に就職し福岡へ移住。トヨタに働きながら、ボランティアでテンジン大学に関わる。その後、2020年に独立し、個人でも”関わった人の道(価値観)を拓く“を人生の軸に、企業や行政と連携したワークショップ、対話型・体験型の企画運営を300回以上行なっている。2021年より、テンジン大学理事。
【今回の先生】
谷口 竜平
1980年生まれ。福岡県宗像市出身。事業企画・都市デザイン・建築設計・広告企画制作・販促プロモーションを行うクリエイティブオフィスなどを経て2014年2月、個人事業主として開業。企業・団体、商品・サービスなどのミッション、ビジョンの整理・制作、事業の立ち上げ、ブランドづくり、コンセプトメイキング、事業戦略のサポート、企画・制作などのクライアントワークから自主事業などをプロデューサー・ディレクター・デザイナーとして行う。
現在、地元宗像の祖父母から受け継いだ家と土地の有効活用事業として、約10,000坪の里山もシェアする”むなかたシェアハウス”。自然に囲まれたワーキングスペース”むなかたシェアラボ”。ツリーハウスのある里山を親子で遊びと学びのある場にするプロジェクトを模索中。
■Web サイト
井川 春奈(イガワ ハルナ)
福岡市在住。地域の食を味わうことは地域を知ることになり、地域を楽しむことにつながります。わたしたちには「何を食べるか」「どこの産地のものを食べるか」「どこで購入するか」の選択肢は多くありますが、その「消費行動」が地域経済や環境保全にどのようにつながっていくかについては関心が小さいかもしれません。食を通じて農業や漁業など生産に携わる方々の想いや願いを知ること、地域の文化や慣習を知ることで住み続けたい街・応援したい街の魅力発見になることを願ってMOKに参画したいと思いました。
<webサイト>