レポート日記
一覧に戻る裸足って気持ちいい!芝生の上を裸足で走る「裸足ランニング入門」
開催日:2012年05月26日
通常授業
今日の授業の教室は大濠公園です。
近年、ダイエットや健康維持、体力作りでランニングブームが起こっています。大濠公園では昼夜問わず、たくさんの老若男女がそれぞれのペースで走っています。
フルマラソンに挑戦する人も多いですし、通勤・通学の際にカラフルなランニングウェアのランナーを見かけることも多くなったのではないでしょうか。
その一方、ひざを痛めてしまったり、「ランニングを始めたいけどきっかけがつかめない・・・」「なかなか一人だと続かない・・・」という人も増えています。
今日は怪我も少なく、体への負担も少ない、続けられる裸足ランをご紹介して頂きます。
今回の先生は日本における裸足ランニングの第一人者、吉野剛さんです。
日本全国で裸足ランニング普及に取り組まれていて、日本中を飛び回られています。今日は2回のレッスンの後にも関わらず、お願いして特別に授業をやってもらいました!
吉野さんはアメリカで10年間シューズや整体について学ばれたそうです。現在は日本ベアフット・ランニング協会で理事長をされています。
まずは座学です。参加者の方に裸足ランニング(以下「裸足ラン」と書きます)を知っているか聞いたところ、知っていたのはなんと10%!はじめて聞く方が大半のようです。
裸足ランというのは『BORN TO RUN』という本がきっかけでアメリカで大流行しました。肥満、ダイエット、健康志向の高まりでランニングを始める人が増えるに伴い、ひざを痛める人が増えました。
その対策としてクッション性が高いシューズ、サポーターなどが販売され、その人の足にあったオーダーメードのインソール(中敷き)は高いものになると4万円以上するそうです。
それでも膝の痛みが改善されないと痛み止めを飲んだり、薬を打ちながら走ることになってしまい、最悪の場合は手術や車いす生活を余儀なくされるケースも発生しています。
最近のデータでは裸足で走ることでケガが5~7割減るとされています。ではなぜ、これまで裸足ランが研究されてこなかったのでしょうか?これは経済的な理由が大きいと吉野さんは言います。ランニングの研究はシューズメーカーからのお金によって成り立っています。研究がシューズの開発・販売につながればメーカーの収益につながりますが、裸足ランを研究してもシューズの販売促進につながらない、ということが大きかったようです。
vibram社が出資して裸足感覚で走れる5本指シューズを開発されたことで状況が変わりました。5本指シューズはもともとアクアシューズ(川遊びで岩の上を足を切らないように履く為のシューズ)のから進化したものです。それがクライミングシューズを経て、現在の5本指裸足ランニングシューズにつながっています。ローマ五輪のマラソンを裸足で制した、裸足の金メダリスト「アベベ・ビキラ」の名を冠したシューズは『BORN TO RUN』のヒットとの相乗効果であっという間にアメリカ中に広まりました。
五本指シューズ、履いてみるとこんな感じです。
色どりが綺麗です。よく日焼けしているのは先生の足です。
ここまでは裸足ランシューズの歴史についての説明でした。次に、なぜ裸足で知ることが体に良いのか、吉野さんが人体模型を使って説明します。
「かかとから着地する」というランニングの常識はみなさん耳にした事があると思います。では、裸足でかかと着地とつま先着地、どっちが足へのダメージが少ないか、試してみましょう。靴を脱いでその場で一歩踏み出します。かかとで着地した方が痛いです。
これはつま先の方が接地面積が広いのが第一の原因。第二に指の付け根にあるアーチでダメージを吸収することが出来ず、着地のダメージがダイレクトに膝に伝わることが原因です。
現代人は指の付け根にあるアーチをうまく使えていない為、その部分が退化して、偏平足の原因になっています。
逆につま先着地の場合はどうでしょう?つま先着地の場合は足裏のアーチ、アキレス腱、ふくらはぎの筋肉でダメージが分散され、やわらかく着地できます。また、足首をひねってねんざすることも少ないです。
従来のシューズはかかとにクッションを入れ、足首がねじれないように固いシューズになっています。その為、かかと着地になってしまいます。そういえば、不自由な動きになってしまうのを嫌がって、裸足で徒競走を走る子どももいますよね。
実践の前に注意事項の説明がありました。裸足ランの走り方を体が覚えるのには半年以上の時間がかかるので最初はやり過ぎに注意して下さい。肉離れや中足骨の疲労骨折の原因になります。
また、裸足感覚の5本指シューズはあくまで「足を切らないために履くもの」なので、裸足で走り方を覚えてから使って下さい、とのことです。
裸足ランには足の裏の擦り傷、切り傷のリスクが伴います。例えれば料理をする際に手を切ってしまうようなものです。とげが刺さったら抜いたり、切り傷・擦り傷については最悪の場合破傷風のリスクがありますが重症に至るのは日本全体で年間約80人程度と吉野先生からの説明がありました。適切な応急処置をすることで十分防ぐことが出来ます。
ここからは実際に裸足での体の使い方を覚えます。
ポイントは
①前に重心を移動させていく
②着いた足を素早く引き上げる
③リラックスして体のバネを有効に使う
この3点です。
まず①ですが
2人1組になり、一人が体を肩幅に開き、重心を意識します。そのまま体を前に倒していくと自然に足が前に出ます。これが基本的な体の使い方です。もう一人は無理をして倒れないようにサポートします。
体を前に傾けて前に重心を移していく感覚をつかみます。この時首や腰が曲がらないように意識します。
もう一つの練習として3人1組でタオルを使う運動をしました。二人が左右からタオルを持ち、走る人の腰の部分に当て1,2,3で前に押し出してあげます。走る人は腰を意識して押された勢いそのままで前に足が出ます。
次に②ですが接地時間を出来るだけ短くします。進む方向と垂直の向きに1メートルごとにゴムの棒を置き、ゴムの棒を踏まないようにリズム良く駆け抜けます。周りの人は手拍子でリズムを取ってあげましょう。
③番目ですが
まずはその場でジャンプすることで体をほぐすことが出来ます。
4人1組で3人が輪を作り、もう1人は輪の中に入り腕を胸の前でクロスさせ目を閉じます。リラックスした状態で自分がボールになったことを想像しましょう。周りの3人の内1人が真ん中の人を押します。押された人は体を任せてその方向に動きます。周りの人は真ん中の人が輪から出ないように、押し返してあげます。体をリラックスさせる感覚をつかむ練習です。
あっという間に2時間半が経過して吉野さんのレッスンは終了です。
アスファルトや土の上でも意外と裸足で走れることがわかりました。参加者の方の表情も満足感でいっぱいです。アンケートにも短時間でたくさんの意見を書きこんで頂きました!
この授業では福岡で『裸足ランニングクラブ福岡』を主催されている原田尊さんにサポートして頂きました。翌日も山の中を走る「トレイルラン」のイベントがあるということで、申込をされている方が大勢いらっしゃいました。
ご興味のある方はツイッター、Facebookで『裸足ランニングクラブ福岡』を検索してみて下さい。ホームページもあります。
この授業が、みなさんのランニング習慣作りに役立てばいいな、と思います。
最後に笑顔で集合写真。
(ボランティアスタッフ 村井 泰)
【今回の先生】
吉野 剛 (Barefootinc Japan株式会社/一般社団法人日本ベアフット・ランニング協会理事長)
【今回の教室】
住所 : 福岡市中央区大濠公園1-3