レポート日記
一覧に戻る天神のまちづくりの“イマ”を知る~ビッグバンまちあるき~
開催日:2022年05月28日
通常授業
ここ数年、天神のまちの様子はがらりと変わりましたよね。惜しくも閉店、取り壊しとなってしまった思い出の建物、福岡も大都会になったなあ~と感じさせるガラス張りぴっかぴかの建物。それもこれもすべて、今回の授業テーマである”天神ビッグバン”の取り組みです。
授業のはじめはこの”天神ビッグバン”の仕掛け人である福岡市住宅都市局都心創生課の方を先生に迎え、今起こっていることの背景を教えていただきました。
ビッグバンの始まりは福岡市として抱えていた3つの課題。
- 更新期を迎えた建物が多いため、大きいオフィスの需要を取り込めていない
- 空港が近い利便性の反面、航空法にかかるため高い建物が建てられず収益性の観点で課題
- 容積率の法律が変わったことで、建て替えようとすると同じ土地でも容積率が低下
需要があるにも関わらず、ビルのオーナーが建て替えを踏み出すことに躊躇している状況だったのです。
そこで福岡市が打ち出したのが”天神ビッグバン”!!
まずは航空法の規制緩和でMAX115m(階数にして26階)のビルを天神地区に建設できるようになりました。そして、ビッグバンボーナスを設け、未来の天神のまちづくりに準拠したビルを建てることを条件に、インセンティブを提供するといった施策でビッグバンを起こすことに成功しました。
条件としては魅力ある連続性やユニバーサルデザイン、木花の設置等が求められ、歩道からつながる形で憩いの場やちょっとしたイベントが行えるような場づくりができる建物が計画されました。
コロナウイルスのまん延に伴い、以降は感染症対策対応シティを目指し、感染症対策に対応できるビル(非接触等)にもインセンティブを与えることとなりました。時流に合わせた柔軟性があるところが、さすが福岡市だなと感じました!
座学でビッグバンを勉強したあとは、天神のまちをよく知る学長のガイドでビッグバンMAPを持ってまちあるきへGO!!
すでに開業しているビジネスセンターは座学で習った通り、歩道から建物入口までに空間があり、今後憩いの場になりそうな雰囲気を感じました。みんな思い思いの角度で写真撮影!
新しいビルは免震構造もしっかりしているそうで、歩道との境目にしっかりその証拠が見えました。気になる方はぜひ見に行ってみてください!
そのほかにも、取り壊しが始まったビル、すでに取り壊されたビル、建設中のビル、外観だけ工事しているビル、建物は変えずリニューアルオープン予定のビル。それぞれの事情の中で天神ビッグバンに向けてそれぞれができる最大限を尽くそうとしている建物たちを目の当たりにし、まちは生きているんだなということを感じられたまちあるきでした。
戻ってきて参加者同士で感想を言い合ってみたところ、
「新しいビルが素敵すぎてオフィスだけに使うのはもったいない!!」
「新しくなっていくビルもいいけれど、あじのある建物が残っていくこともまた良いのでは?と感じた。」
「パルコ周辺に置いてあったベンチよかったよね、あんな場所が増えたらいいな。」
など、1人ひとりが福岡に住む一員としてまちに対して興味を持つきっかけとなっているようでした。
また、なんとまちあるき中に道端でばったりSUUMOの編集長と学長が出会い、そのまま授業に参加していただくという豪華な出来事も!
まさに今回の授業にぴったりな福岡の住宅事情をお聞かせいただきました。天神ビッグバンに伴い新たな企業が参入してくることに伴う住宅業界への影響など普段は聞けないお話を聞けちゃいました。
これから、天神ビッグバンは生活の質向上と都市の成長を密接に紐づけ、よりよいまちづくりを目指していくとのことで、数年後の完成形が今からとっても楽しみですね!!
<この授業のスタッフ>
Report:森 彩夏
Photo: 丸山 未来
Staff: 野田 遥、吉本 萌々花、諸隈 万喜子
【今回の授業のコーディネーター】
【今回の先生】
福岡市 住宅都市局 都心創生課
福岡市は、まちづくりの目標を示す基本計画において、福岡市の成長エンジンである都心部に、福岡都市圏や九州の中枢を担う広域的な都市機能とともに、国際競争力を備えた高度な都市機能の集積を目指している。「天神ビッグバン」「博多コネクティッド」では、航空法の高さ制限の緩和や福岡市独自の規制緩和制度の活用などにより、耐震性が高く、感染症にも対応した先進的なビルへの建替えを促進し、より国際競争力が高く、安全安心で環境にも配慮した魅力的なまちづくりに取り組んでいる。
■webサイト
【今回の教室】
赤煉瓦文化館 2F
明治時代の我が国を代表する建築家・辰野金吾と片岡安の設計により、 日本生命保険株式会社九州支店として明治42年(1909)に竣工。 赤煉瓦と白い花崗岩の外壁は19世紀末のイギリス様式で、ほかに尖塔やドームなど、小規模ながら変化に富んでいる建物です。
福岡市歴史資料館として使用された後、有料の会議室等を備えた市民に開かれた施設「赤煉瓦文化館」としてオープン。平成14年(2002)からは1階の一部が「福岡市文学館」として使用され、 文学に関するさまざまな情報を収集・提供しています。 国の重要文化財。
住所:福岡市中央区天神1-15-30
電話 : 092-722-4666
※お問い合わせは所在場所についてのみ、お願い致します。授業内容につきましては、福岡テンジン大学までお問合せください。
■WEBサイト
※駐輪場は、周辺の路上駐輪場をご利用ください。