レポート日記
一覧に戻る休日は朝からビールとパンで。 ~本場の国から食文化を学ぶ~

開催日:2012年11月24日
通常授業
この日はあいにくの雨。朝9時スタートの授業でアクセスもちょっと不便な場所ということもあり、ちゃんとみなさんいらっしゃるだろうか?と心配していましたが、用意した席がいっぱいになりほっと一安心♪
パンのこうばしい香りがたちこめる店内で、授業が始まりました。
会場は中央区今川2丁目のバイエルン福岡。日本で初めて、ドイツ・ブンデスリーガの名門、FCバイエルン・ミュンヘンのオフィシャル・ライセンスを取得した、スポーツバー&レストランです。
40種類以上のドイツビールをはじめ、100種類ものドリンクやパン・ケーキ、ドイツ・オーストリアの家庭料理を楽しめます。
まずはコーディネーターの青柳さんから、ドイツ、オーストリアのビールとパンについての説明がありました。
パンとビール。日本ではあまり馴染みのない組み合わせですよね。
でも実は、歴史を辿ると、麦芽を乾燥させて粉末にしたものを水で練って焼き、一種のパンにした後水に浸してふやかし、麦芽の酵素で糖化を進行させてアルコール発酵させたものがビールだったのです!
大昔、パンはビールのお母さんだったんですね。
簡単に説明を聞いたところで、アイスブレイク。5つのテーブルにわかれ、それぞれどうしてこの授業に参加したのかを話していただきました。
・地ビールが好きだから
・ドイツビールとパンという組み合わせに興味を持って
・テン大でお酒が飲めるから!
このテーマで集まったみなさんの中に、ビール嫌いの方はいないですよね♪
各テーブル和やかな雰囲気になったところで、いよいよ先生の登場。今日の先生は、ベッカライ&コンディトライ・サイラーのオーナー、アドルフ・サイラーさんです。
サイラーさんと、青柳さん、参加者の皆さんとのフリートークという形で色々なことを教えていただきました。
まずはビールの種類について。日本ではメーカーの違いぐらいですが、本場ドイツは約5,000種類ものビールが存在すると言われています。大きく分類すると、ピルスナー、ラガー、ヴァイツェンという3種類に分けられます。
またドイツはビールに関する法律が厳しく、日本でいう発泡酒は存在しません。最近様々なメーカーから発売されているノンアルコールビールも、本場では「ビール」と名乗ることはできません。少しでもアルコールが入っていないと「ビール」と呼ぶことができないので、ドイツやオーストリアにあるのは「低アルコールビール」なのです。
そしてビールのみならず、グラスにも決まりが。メーカー毎に合うグラスが作られているので、おかわりを頼んだらグラスとコースターも取り替えられるとのこと。
またそのグラスにはよく見るとラインが書かれています。これは「ここまで注ぐ」という印。日本ではお店や注ぐ人によって量がまちまち、なんてこともままありますが、本場はきっちり量が決められているのだそう。これはお客としては嬉しいですよね。
ビールの温度も日本と違い、7~9度が適温とされています。「日本のビールはグラスまで冷やして、味がわからない。せっかくのビールの成分が壊れちゃうよ」とサイラーさん。
確かに、今夏「フローズンビール」なるものも流行りましたが、ビール自体の味はよくわからなくなりますよね。しかし日本の湿度の高い夏、冷たーいビールが飲みたくなるのも正直なところです(笑)
参加者の方から「どういうビールとパンの組み合わせが最適なんですか?」という質問が。それこそが今回の授業のメインです。実際にビールとパンのペアリングをやってみましょう!
3種類のビールとパンをご用意いただきました。
もこもこ泡のビールを注いでくださったのは、バイエルン福岡の店長サイラー直樹さん。アドルフ・サイラーさんのご長男です。
それではいよいよ乾杯。本場に合わせて、「ブロスト!」グラスをぶつける際は、アイコンタクトをお忘れなく^^
①ピルスナービール×センメルのパン
最初の組み合わせは食事の際の代表的なビールと、シンプルなパン。軽めの味わいで相性ピッタリです。
ドイツはランチでも気軽にビールを飲むとのこと。仕事の合間のランチでも、「1杯位なんてことないよ~」と…うらやましい(笑)
②ヴァイツェン×プレッツェル
岩塩が利いたこうばしいプレッツェルと、少しフルーティーなヴァイツェンの組み合わせ。
プレッツェルの形は、胸の前で手を組み合わす祈りのポーズが起源です。ドイツでは、プレッツェルの絵がパン屋の目印なんだとか。
③ドゥンケルビール×ガーリックスティック
モルトの多い、濃いビールとハードなガーリックスティックパンの組み合わせです。
飲み比べて味の違いに驚いたり、パンとビールの組み合わせを変えて「やっぱりさっきの方が合う!」と納得したり、みなさんいろいろな角度から味わい、楽しんでいました。
日本ではパンは朝食や昼食、おやつに食べる調理パンや菓子パンがほとんどですが、シンプルなサイラーのパンはビールのおつまみに本当によく合いました。
普段からおいしく飲んだり食べたりしている物も、その歴史、本場の味わい方を知っていただくと、よりおいしくいただけるものですね。
ごちそうさまでしたー!!
(ボランティアスタッフ 森部 友梨)
【今回の先生】
アドルフ・サイラー (ベッカライ&コンディトライ・サイラー オーナー)
【今回の教室】
住所 : 福岡市中央区今川2-14-3