レポート日記
一覧に戻る4コマ漫画のネームに挑戦!生みの苦しみを疑似体験!?
開催日:2021年11月27日
コラボレーション授業
貧困をなくすために子供が立ち上がった!?
魚を美味しく食べるために、やっちゃいけないこととは!?
SDGs+4コマ漫画というタッグから生まれたものは絶妙なものになりました。上記2つがどのように進化したのか…。それは最後のお楽しみです。
今回は漫画ディレクターである海猫屋先生を招いての授業となりました。HPの告知から気になることが多くありませんか?私が抱いた質問は3つです。
・ネームって何?
・漫画ディレクターって何?
・SDGs+4コマ漫画ってどういうこと?
授業に参加できなかった、あなたのために海猫屋先生の授業をおさらいです。
・「ネームって何」
→「漫画の設計図」のことです。話の流れをコマ割りして描いていきます。漫画にある「ふきだし」の中のセリフをネームと呼ぶこともあるそうです。先生は「ネームは一発では決まらない」と話します。企業の広報の方、クライアントの方を納得させないといけないのです。「描く」→「意見をもらう」→「練り直す」の作業です。先生からは「ナレーションだけで終わるのではなく、自分の言葉に置き換えることが大切」という話がありました。
・漫画ディレクターって何?
→アートディレクター、WEBディレクターの〝漫画版〟ということ。実際、先生はクライアントと打ち合わせを繰り返して、漫画に落とす作業をされています。
しかし、そこにはクライアント側の認識不足による苦労もあるそうです。「漫画」を「アニメーション」「イラストレーション」との区別ができていない場合、その違いを基本から説明することもあるそうです。「漫画」=「コマ割り+ふきだし」という認識がなくて苦労されていることも多いとか。
・SDGs+4コマ漫画ってどういうこと?
→海猫屋先生の授業、岩永学長から「SDGsとは」の話後に、ワークショップに移ります。世の中、SDGsの言葉はあふれているけど、中身が稼働していないのが悲しい現実です。そこで参加された生徒の皆さんに実際に、4コマ漫画の作業に取りかかります。先生の話す「生みの苦しみ」を味わいます。
生徒の行動は主に3タイプ。いきなり4コマに書き込む人、枠外の下書きに没頭する人、スマホやタブレットで資料探しをする人…。
先生からは、こんな肝の言葉もありました。
「面白い漫画は、伏線の回収ができているものです」
その手段として起承転結の「結」から考えてみる、という提案もありました。慣れていない生徒の皆さんにとっては、ヒントの1つとなりました。また、「絵からではなく、ふきだしから始める」という話もありました。上記にある「ネーム=ふきだし」という考えを踏襲したものです。
作品の発表です。冒頭の2つは、参加された生徒の発表からの2例です。
・貧困をなくすために子供が立ち上がった!?
→「貧困をなくしたい!」と立ち上がった子供が、親に求めたのは「お小遣いちょうだい」
・魚を美味しく食べるために、やっちゃいけないこととは!?
→大好きな魚を食べるために、油を流しから流さない!
4コマ漫画にSDGsを、短時間で結びつけるという難解な作業をやり遂げた生徒の皆さん、「あっぱれ」でした。海猫屋先生は「SDGsを知ってもらうために具体的にどうするか、分かりにくいものを分かりやすく砕いて、興味を持ってもらうのが大切です」と付け加えていました。
伝わらないことを分かりやすく!伝え方の手法の1つとして、我々も4コマ漫画から学ぶことは多そうです。
〈この授業のスタッフ〉
Photo:佐々木結衣
Report:中牟田康
Staff:藤田美知子
【今回の授業のコーディネーター】
野田 遥
山口県防府市生まれ。大学から福岡に住み始め、福岡が好きになりそのまま就職。テンジン大学では、理事、保健室長。気になるテーマを見つけた時だけ授業を作る気ままな授業コーディネーター。「対話」や「学びあう」可能性の無限さを感じており、最近は「良質な問い」の作り方に興味がある。現在は、久留米でchietsukuプロジェクトにも参加し、まちで遊びながら暮らしている。
【今回の先生】
海猫屋
福岡県出身。九州デザイナー学院卒業後、デザイン制作会社勤務を経て、フリーランスのイラストレーターに。文章を書くことも好きだったので、イラストと文章を組み合わせた取材漫画を手掛けるようになる。打ち合わせをしながら、その場でネームが描ける、多分レアなスキル。現在は、広報漫画の企画・制作、漫画に関する講演や講師を行っている。漫画の可能性をアレコレ探究していたところ、人との交流がワールドワイドに広がり、翻訳ソフトが手放せない。占星術は独学。満月と新月のメッセージ「月読み通信」の配信を始めて12年目。癒さない占いがモットー。
<webサイト>
【今回の教室】
+TAP (プラスタップ) 大名
「やりたい」を、「できる」に。をコンセプトにし、2021年3月に大名にオープンしたコミュニティスペース。グラフィック・WEBから空間までをデザインする株式会社ジーエータップが運営する。SDGsをはじめ、社会課題解決に向けた交流・議論・共創をつくりだすべく、+TAP寺子屋なども実施する。
住 所 : 福岡市中央区大名1-12-57 福商会館3F
営業時間 : 9時00分~18時00分
■webサイト
■アクセスマップ