レポート日記
一覧に戻る[テン大博] – 「ダイアローグ・シネマ」ストリートアーティストからの問い~映画鑑賞会:アート編~
開催日:2013年09月23日
通常授業
「テン大博!」ダイアローグシネマの第2回上映会は、アート編ということでストリートアーティストのバンクシーが監督した映画「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」を上映しました。バンクシーは、イスラエルとパレスチナの分離壁に絵を描くなど、社会に対する強いメッセージを作品に込めるアーティストです。
そんな彼が監督したドキュメンタリー映画の本作。何が落書きで何がアートなのか。そもそもアートってなんなのか。本質に迫るこの作品を鑑賞し、参加者の方それぞれの価値観を語り合いました。
映画鑑賞後に意見交換の時間を設けたこのダイアローグシネマ。話し合いの進行役としてお招きしたのが、福岡のアート活動を支援するNPO法人heyhoの代表ザツネさんです。
ザツネ先生より、「自己表現とはなんだろうかということを頭の片隅に置きながら映画を観てください」という一言をいただき、早速映画の上映がはじまりました。
本作90分の上映が終わり、みなさんモヤモヤとした表情を浮かべます。これからは意見交換。5人程度のグループになり輪になってもらいます。ザツネ先生から、ディスカッションテーマとして「なぜ、自己表現をするのか」という話題が提供されました。参加者のみなさんは、率直な映画の感想を加えながらテーマについて語り合います。
時間が経過したところでグループの代表の方に、グループで挙がった意見を発表してもらい、全体で共有しました。「個性を発揮するため」という意見がとても印象的でした。
続いて、「自分が出来る自己表現について」一人ひとりに考えてもらいポストイットに書いてもらいました。ザツネ先生がそのポストイットを集め、壁に貼っていきました。「言葉にする」「絵を描く」「文章にする」「曲を作る」「ブログを書く」などなど、参加者それぞれの自己表現法が貼り出されました。ザツネ先生が、それらを「人とのつながりのなかでの自己表現」と「黙々と作業する自己表現」に分けました。そして、「前者の方はテン大のような場所でアウトプットの機会を探してください。後者の方はheyhoが支援しますよ」と締めくくっていただきました。笑
芸術活動とは、自分の中に潜む欲求を外に出す作業だとザツネ先生は言っていました。そもそも社会に求められたものを生み出すわけではない芸術家は、商業的に成功を収めることとは対極にある気がします。しかし、芸術が社会性を持つのは、そこに社会に足りなかったもの、見過ごしていたかけがえのないものに気づかせてくれる力を持つからかもしれません。だから、非合法のストリートアートに、人を駆り立てる「かっこよさ」があるのかもしれないと感じた授業でした。
(コーディネーター 青柳 雄太)
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