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天神の“イマ”を体感!~ビッグバンに潜入するツアーへようこそ~

開催日:2025年11月22日

コラボレーション授業

11/22 3連休の初日。絶好のツアー日和。

参加メンバーの構成は、We Love天神協議会から4名、テンジン大学のから18名、知り合いに誘われた3名でした。

 

 

テンジン大学恒例のチェックイン。大学の先輩に誘われて興味を持った、最近の天神が知りたい、関心の幅を拡げたい、本業で不動産管理に携わっており、安全対策について知りたいなどなど。皆の期待が高まります。

 

 

◯ We Love天神協議会(以下WLT)設立の背景と活動紹介。そして天神ビックバンについて

まず、We Love天神協議会(以下WLT)事務局 川崎さんからWLTの設立背景と活動の紹介がありました。WLTの活動を知っている人の質問に対し、予想外⁈の挙手の多さに、川崎さんから、「いつもより数が多くて嬉しいです」との声が上がります。

 

 

時は遡って2000年代前半の天神。天神のコンパクトさと過密さから、違法駐輪の増加(全国ワーストNo.1)、落書きや煙草のポイ捨てなど安全性の確保と地域イメージの改善が課題となっていました。2004年 天神ピクニックという社会実験を実施し、歩行者専用道路として休憩スペースの設置や、フリンジパーキングという形で都心への車の流入を防ぐ仕組みを設け、社会実験は成功を治めました。

 

 

街づくりを行なう機運が高まり、行政•民間一体でまち作りを行なう機運が高まり、2006年4月に街の課題解決を積極的に行なうWLT協議会が結成されました。

 

 

直近では、天神ビックバン認定ビルの親子見学ツアー、まち歩きセミナー、天神クリーンデー、地域連携のための夏祭り、文化醸成のための福岡ミュージックマンスなどにWLTとして取組んでいるそう。

 

 

WLTには、現在145会員が加盟し、西鉄福岡天神駅の半径500mと渡辺通りを重点エリアとして、その周辺をまちづくり検討エリアとして、様々な魅力を備えた街を目指していますとのことでした。

 

 

続いて、天神ビックバンの解説がありました。

天神ビックバンでは、2014年から2024年までに30棟のビルの建替を目指し、延床面積1.7倍(444千m2から757千m2)、雇用者数2.2倍(39.9千人から97.1千人)に増加し、天神で働く人、天神の集客力アップを目指しています。

 

 

過去を遡ると、福岡では、容量制限(敷地面積に対する床面積の割合)が都心の容積が800%となったこと、(→旧基準のビルでは延床面積を縮小させざるを得ない)、航空法による高さ制限(天神地区67m、博多地区60m)があり、仮に容積緩和を受けても建替が進まない状況でした。

 

 

再開発推進のため 、2008年 天神明治通り街づくり協議会(MDC)が発足するも、対象地域17ha(→700mx240m)にある100棟中、半数が築40年以上となっていました。

 

 

そこで2008年、福岡市では、機能更新誘導方策として、まちづくり協働と魅力づくり、公共貢献を満たす建築(例→緑化、セットバックによる広域空間の確保など)において、容積率800%から1200〜1400%まで引き上げる緩和を打ち出しました。

また、国家戦略特区による航空法高さ制限のエリア特例承認を国に働きかけ、最終的に2017年に、西側115m、東側100m〜76mと最大+50mの緩和を国から引き出しました。

 

 

この2つの施策から、2025年に4棟、2026年以降に2棟の超高層が引渡しとなる予定であり、その内の一つが天神ビジネスセンター2期との紹介がありました。

 

 

 

 

○仮称 天神ビジネスセンター(以下天神BC)2期計画について

・施行•設計者 前田建設 島野さんの事前説明

天神BC2期(仮称)は、元々、メディアモール天神(MMT)や福岡市役所北別館などがあった跡地を一体で開発したものだそうです。

 

内観と外観のデザインは、福岡市出身の重松造平さん。建築事務所OMAのパートナー、NY事務所代表であり、直近は虎ノ門ヒルズステーションタワーを手掛けられたそうです。

 

建物外装の特徴は、ガラスのカーテンウォール(1枚650kg)で覆われている点、両角の下部が緩やかな曲線を描くファサード。建物内装の特徴は、地下2階〜5階までのアクセラリアムという吹き抜け空間。アクセラリアムは、アクセレートとアトリウムの造語で、ワーカー同士の交流促進を狙っています。既設の天神BCのイナチカ、市役所地下通路との接続もあるとのことでした。

 

 

工事期間は、2023年10月〜2026年6月(予定)。10月末で建方は完了し、計画に対し、オンラインだそうです。

敷地面積 4,085m2、延床面積 62,948m2(容積率1399.56%)と、緩和を最大限に活用した免震構造の18階建であるという仕様情報も加わります。

 

 

オフィススペースは、梁を大きくし柱本数を減らしており、最大18mの柱スパンにより、レイアウトの自由度を高めています。

 

 

天神BC2期では、吹き抜け空間のアクセラリアムを支えるための斜めの柱や長めに配置された床が構造体として見所である事が示されました。

 

 

◯天神BC  2期 工事現場潜入

ここからいよいよ待ちに待った現場へ潜入!!

