レポート日記
一覧に戻る行くぞ!テン大探検隊!~福岡市博物館の裏側に潜入!~

開催日:2022年03月26日
コラボレーション授業
“歴史って何で必要なの?“
そもそもあまり考えたこともなく、私たちの日常とは、距離感のある歴史について、福岡市博物館の学芸員•福薗さんは、参加者に問いかけました。
“1秒前も歴史、自分の人生も歴史の一部です。
皆さんの歴史が大きな歴史の流れを作っている。“
なるほど!まだ、わかるような、わからないような私たちに福薗さんは、続けます。
博物館とは、日本の法律上は美術館、植物園、科学館、水族館、動物園なども含んでおり、日本は、世界有数の博物館大国であることを知りました。
博物館の学芸員の仕事は、主に①収集②調査・研究③保存④展示があり、①収集は、購入、寄贈、寄託があり、現在18万件の資料が保存されているそうです。ただ、収集されたものは、破棄されることはないので、年々増え続けるばかりで、収蔵庫は満杯だそうです。
それから、私たちは、博物館のバックヤードツアーに出かけました。日ごろ入れない、シャンデリア輝く応接室、空調や温湿度を管理する博物館の心臓部の中央監視室。搬入口近くには、文化財専用のガスで資料についてきた虫などを駆除する燻蒸庫、廊下にも地域の手拭いなどが飾られていたり、不思議な空間でした。
それから、講義座室に戻り、グループごとに2つの問いについて話し合いました。
①過去と繋がっていると感じた瞬間、
②博物館が日常(自分)と繋がっていると感じるにはどうすればいいか。
最初は、みなさん少し考え込んでいたようですが、徐々に盛り上がってきて、色んな意見が出ました。
①自分の家族と似た人を見た時、風景や思い出の物を見た時など
②昔の人が食べていたスイーツや物など昔の人たちの日常を体験するなど、やはり、自分の日常や親しみがリンクした時に、繋がりを感じ身近に感じる意見が多かったです。
福岡市博物館も1989年よかトピア(アジア太平洋博覧会)の時に建設された施設で、展望デッキから一望できていた博多湾も今は、多くの高層マンションで見えなくなってしまいました。 でも、失ったものもあれば、積み重なっているものもある。そこから見える桜は、今も変わらずみんなやワンちゃんを楽しませています。
歴史って、何か偉い人が作っているものだと思っていたけれど、一瞬一瞬の私たちの今が歴史となって作られていました。そして、その歴史と今、これからの未来を繋ぐのが博物館という場所。 参加者のみなさまも博物館を身近に感じて、また来たいなぁと心躍らせていました。
≪この授業のスタッフ≫
Report:石田ひとみ
Photo: 吉田 篤史・竹内信子
Staff:加藤信一朗
【今回の授業のコーディネーター】

野田 遥
山口県防府市生まれ。大学から福岡に住み始め、福岡が好きになりそのまま就職。テンジン大学では、理事、保健室長。気になるテーマを見つけた時だけ授業を作る気ままな授業コーディネーター。「対話」や「学びあう」可能性の無限さを感じており、最近は「良質な問い」の作り方に興味がある。現在は、久留米でchietsukuプロジェクトにも参加し、まちで遊びながら暮らしている。
【今回の先生】

福薗 美由紀
小さい頃にシュリーマンの伝記を読んで感銘を受け、考古学者を目指した・・・などというロマン溢れるバックグラウンドは特になく、歴史が好きだからという理由で、大学で考古学を専攻。心優しい先輩方に様々な遺跡へ連れていってもらい、古代の人々の気持ちを妄想しながら過ごす。卒業後、2011年より福岡市の文化財専門職として遺跡の発掘調査などの仕事に携わる。現在は福岡市博物館にて、資料の収集・保存、調査研究、展示企画などに従事。これまでに企画した展示は「わからないモノの考古学」、「ふくおかの塩」、「鉄のはなし」(現在開催中)など。「古代衣装ファッションショー」や「あまづらブンブン」など歴史を楽しむイベントも企画。
【今回の教室】

福岡市博物館
1990年10月に、地域の歴史と民俗を研究・展示する博物館として開館。また、常設展示は2013年に内容を刷新。福岡は、弧を描く日本列島の西の端にあり、ユーラシア大陸と朝鮮半島に近接している。この地に住む人々は、古来、この国の誰もが知らなかった文化に最初に触れ、経験したことのない生産手段や経済活動を発展させ、遭遇したことのない脅威を克服し、豊かな都市を営みつづけてきた。この博物館は、アジアとの人・もの・文化の交流がつくってきた特色ある歴史と、そこに生きる人びとのくらしを、さまざまなかたちで発信している。
住所 : 福岡市早良区百道浜3丁目1-1
電話番号 : 092-845-5011
営業日 : 9:30~17:30
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