レポート日記
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開催日:2010年10月23日
通常授業
【今回の先生】 外山 茂吉(モキチアンドパートナーズ株式会社 代表取締役)
梶原 道生(モキチアンドパートナーズ株式会社 クリエイティブプロデューサー)
【今回の教室】 茂吉商店1F MOKICHI SALON MATSURI
2010年10月23日。本日は晴れ。
まだまだちょっと寝ぼけ眼な土曜の朝に
福岡テンジン大学の第一回目の授業が開講になりました。
今回レポートするのはこの授業。
「経営者と表現者(クリエイター)~ミケランジェロとパトロンの関係~」
講師は福岡の第一線で活躍するお二人。
モキチアンドパートナーズ株式会社 外山茂吉さんと梶原道生さん。
(※当日、梶原さんが改めてカジグラとして独立されたっていう裏話もあり驚きましたが。モキチアンドパートナーズとは業務提携という形になったそうです。)
当日の朝は、スタッフ一同初めての授業ということもあり
みんなが来てくれるのかどうかドキドキ。
んで、一人目の生徒さんがきてくれた時点で、ものすごく元気に
「おはようございますっっっっ!!!」といっちゃったわけですが(笑)
そんなこんなで授業には22名の方が参加頂き、いよいよ第一回目の授業がスタートしました。
授業は、講師のお二人の対談方式。
普段良くお話されていらっしゃることもあってかやりとりはスムーズに。
(※8割は外山さんが話されていましたが・・・)
そして、外山さんからはこんな質問がありました。
「今日は皆さん何を聞きにこられましたか?」
「僕の話を聞きに来た人―?」「梶原さんの話を聞きに来た人―?」と挙手制で質問すると
まだ体も頭もあったまっていないみなさんは、手を上げられず外山さん失笑(笑)
改めて「外山と梶原、両者の話を聞きに来た人?」の質問に、ほとんどの方が挙手。タイトルに惹かれて皆さん来られたようで、企画の方向性としては間違ってなかったんだな、と。
さらに個別質問タイムでは、
「経営者とクリエイターの仕事での関わり方について聞いてみたかった」とか
「モキチアンドパートナーズに興味があってきてみました」という意見が出てきました。
この質問、実はあとでわかったんですが先生が聞きたかったのは
「あなた自身に、自分は何故ここにきたのかを考えて欲しかった」ということだったんですね。
もちろん授業に参加している時点で、意欲を持って参加してるんですけど、
「行きたい!」って思ってから時間もたっているし、再度授業の当日に
「今日はこんなことを知って帰りたい!」とか「これを身につけたい」とか再確認するだけで
授業ってもっとおもしろくなるし、勉強になるってことを気づかせてもらいました。
そんな質問から始まった授業ですが、まずはお二人の出会いについてのお話が始まりました。
最初の出会いは、まだ外山さんが広告代理店に勤めている頃。
某有名企業(※授業ではバンバン会社名をおっしゃっていましたが)を担当していたときに
梶原さんは広告制作会社のアートディレクターだったとのこと。
その出会いから数年後、
ご縁もあって外山さんの会社が軌道に乗った頃に、当時独立して働いていた梶原さんにロゴを依頼。それから色々と仕事を一緒にするようになったそうです。
そこから梶原さんは一緒に仕事をしていく中で、外山さんに惚れ込んだそうです。
外山さんは「この人どうにかしてあげんと」と思ったらしいです(笑)
そう聞くとやっぱ、福岡ってせまいなー。
もしかして私も将来仕事する人と出会っているのかなと思いました。
そもそも「知り合いの知り合いの知り合い」くらいはみんな共通点ありますよね?
