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レポート日記

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FREE COFFEEでまちとひとの関係をつくる ~20歳が考えるまちづくり~

開催日:2023年08月26日

通常授業

残暑厳しい8月下旬の朝、福岡市中央区、平尾のマンション群の通り沿いビルの1Fにて「FREE COFFEEでまちとひとの関係をつくる ~20歳が考えるまちづくり~」が行われました。

 

 

2022年の秋、平日の朝に通勤で道を通り過ぎていく人々に向けて、この場所でコーヒーを振る舞うことを始めた野元玲花さん。今回は彼女を囲んで、実際に淹れたてのコーヒーをみんなでいただきながら、玲花さんが活動を始めた経緯や、その思いなどを伺いました。

 

 

 

 

コーヒーを振る舞うことになった街角は、彼女が高校時代に初めて足を踏み入れたという個性的なオフィスの目の前。その会社FANTASIAさんでアルバイトとして関わる中で、通勤する人にコーヒーを無料で提供することを思いつき、行動に移したというお話がありました。

 

 

 

 

玲花さんが影響を受けた本として、田中元子さんの書籍『マイパブリックとグランドレベル-今日からはじめるまちづくり-』の紹介がありました。そして田中元子さんの言葉も紹介。その言葉は、オフィスの壁にも貼ってありました。

 

 

 

 

 

“いまやってみたい、という衝動はすごく正確だから、とりあえずそれにしたがって、やってみる。すると、すごいことが起きる。予想もしなかったことが起きる。いつ、どんなことが起きるかは約束できないけれど、でもほぼ確実に、何かが起きる。起きたこと全てが収穫になり、次がある。”(田中元子さん  2022年9月6日のツイートより)

 

 

その後は、活動を開始してからどういうことが起こったかのお話です。初日から人との交流が始まったこと、なかなか2人の時間が取れない共働きのご夫婦のお話、コーヒー豆を差し入れしてくれた人のお話など、映画やドラマの物語のようなエピソード達…..。

 

 

ただ、彼女はこの試みをコミュニティにはしたくないと思っていたというお話もありました。Reika’ FREE COFFEEも回を重ねるうちに、来てくれる人が固定化するようになり、そうなると初めての人が入りにくい流れになることが気になっていったと言います。

 

 

 

 

玲花さんのお話の後は、参加者のみなさんもひとりずつ感じたことなどをシェアしました。人が固定化されない仕組みの話、再生した公園の話、半公共(セミパブリック)スペースという考え方の話など、まちづくりや人との関わりの可能性について様々な事例や意見、アイディアが飛び出しました。

 

 

コミュニティという言葉や機能については、一般的にはポジティブな意味で語られることが多い印象ですが、今回は玲花さんの発言を皮切りに、何人かの参加者からも「自分もコミュニティはあまり好きではないと感じている」といった話があったことは印象的でした。ここで言う少しネガティブな「コミュニティ」とは、関わる人が固定化していて風通しが良くない集団といったニュアンスなのかな、と感じています。

 

 

コミュニティにならないことへの心がけの話など純粋な出会いや繋がりを考える上で、人と人との関係性に余分なものを持ち込まないことも考えさせられる機会になりました。

 

 

朝の時間、まだ涼しさを感じるゆるやかな空気の中で、たくさんの刺激的なお話ができた機会になりました。玲花さん、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

 

 

 

<Staff>

Report:天野 百恵

Staff:吉田 篤史

【今回の授業のコーディネーター】

FREE COFFEEでまちとひとの関係をつくる ~20歳が考えるまちづくり~

岩永 真一

1981年、福岡市出身。広告業界でプランナーを経験し2009年に独立。大学生のときから街のそうじをしているグリーンバードに参加していたのをキッカケに、天神のまちづくり団体:We Love 天神協議会へ参画。独立したのをキッカケに福岡テンジン大学を企画し、2010年9月に開校・学長を務める。現在は、週1会社員・週1大学の教員など、複数の職場・仕事・プロジェクトに関わるパラレルキャリア(複業家)の働き方。

岩永真一ブログ

 

【今回の先生】

FREE COFFEEでまちとひとの関係をつくる ~20歳が考えるまちづくり~

野元 玲花

2003年、福岡市生まれ。2022年に高校を卒業後、福岡平尾に拠点を置く事業創造のためのプロジェクトスペース「FANTASIA(ファンタジア)」に参画。肩書きは「勉強家」。2022年10月より、FANTASIA前の通行人に毎朝無料でコーヒーを提供する「 REIKA’S FREE COFFEE」をスタート。‘まち’という漠然としたものに興味があり、FREE COFFEEをする中で、自分の興味のある方向を探っている。

【今回の教室】

FREE COFFEEでまちとひとの関係をつくる ~20歳が考えるまちづくり~

Reika' FREE COFFEE

福岡市中央区平尾にあるFANTASIA inc.に高校卒業後に参画した野元玲花さんが、海外留学までの期間限定・不定期で始めた『人と人が集う“場”』。田中元子著書「マイパブリックとグランドレベル」やディビット・シム著書「Soft City」などから、「良いまちとは何か、公共性とは何か」と興味も深め、2022年秋より無料でコーヒーを振る舞い始めたプロジェクト。現在実施は不定期(気が向いたとき)となってる。

 

住所:福岡市中央区平尾3-9-9 世界文化ビル1F FANTASIA内

営業時間:不定期

 

■WEBサイト

Reika's FREE COFFEE

 

■アクセスマップ