レポート日記
一覧に戻るリーダーシップへの道・入門編 ~福岡の夏の代名詞!サンセットライブからのメッセージ~

開催日:2012年03月24日
コラボレーション授業
【特別授業】 天神スモーカーズマナー向上月間
この授業は、喫煙者のマナー意識の向上を目的に、天神・大名地区のモラル・マナー向上を目指し、様々な啓発活動を行う「天神スモーカーズマナー向上月間」の一環です。天神地区が安全で快適なまちになるよう、NPO法人グリーンバードと福岡テンジン大学が一緒になって推進しているプロジェクトです。
天神スモーカーズマナー向上月間(福岡市役所WEB) :
http://www.city.fukuoka.lg.jp/chuoku/kikaku/charm-kankou/moral-manner.html
[動画] 天神スモーカーズマナー向上月間(福岡チャンネル) :
http://www.youtube.com/playlist?list=PL93C85C0C51AE9F6E
福岡に全国から多くのファンが集うサンセットライブ。
「これに行かないと夏が終わらない!」という方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
(実は学長もそんな人の一人です)
今回は、そんな福岡の夏の代名詞になったサンセットライブの生みの親・林憲治さんをお迎えして、
サンセットライブについてのお話や、この一大イベントを成功させるリーダーシップとはどういうものなのか?をテーマに授業を行いました。
まずは、林さんと学長との対談形式でのインタビューからです。
(岩永)
「まず、林さんはサンセットライブの原点になった、糸島の海辺に在るカフェ・サンセットを始め、糸島エリアにお店を出し続けています。林さんが海辺にお店を出し続ける理由とは何なんでしょう?」
(林)
「今宿の海を見て育って来たからでしょうか?」
(岩永)
「そんな林さんは20歳ごろからサーフィンをされてますよね」
(林)
「何もする事が無いときに海辺に行って、サーファーを見た時に、サーフィンをすれば海に行く理由が出来る、と思ったんです」
(岩永)
「そんな林さん、実は29歳までフリーターでした」
(林)
「サーフィンをする為に働く、という生活を続けていましたね(笑)」
(林)
「ただ、23くらいの時にサーフィンをしている先輩から、『夢はある?』と聞かれて」
「彼が『俺は障害者の施設を建てたい』と言ったのをかっこいい!と思ったのを覚えています」
「それから自分は宮崎や熊本にも訪れ続けて行く中で、海の側に住みたい、という思いを強く持つ様になりました。『お店をしたい』というよりも、『住みたい』という思いの方が強くて。それがカフェ・サンセットを始めるきっかけでした」
(岩永)
「何も無い場所でゼロから始めるアクションはすごいですね。」
そんなカフェ・サンセットからサンセットライブはどう始まったのでしょう?
(林)
「音楽が好きだった、というのが有ります」
「ある日、天神のライブハウスの方から『場所を貸して欲しい』と依頼が有りました。それを、あぁ良いなあと思いまして」
そうして第1回のサンセットライブは開催されましたが、会場はカフェ・サンセットの駐車場で野外開催されました。
当時は野外フェスの概念も無い中で、何故そんなライブが行われたのでしょう?
(林)
「当時はお店の中でよりも、外で楽しみたい、というお客さんで多かったからでしょうか」
そうやって始まったサンセットライブは、開始当時は600人ほどでしたが、今では15,000人規模にまでなり、会場もカフェ・サンセットから芥屋海水浴場に移されました。
(林)
「(芥屋に移ったのは)地域の人とも盛り上がれたらなと思ったからです」
(岩永)
「ぶっちゃけ、サンセットライブは儲かってるんですか?」
(林)
「儲かるときと儲からないときの両方がありますが、祭り事は儲けようと思って出来るものじゃないなという実感があります。儲けようよりも、喜んでもらいたい、という気持ちの方が強いですね」
(岩永)
「サンセットには”Love&Unity”いうスローガンが有ります。Loveは良く聞きますが、Unityに込めた思いとは何なのでしょう?」
(林)
「Unityはつながり。祭り事は『俺、あいつ好かんちゃんね』というものが有っては出来ませんから」
「もう一つは、自然についてです。サーフィンを通じて、自然のエネルギーに自分が合わせている様な生き方を感じる様になりました。自然に感謝し、自然に人が合わせて行く様な生き方を、というメッセージも込められています」
そんな、自然にコンシャスされたフェスであるサンセットライブはとてもクリーンなフェスとしても有名です。
フェスとゴミの関係について、林さんに聞いてみました。
(林)
「人が来ればその分ゴミが無くなる、というだと素敵ですよね。夏の終わりに人が集まって、みんなでゴミが無くなれば良いなあ、と」
「でも、始めの数回では人が来る分、たくさんのゴミが出ていました」
「毎年、色々な試行錯誤が続きました。ゴミを拾って来たらビールをサービス、とか。そんな工夫を重ねて、段々と綺麗な環境になって行きました」