 

 

 

 

ヘルメット、イヤホンを装着し、建築現場に潜入します。地上1階から18階までは、工事用エレベーター(最大荷重2800kg)で移動します。見学者一同(2280kg)を載せることのできるパワフルな機械です。

 

 

 

 

※残念ながら、内部の写真撮影はNGなため、文章でお楽しみください。

一段上がった19階の屋上から建物の高さを実感します。最上部にはビルの電気を支えるキュービクル式変電設備が設置されています。

 

 

 

 

 

 

その後は、地下2階へのビル山下り 40分の行程でした。

 

 

5階部分でアクセラリウムを支える斜めの曲線を描く特注の軽量鉄骨、地上から11階まで繋がる斜めの柱など、順番に見学して行きます。

 

地下1階には、地上部の鉄骨造を支える免震ダンパーを40箇所に配置。ダクトも蛇腹状になり、60cmから70cm程度の揺れにも耐える形です。地上1階と地下1階の階段が直接繋がらず、境目があるのも興味深かったです。

 

 

◯将来創りたい天神のイメージ

最後に、教室に戻り、各自が将来創りたい天神のイメージを付箋に書き出し、意見交換をしました。

 

 

 

「緑あふれて空の広さを感じる空間で思い思いの過ごし方が出来る街」「路地のある界隈も残して欲しい」「多世代×バリアフリーで寛げる街」など、言葉は違えど、温かみのある都市空間を各自描いていました。

 

 

○所感

25年2月にWLTコラボで実施したワンビルツアーは、施主の視点であったのに対し、今回の天神BC2期は設計・施工の視点であり、鋼構造、安全・防災の視点からのコメントがあり、興味深かったです。個人的に、自然と都市のバランス、歴史の深さ、人の温かみの3つが福岡の強みと思っています。そうした良さを受け継ぐ街、天神を創っていきたいなと思いました。

 

 

<REPORT>

おしら

 

<STAFF>

ふうや、こうじ

 

【今回の授業のコーディネーター】

天神の“イマ”を体感!~ビッグバンに潜入するツアーへようこそ~

岩永 真一

1981年、福岡市生まれ。就職氷河期世代で内定ゼロで大学を卒業し、アルバイトで社会人を始める。大学卒業前より、まちのそうじをするgreen birdに参画。その後は広告業界でプランナー/ディレクターとしてサラリーマンをしながら、福岡・天神エリアのまちづくり団体にも参画。27歳で脱サラして独立、28歳で福岡テンジン大学を立ち上げ学長を務める。31歳より複数の組織に所属する複業家の働き方を始める。現在は、人材育成・教育・まちづくりや、複数の企業の経営支援など、複数の組織で複数の職業を実践する複業家。2017年、福岡の歴史絵本「のったよ!ふくおかタイムスリップ号」をプロデュース・脚本担当し発刊。2025年よりKBC「ぎゅっと」の第3月曜コメンテーター。

 

■WEBサイト

岩永真一/学びの場をつくる専門家

登壇実績

【今回の先生】

天神の“イマ”を体感!~ビッグバンに潜入するツアーへようこそ~

WeLove天神協議会

天神のエリアマネジメントを行う団体で、福岡市をはじめ天神を拠点とする多くの企業で構成する協議会。福岡市の人口増加とともに福岡の経済・情報・ファッションの発信地として栄えてきた天神だが、過密化による交通渋滞や違法駐輪などの課題を抱え、市や地権者・事業者による「新たな都心づくり」の試みとして、2004年に歩行者天国やオープンカフェなどの社会実験を実施。これがキッカケとなり「I Love 天神フォーラム」が開催され、2006年に天神の様々なまちづくり事業を行う「WeLove天神協議会」が誕生。2008年に「まちづくりガイドライン」を策定し、日本全国のエリアマネジメントのモデルにもなっている。

 

■We Love 天神協議会

http://welovetenjin.com/

 

【今回の教室】

天神の“イマ”を体感!~ビッグバンに潜入するツアーへようこそ~

天神のまち

福岡市中央区にある九州一の繁華街。天神という地名は、江戸時代に黒田家が福岡城の鬼門にあたる場所に移された水鏡天満宮に由来する。以後、江戸時代から「天神町(てんじんのちょう)」と呼ばれ、1964年に隣接する因幡町・鍛冶町が含まれた「天神」となった。現在では、多くの商業施設が集積し繁栄していく一方で、渋滞や違法駐輪、落書き、ポイ捨てなどの問題も多く、課題解決に向けた社会実験などを経て2006年に、行政や商業施設、天神に居を構える企業などによりエリアマネジメント組織「We Love 天神協議会」が設立された。(写真提供:福岡市)

 

■We Love 天神協議会

http://welovetenjin.com/