レポート日記
一覧に戻る間借り営業の視点から学ぶ小さな一歩の踏み出し方
開催日:2024年06月22日
通常授業
一枚のワークシートを使って授業が進みます。
【今日の先生】
「左右さん」←ニックネーム兼お店の名前
間借り飲食店「左右のごはん」オーナー
天神の薬院で営業中。
ここに至るまで6形態ほどの間借り営業にチャレンジされて今に至ります。
今のお店も最初は週2日のみの営業だったのが週6日営業へ進化。
どんどん経験を重ねていく左右さん。
チャレンジってどうしても足が重いものなのに左右さんはどうやって乗り越えて来たのでしょう?
【チャレンジしやすいマインド】
左右さんマインドの始まりは14歳の時に自分の意思で洋服を買えた体験でした。
それまでは自分の基準ではなく周りの基準(当たり前)を基準に決める人生で、その基準でからすると絶対に買わない高価でし好品としての洋服。
自分の買いたいものを買っても誰にも文句を言われない!!
と驚かれたそうです。
この時に感じた感情をきっかけに左右さんの学びが広がっていきます。
『自分のアイデンティティ
自分の安心感は自分の中にある
自分が自分の物語の主人公』
参加者の方々が今の仕事を選んだきっかけが「流れで今に至ります」とおっしゃる方が多く、そこに違和感を感じて授業に参加した方々に左右さんのお話は響いたようでした。
私たちは育ってきた社会の構造に大きく影響を受けているように思います。
レールの上に乗せられて流れて来たような感覚ではなく自分で選んで自分で歩いている感覚が大切なのですね。
左右さんが接客のおもてなしに魅力を感じているきっかけは学生の頃に働いた飲食店が始まり。
そこで働いている人達がキラキラして見えた。
お客さんたちはこの人達に会いに来ているのだと。
魅力的な人は飲食のみでなく広い視点から物事を見ている事に気が付き、広く学び人間力をつける為に営業の会社へ就職されてキャリアを始めます。
厳しい環境で働き忍耐力をつけたり、コロナで大きな影響を受けたり、おもてなしの最高峰リッツカールトンで働いたりとたくさんの経験積みます。
働きながらも副業で間借りの飲食を並行して行うバイタリティは、自分の人生を生きているからこその力強さを感じました。
【チャレンジしやすい間借り】
店舗ビジネスを始める時には設備にお金がかかります。
特に飲食は初期投資がネック。
やりたい事があってもお金の問題が大きく立ちはだかります。
左右さんが行っている間借りスタイルのいい所は
・初期費用が抑えられる
・食材費のみなので1日の営業でペイできる事もある
始めの一歩のハードルが大きく下がります。
大きな資金なしに始められるし、ランニングコストも抑えられます。
もちろん間借り営業のネックもありますが、メリットを考えるとおつりが来るのでしょう。
・大きな荷物を持って移動
・宣伝が大変
私たちが考える飲食店像は、ずっと同じ場所にあって、ずっと同じ営業時間で、ずっと基本的に同じメニューで、お店がお客さんに合わせる事でリピーターを掴む事ができる。と、店も客も双方思っていたと思います。
違いました。行きたいと思ってもらえれば成り立つのですね。
最近はシェア〇〇という形が増えたと感じていましたが、飲食でも可能だとは。
昔と違ってフリーランスが増えた事、手元の携帯ですぐに今の状況を確認できる環境も後押ししていると思います。
どんな職種でもこのスタイルは本人の集客力(人間力)にお客さんが集まって来ます。
始めやすい事はもちろん終わりやすいのも大きな魅力です。
負担が少なく終われるのでまた次も始められて経験を積み重ねられます。
【グループワーク】
お話を聞きながら各テーブルでワークシートの共有がお互いに行われました。
自分だけの考えに凝り固まらない、周りからの助言が活発に行われます。
近い人に夢を話すと心配してくれるあまりに否定的な意見が多く、それによってこちらもだめかもしれないとくじかれそうになると思います。
ここに集まった人たちは、小さな一歩を踏み出したい人達だからか、時間が足りないくらいお互いに助言をし合っていました。
一人で夢を追うって凄く孤独な気がするのですが仲間がいるっていいですね。
左右さんは小さな一歩を踏み出し続けながら、本当は店舗を持ちたいしファシリティ(椅子、トイレ、空間の心地良さ)を充実させたい気持ちは持たれています。
ただ、全て揃える必要はなく
【完璧を目指さない。できる所から】
【今の私はもう一度行きたくなる人に重きを置いている】
と。大きなヒントをくれました。
左右さんのインスタグラムでは自分はこんな人だとストーリーを語りセルフプロデュースをしっかりされています。
左右さんの魅力に惹かれたお店の常連さんたちも今日の生徒さんとして来てくれていました。
「ちいさな勇気の踏み出し方を聞きたい人」「間借りに興味がある人」は、お店に行かれてみてください。
相談に乗ってくださるそうです。DMでも受け付けてくれます。
「チャレンジする人を応援したい!」「間借りする場所を提供できたら嬉しい」
ともおっしゃっていました。
今回の授業も左右さんのチャレンジだったのかと驚き、その姿に勇気をもらいました。
応援しております。
レポート/岩佐ゆかり
写真/與小田
【今回の授業のコーディネーター】
吉田 篤史
1988年福岡市出身。生まれつき気道が成形されない「先天性喉頭閉鎖症」で、医者には一生病院を出られるかどうかわからない、と言われていた。2歳で退院し、以後は表情やジェスチャーでコミュニケーションを覚え、小学校・中学校・高校・専門学校と普通に通い、現在は民間企業で事務をしている。グリーンバード福岡に参加したのをキッカケに、抜群の非言語コミュニケーション能力と、iPadなどのツールを使いこなし、今では福岡テンジン大学で授業コーディネーターや先生を務め、自らの無声コミュニケーションの可能性を広げている。
■吉田篤史 facebook
http://facebook.com/atsushi.yoshida22
■講師実績
言葉を持たない僕がコミュニケーションに困らない理由とは (テンジン大学授業)
桜坂山ノ手荘NEWS Cafe~コミュニケーションってなんだろう?~ (西日本新聞社主催)
【今回の先生】
左右
38歳、山形県出身。都会に憧れて大学から上京。そのまま東京で就職し、飛び込み営業・テレアポ100件・深夜残業などにより、表向きはキラキラしたキャリアウーマン、実態はお金と己を擦り減らすボロボロ戦士だった。転勤で福岡へ、都落ち感で一時かなり凹むも、福岡の魅力に取り憑かれ会社を辞めてフリーランスへ。福岡歴も早13年。会社員↔︎個人事業主を行き来するハイブリッドで、ホテル勤務・営業とカスタマーサポート・間借り飲食をしてきて、借りた店舗は全部で5つ。2023年12月からは間借り飲食業のみで生計を立てている。現在は山形の郷土料理と地酒を中心に提供しながら、自身のブランディングと独立に向けて奮闘中!
<webサイト>
【今回の教室】
QHub 九州しあわせ共創Hub
九州博報堂が、社会課題の解決に向け多様なステークホルダーが垣根を越えてアイデアを出し合い、“共創”することで「地域の共創にドライブをかける場をつくりたい」と、2023年1月に社内の一角に設けたスペース。九州博報堂は、2020年に西日本新聞の子会社であった西広が博報堂九州支社と事業統合して社名変更した広告会社。
住所:福岡市中央区天神1-4-1 西日本新聞会館ビル 14階
※国体道路沿のビルになります。
※博多大丸の入口の横に、ビルの入口があります。
※14Fの九州博報堂のオフィス内になります。
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