レポート日記
一覧に戻る10年後はどうなる?どうする?~福岡の未来をつくってみよう~

開催日:2022年10月22日
通常授業
今回の授業の先生は、福岡の将来について、真剣に考え、行動している福岡地域戦略推進協議会(以下FDC)の事務局長の石丸修平さん。参加者の中には、石丸さんのお話を聞きたかったという方が多数いらっしゃいました。
授業を始めるにあたって、自己紹介をしました。ほとんどの方が10年以上福岡に住んでおり、「福岡好き」という共通点が分かり、少し心のどこかでホッとした状態で、授業がスタートしました。福岡ならではの感じですね。
授業は、福岡の「交通」、「働く」、「遊ぶ」、「学ぶ」、「暮らす」、「福祉」、「健康」をテーマに進みました。
まずは、FDCについて、石丸さんより、ご説明いただきました。FDCは、地域戦略の策定から推進まで一貫して行う、産学官民一体の「Think&Doタンク」です。これだけ聞くと、イメージが湧きにくいですが、福岡の持続可能な発展のために、時には、自治体、都道府県、国をも越えて連携を図り、より良い福岡について本気で考え、施策を打っている団体です。
続いて、石丸さんと学長の対話形式で現在の活動内容や福岡への課題認識をテーマに沿って、情報提供いただきました。その中で私が特に印象に残ったテーマは、「働く」でした。
福岡は、まだまだ都市圏と比較して、就職時の選択肢が少なく、特に理系出身の方の就職先が少ないため、関西・関東に人が移動してしまいます。また、関西・関東からUターンで福岡に戻ってこようと思っても、選択肢が無く、戻ってきたくても戻ってこられないという課題があるそうです。福岡出身の私の高校・大学の友人が、選択肢の無さに困惑していたのを思い出しました。この課題解決法の一つとして、スタートアップ都市ふくおか宣言や九州大学の起業部のような、「起業」という選択肢をもっと身近にし、「働き方の多様化」を加速させています。
情報提供をいただいた後、テーマ別でグループを作り、「10年後の福岡をこうしたい」を各グループで考え、発表を行いました。各グループ、議論が白熱し、それぞれの考えを書き込んだ付箋がどんどん無くなっていきました。
各グループの素晴らしい発表の中で私が特に印象に残ったテーマは、「交通」でした。このグループは、福岡は人口が増えてきており、渋滞や不便さを課題として捉えました。
その課題解決のために、10年後の福岡は、基幹交通の増加が必要で、具体的には、電車、バスだけでなく、レンタル自転車、キックボード、歩き、自動運転などのジャンルを増やしたいと提言しました。また、これらは、高齢者もストレスフリーな交通につながるとのことでした。これには、私も納得でした。
石丸さんより、「福岡市は、便利すぎる。歩かない街 福岡」という言葉が出てきて、衝撃を受けました。福岡市といえば、バス、電車のイメージだが、今後は健康のために、例えば、自転車、歩きがスタンダードな福岡市にパラダイムシフトしても良いのでは、とのこと。どちらの意見も腑に落ちる部分があり、非常に面白いグループワークになりました。
グループワークを終え、最後に、「今日は、たくさんの素晴らしい10年後の福岡像が出てきた。ぜひ、概念を可視化しましょう」という、様々なアイディアを福岡に実装してきた、石丸さんならではの一言で、授業は締めくくられました。
皆さんも10年後の福岡、自分について、「概念を可視化」すべく、今日から考え、行動してみてはいかがでしょうか!
Report 原口 凌
Photo 志垣 諭紀宏
Staff 貴島 道拓
丸山 未来
【今回の授業のコーディネーター】

中牟田 康
福岡市出身。約16年間の新聞社勤務中は、主に野球やサッカーなどを担当し、1999年のホークス初の日本一の胴上げは、相手チームの担当記者として見る。フリー転身後は主にボートレースの予想を担当しながら、たまに野球の原稿や放送の台本、翻訳なども担当。趣味はマラソンと英会話。姉妹校「ひろしまジン大学」からの転校生でもある。
【今回の先生】

石丸 修平
福岡県飯塚市出身。経済産業省、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)等を経て、2015年4月より福岡地域戦略推進協議会(FDC)事務局長。
アビスパ福岡アドバイザリーボード(経営諮問委員会)委員長、九州大学科学技術イノベーション政策教育研究センター(CSTIPS)客員教授、九州大学地域政策デザインスクール理事、Future Center Alliance Japan(FCAJ)理事、九州経済連合会行財政委員会企画部会長等を歴任。中央省庁や地方自治体の委員など公職も多数務める。
著書に「超成長都市「福岡」の秘密 世界が注目するイノベーションの仕組み(日本経済新聞出版)」。2021年10月、世界経済フォーラムと国際官民連携ネットワークによるAgile 50として、「破壊的変革を導く世界で最も影響力のある50人」に選出される。
■webサイト

岩永 真一
1981年、福岡市生まれ。就職氷河期世代で内定ゼロで大学を卒業し、アルバイトで社会人を始める。大学卒業前より、まちのそうじをするgreen birdに参画。その後は広告業界でプランナー/ディレクターとしてサラリーマンをしながら、福岡・天神エリアのまちづくり団体にも参画。27歳で脱サラして独立、28歳で福岡テンジン大学を立ち上げ学長を務める。31歳より複数の組織に所属する複業家の働き方を始める。現在は、人材育成・教育・まちづくりや、複数の企業の経営支援など、複数の組織で複数の職業を実践する複業家。2017年、福岡の歴史絵本「のったよ!ふくおかタイムスリップ号」をプロデュース・脚本担当し発刊。2025年よりKBC「ぎゅっと」の第3月曜コメンテーター。
■WEBサイト
・登壇実績
【今回の教室】

福岡地域戦略推進協議会(FDC)博多区役所10階
JR、地下鉄・博多駅の博多口から徒歩6分、地下鉄・祇園駅5番出口から徒歩5分。
新しくなった博多区役所・10階のフロアにある「公益財団法人福岡アジア都市研究所」内に、FDCが位置している。今回は、フロアにあるミーティングルームを使用して授業を実施する。
住所 : 福岡市博多区博多駅前2-8-1 博多区役所10階
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