レポート日記
一覧に戻るある日、“がん”と宣告され… ~2人に1人はがんになる時代にあなたはどう生きる?~
開催日:2022年07月23日
通常授業
あなたの周りに「がん」を患った方はいらっしゃいますか?
がん保険のCMはよく見るけれども、意外と身近に感じない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「34歳で乳がんと診断され、人生のドン底に突き落とされた、と感じた」と話す橋口絵里奈さんが今回の授業の先生。がんについての基礎知識と、実際の橋口さんの体験をみんなでお聞きしました。
■生涯でがんは2人に1人が羅患する
今では、2人に1人が罹患するといわれるくらい身近な病気。ですが、意外と自分事にしてもらいにくいとのこと。日本は、世界と比較して「がん検診率」が低いそうです。
そんな日本の中でも、我が福岡県は、がん検診の受診率が低いほう。先生は、がんを身近に感じてもらい、がん検診率向上も目指しているとのことでした。
■人生再スタート!と思った矢先に
健康だったそれまでの人生の中で、その年だけは突然病院通いになったそうです。40℃の発熱など、普段しない病気をしていたことで、いつもなら気にしなかったかもしれない、胸の違和感を感じ取り、病院に検診に行かれました。9割はがんじゃないでしょう、とお医者さんに言われたものの、気になるため精密検査を受けたいと自分から申し出たそうです。
そしたら、「がん」ということが判明。
当時は、現実を受け止められなかったと話す樋口さんの話を想像するだけでも、自分だったらと考えるとぞっとしました。その後、もう片方の胸は大丈夫なのだろうか?と気になった樋口さんは、残りの胸も精密検査をすることに。その結果、両胸ががんであることが判明したそうです。
精密検査を進んで受け、そして治療方針も自ら決めた樋口さん。「自分の命は自分が守らないといけない」とお話される姿を見て、「まさにそうだな!でも今まで出来ていなかったかもしれない。」と感じました。
■会話の中でタブー視されている感覚がある
樋口さんのお話をお聞きした後、後半は参加者全員で意見交換を行いました。
・痛風になった時は、なったんだよね~って言えるのに、がんや鬱は言いにくい雰囲気があるのはなぜだろう。本人が悪いわけじゃないのに。
・がん患者にはどう接したらいいかわからない。
など、様々な意見や質問がでてきました。
確かに、実際に知人が病気になったら、聞きにくい、どう接していいかわからず距離をあけてしまう、といったことがありそうだなぁ。
■難しいけど向き合ってほしい
「がん患者さんに接する時は普通に接して欲しいです。難しいけど向き合って欲しい。周りの人が受け入れてくれないと孤独感をより感じてしまいます。」と樋口さん。孤独にならないようオンライン患者会なども開催しているそうです。
今回は、身近なはずなのになかなか身近に感じられない「がん」について学べた授業でした。
・自分の命は自分で守る。早めの検診を!
・パートナーに声掛けを。検診に行った?
ぜひ、みなさんも小さな一歩から自分たちの命を守ってください。
<この授業のスタッフ>
Report:野田 はるか
【今回の授業のコーディネーター】
【今回の先生】
橋口 絵里奈
福岡市出身。大学卒業後、大手某化粧品会社にて美容部員を経て、2007年リクルート株式会社に入社。2015年にある日突然乳がんの告知を受け、手術・治療を経て1年休職。2016年に無事に復帰する。その後、広告代理店のマネージャーを経て、2018年にスマイルハートを立ち上げ。2020年NPO法人化。現在では『笑い』『美容』『情報』『繋がり』の4つをテーマに、がん患者さんに「繋がりで笑顔を取り戻してほしい」という想いからオンラインカフェ会などを手掛ける。
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