私自身もテンジン大学に関わってそれを痛感していますし。
だいぶ私見が入ってしまったのでお話をレポートに戻すと
これが外山さんの会社のロゴですが、この製作には実は2,3ヶ月という月日がかかったそうです。
外山さんにあったモキチアンドパートナーズという会社のイメージを言葉に出して説明してみると、実は自分の頭で思っていたことと、形になってみたものとの矛盾をはじめてそこで感じた、とのこと。それから毎朝目覚めたときに生まれてくるモキチアンドパートナーズとはなんぞや?という自問自答の中からイメージを梶原さんに吐き出し
それを来る日も来る日も梶原さんは受け止め、「こういうことですか?」と外山さんに確認する。
そしてそれを何度も繰り返し行い、事業者の思いを梶原さんがデザインという形に変えてあげ
眼に見えるメッセージとして世の中に送り出す。
こんな風に「経営者」の意見や考えを集約してメッセージにできる「表現者」がいる。
これが今回のタイトルでもある「経営者と表現者」の関わりの1つだったんです。
そしてそんな存在が社内に必要と感じたからこそ外山さんは梶原さんを社内に引き込んだわけですね。
まぁもちろん外山さんが「梶原さんをどうにかしてあげたい」と思ったのも含まれますが(笑)
さらにお二人の仕事の話になり、梶原さんの魅力を外山さんが世の中にマッチングするように引き出し、価値に変えていく。というトピックも出てきました。授業の中では補足出来なかったのですが、この話が今回のサブタイトルでもある「ミケランジェロとパトロンの関係」でした。授業を受けられた方は、この部分が結構気になっていたんじゃないか、と。時間が押した分、説明ができませんでした…。
次に、お二人にはこんな質問をしてみました。
「福岡を拠点にしている理由は?」
梶原さんは
「福岡の街には、可能性がイッパイあると思う。ただそれを生かしきれていないから
僕は1000個のロゴを作って福岡をもっといい街にしてみたい」ということをお話頂きました。
確かに、可能性溢れる街だからこそ魅力的な人も集まってきているし
活躍されているクリエイターが多いのも事実。
でも業界だけでなく「誰かのためになる社会的な部分に関わりたい」という
もっと広い視野もって働いてみたいという話をきいて
やっぱり福岡ってそれだけ人を魅了する「素材」がある街なんだろうなと再認識しました。
また外山さんは
「今は情報が溢れている中で、そこから必要なものだけを得るために『捨てる』ことが必要。
そんな時代に、東京という情報が集約された場所は危険だと考えています。
ただ福岡がよいというわけでなく、東京ではないというとこに意味があるということ。
まぁ福岡が暮らしやすいってのもあるけどね。でも最近は宮崎に住みたい(笑)」と。
確かに、日本のどこにいたって今は同じような情報を「収集できる」
でも東京って場所はその情報がいやがおうにも飛び込んできて
それを自分で『捨てる』作業が伴う。結構それって大変。
そんなことまで考えながら、お二人とも福岡で仕事されてるってことを知って
東京って楽しいとこって思っていた浅はかな自分を見つめなおそうと思いました。
またそんなお二人の話を聞いて感じたことは、仕事をしていく上で大切なことは
どんな思いをもって仕事をしていくことだと思いました。
ただ純粋にやりたいことをやれるのって限られた人だって考えちゃうけど
自分の思いを言葉にして、形にしていくことが今はすっごい貴重で大切ということ。
そしてそれを実現するためには、もちろん人の力を借りることも必要で
それによって強みと弱みを補い合うことができれば自分で全部やらなくてもいいこと。
実にシンプルなんだけど、難しい。けどシンプルでいいってこと。
でもきっと今日この授業に参加人達は、どこかでそれを悩んでいて
このお話を聞いてちょっとでもふみだす勇気を持てたんじゃないかなって思いました。
さてまただいぶ私見が入ってしまったのですが、レポートに戻りますが。
お二人の話の後は併設する茂吉食堂にて食事をとりながら
先生と生徒全員で、質疑応答を兼ねたランチミーティングを開催しました。
料理は全てモキチアンドパートナーズで出されている「マクロビオティック料理」。
そのおいしすぎる料理をつまみながら
みなさんノート片手に先生に質問をされたり
当日参加された生徒さん同士、悩みを共有されたり感想をお話されながら
どんどんいろんな方と積極的にお話をされていました。
私も何人かの生徒さんにお話をお聞きしたのですが
「話を聞いて自分でも何かやってみたいと思った」
「自分の弱みや強みと一度向き合ってみたい。そしてその中で自分の思いを持ちたい」
「福岡の街には可能性があって、それをしっかりと掴みたい」など
熱い感想を聞くことができたりして、なんだか私自身が刺激をうけちゃいました。
そして何だかんだで、この授業の終わりは話が白熱したこともあり1時間延長しての終了。
でもここで仕切らなかったらきっとまだまだ話してただろうなっていう雰囲気でした。
授業後に、授業のアンケートをみんなで見ていると
「おもしろかった」「次の授業もぜひ参加したい」にチェックがいっぱい!
「普段考えてることのヒントやきっかけになるようなことで頭がいっぱい!
これを材料につなげていきたいです!」というご感想もあって
スタッフで反省会をしながらも、なんだか嬉しくて男4人ニタニタしてしまいました。
そんなこんなで福岡テンジン大学、最初の授業は無事に終了。
参加頂いたみなさまには本当に感謝の気持ちでイッパイです。
ということで、最後は今回授業で教わったことで締めくくりたいと思います。
それは「何でその授業に参加してみようと思ったか」ということを考えること。
「そこに主体性があれば、身につくものが全然違う。
今後は、スタッフとしても生徒としてもこんな気持ちを持って
2回目以降の授業に参加してみたいと思いました♪
(ボランティアスタッフ 東信史)