レポート日記
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開催日:2022年02月26日
コラボレーション授業
皆さん、ガサガサって知っていますか?
ガサガサとは、タモ網で水辺の生き物を捕まえる遊びのことで、水草の周りや岸辺を網で「ガサガサ♪」と掬い上げることからそう呼ばれています。
今回の先生は、ガサガサで水辺の生き物を捕まえる遊びがきっかけで、川は海には負けないくらいの生物多様性がいることに気づき、川の虜になった福岡ECO動物海洋専門学校 海洋生物保護専攻に通う古賀さんと山崎さんです。
まず、先生からはガサガサの魅力や注意点を教えてもらいました!
【魅力】
・図鑑や水族館で見た生物と実際に触れ合えるリアルポケットモンスター
・飼育して自分だけの水槽を作れる
・初期費用が安い!方法も簡単!
【注意点】
・ケガの危険もある
・希少種は乱獲してはいけない
・採集地バレ、採集地公開はNG
・細かなルールもあるので要チェック
次に、川の生物を捕まえて食べてみて美味しいランキングを教えてもらいました。
1位 カマツカ (本当にキスのような味)
2位 テナガエビ(小さなクルマエビのような味)
3位 ウシガエル
4位 オイカワ
5位 ブルーギル
1位のカマツカは、本当にキスのような味がして、2位のテナガエビはクルマエビのような味がするそうです!ちょっと食べてみたいという気がしますよね~!
川には多様性な生物が存在しています。でも、私達が暮らしていく中で、知らない内に川や海などの生態が壊してしまっています。身近な生物多様性が急速に失われていることを知っていましたか?大半の人は、なんとなく頭の片隅で考えている事だと思います。先生から具体的な例で教えてもらいました。そこで一部紹介させていただきます。
【生物多様性の障害】
雨が降った時に川の増水した河川水を速やかに排することを目的とした三面張コンクリート水路ですが、河道内の物理的環境を単純化され、魚類をはじめとする生物が制限されてしまいました。具体的な例で言うと、川の海老達の生息数が激減しています。
【外来種の問題点】
1.食害(在来の生物が捕食される。ブラックバスやブルーギル等)
2.種間競争(生息環境や餌資源が被ることによる異種同士の生存競争)
3.遺伝子汚染(近縁の種同士での交雑で種の存続が危ぶまれること)
4.捨て魚問題(飼いきれなくなった魚を野外に逃がす問題)
川でも色んな問題が起きていますが、なぜ、生物多様性を守る必要があるのでしょうか?実は生物多様性があることによって、私達は恩恵を受けています。
【生物多様性がもたらす恩恵】
1.供給サービス(私たちが生活するうえで必要なものを供給してくれること)
→モリアオガエル・アカハライモリは、今後の医療に大いに役立つ可能性大
2.調整サービス(自然災害から人類を守ってくれること)
3.文化的サービス(生物や植物からアイデアや芸術がもたらされること)
4.基盤サービス(人間が生きていくために必要な環境を提供してくれること)
→光合成やオゾン層
私達はこれからどうしていったらいいのでしょうか?先生の提案を一部紹介します。
【改善策案】
河川改修や開発
→人間と自然の共存を考えた開発を行う。水植物や底床を残すだけでもだいぶ違います
外来種問題
→駆除活動、法による規制
希少種の乱獲
→法による規制、取り締まり
最後、参加者に先生達を聞いて「あなたができる第一歩とは?」と問いかけてみました。出てきた意見を一部紹介させて頂きます。
・生態系や外来種について、知っていくこと
・自分ができる事をやって、継続していくこと
・人に伝える人や伝える場を増やす
・勝手に川に生き物を捨てない。ゴミを拾う。
・いろんな変化を無視しない。
・一次捕食者を増やす
この授業を通じて、河川には海に負けないほど生物多様性があり、段々と生態系が変わり、急速に生物多様性が失われていて、生物多様性は我々に様々な恩恵をもたらしていることがわかりました。それは、川の問題だけなく全ての物事に繋がっていると思います。自分達ができる事は、生態系を知っていくと保全の第一歩だと思います。
皆さんも日常生活の中で、生態系についてちょっと考えてみてください。
Report 吉田 篤史
Photo 森 彩夏
ふくおか対話と学び学園祭 コラボレーション授業
2022年3月は「福岡のまちを、対話と学びに溢れたまちにしよう」と、ふくおか対話と学び学園祭を開催します。このプロジェクトは、福岡市と福岡都市圏14大学と産業界が横断的に立ち上げた『福岡未来創造プラットフォーム』によるもので、福岡テンジン大学も全面的に協力しています。
【今回の授業のコーディネーター】

池田 杏美
福岡生まれ福岡育ち。もっと楽しいことがしたいと探していたところで、学生のとき気になっていたテンジン大学の授業に初めて参加。出会ったスタッフの心から楽しそうで活き活きしていた姿をみて、自分も仕事だけじゃない場所でもっと面白くて楽しい活動がしたいと思い、テン大スタッフへ。自分の知らない福岡の魅力に触れ、少しずつ好奇心旺盛になり、今ではいろんな人と出逢うことが楽しみになっている。好きなものは、ダイビング、本、映画、ロック、美味しいご飯とお酒。
【今回の先生】

古賀健介/山崎潤
福岡ECO動物海洋専門学校 海洋生物保護専攻に通うガリガリとマッチョの先輩後輩コンビです。 冬でも川に遊びに行き、川の生物と戯れています。現在は、一般社団法人ふくおかfunのもとで環境保全について学ばせて頂き、学校外でも海の中道海洋生態科学館(マリンワールド海の中道)主催の田んぼクラブや福岡県立少年自然の家「玄海の家」での環境教育など企業と提携しての活動に勤しんでいます。まだまだ未熟者ですが皆様に河川をはじめとした自然の魅力をお伝えできるよう頑張っています。
【今回の教室】

+TAP (プラスタップ) 大名
「やりたい」を、「できる」に。をコンセプトにし、2021年3月に大名にオープンしたコミュニティスペース。グラフィック・WEBから空間までをデザインする株式会社ジーエータップが運営する。SDGsをはじめ、社会課題解決に向けた交流・議論・共創をつくりだすべく、+TAP寺子屋なども実施する。
住 所 : 福岡市中央区大名1-12-57 福商会館3F
営業時間 : 9時00分~18時00分
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