「芥屋に移動して一番苦労した事として、駐車場の問題が有ります。駐車場に車が溢れて、そこにゴミが溢れていました。やはり、人が集まる所にゴミが集まるのでしょう」
学長は2004年からgreenbirdとしてサンセットライブに参加していました。では、greenbirdが参加するに至った経緯は何でしょう?代表の木下さんに聞いてみました。
(木下)
「林さんとのつながりの中で、大いなる自然への感謝、という思いに共感しました。greenbirdが協力する事で、その理念の実現に貢献出来ればな、と思っています」
greenbirdはポイ捨てをしない為のメッセージ発信をする団体ですから、サンセットとも良い関係を築けているのでしょう。
そういった活動の積み重ねも有って、なんとゴミは88%もの削減に成功しました。
それも、残りの12%のゴミは、飲食店からの最終日の処分がほとんどだと言いますから、実質ゴミはほとんど無い状態です。
(岩永)
「参加者の層に変化はありましたか?」
(林)
「最初のサンセットは外国人の方が多かったです。大体2割くらいでしょうか」
「彼らは、週末は必ず糸島とかの海に行くし、パーティー好きな方々です。遊ぶのが上手だなぁ、という印象が残っています。みんな凄くお酒も飲んで盛り上がっていましたし。」
(岩永)
「悩みは何か有りますか?」
(林)
「悩みというか、何かにぶち当たって経験していって成長している実感が強くあります。始めは海辺に住もう、という思いから始まったし、そういう事の積み重ねじゃないでしょうか」
そして、話はこの授業の中心、リーダーシップについてです。
(岩永)
「林さんは、良くリーダーと言って想像される様なガンガン前に出て行くタイプではないですけど、これほどのイベントを成功させられましたよね」
(林)
「周りに支えられているんじゃないでしょうか。良く『人に恵まれているね』と言われますし」
「そして、みんなと楽しい事が出来たらな、といつも考えています。それを周りとも伝え合っていますし、楽しんでいます。楽しむ為にはどうしたら良いのか?と考えると、やる事は見えて来ます」
(岩永)
「一般論的なリーダーシップとは違うけれど、『こういうリーダーもいるんだ』と感じてもらえたんじゃないでしょうか」
(岩永)
「では最後に、サンセットライブ、林さんに興味を持っている人に一言お願いします」
(林)
「一番はサーフィンの話がしたかったです(笑)」
「サーフィンに触れるまでは、何をすれば良いのか、楽しみ方すら分かりませんでした。電車通勤している大人を見て、大人になったら楽しいのかなあ、と思っている様な学生時代だったし、学校にもかっこ良い先生にも出会えなくて」
「でも、サーフィンをして、やっと楽しい先輩に出会いました。お店を経営しているんだけど、波が良ければ海に行っちゃう様な、そんな方です。そんな先輩の魂を受け継いで、姿を追いかけて進んでいます」
「その先輩からは本物になれ、と良く言われてきました。本物とは、時間が経てば経つほど輝きだすものなんじゃないでしょうか」
(岩永)
「今年のサンセットライブのテーマは何ですか?」
(林)
「『分福』:みんなで福を分かち合おう、です。震災の福島と福岡を『福』でつなごう、という意味と、福岡から元気を広めよう、という意味を持っています」
「それと、福岡出身のアーティストを福岡にまた集めて、『やっぱり福岡イイね』と思って欲しいです」
(林)
「サンセットライブは、いっぺん来たらやられちゃいます。そして、楽しくてハメを外しちゃうかもしれない。でも、それで2回3回と来てもらって頂けたらと思っています」
さて、そんな魅力的なリーダー、林さんからのお話の後は、
リーダーシップについて、皆さんと一緒に考えてみました。
そこで用意したのは、
・3人一組をつくって、それぞれが出来る事を棚卸して共有する
・そのあと、「この3人で力を合わせると何が出来るだろう?」とプランをつくってみる
というワークショップです。
やっぱり、サンセットのお話が有ったからでしょうか。
音楽についてのお話が目立っていました。
他にも、コンピューター好きがこうじて、パソコンの修理やカスタムで独立される方もいらっしゃいました。
そして発表です。
「この赤煉瓦館でジャズのイベントをやってみたい。仮面舞踏会も良いかも」
「若松のまちづくりに取り組んでいるけど、今日知り合ったアートディレクターの方と一緒に何か出来るかもしれない」
「一緒にiPhoneのアプリの制作が出来るかも」
等々、様々な視点からの発表が集まりました。
どの発表にもついつい聞き込んでしまいました。
中には、授業後に「一緒にやりましょう!」と本格的に実現しそうな話をしてる方もチラホラと(!)
そんな、リーダーシップをテーマにした授業は無事終了です。
これがきっかけで、新しいリーダーが生まれたら素敵ですね。
(ボランティアスタッフ 山路 祐一郎)
【今回の先生】
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住所 : 福岡市中央区天神1-15-30