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レポート日記

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目指せ茶ムリエ!「お茶で闘う」ってどういうこと!?

開催日:2014年01月25日

通常授業

 

少し寒さのゆるんだ雨の日、警固公民館にて闘茶の授業が開催されました。

 

 

今回の先生は、お茶の千代乃園代表の原島政治さん。八女市矢部村でお茶の栽培から加工販売まで手掛けられている原島先生、テンジン大学には2回目の登場です。お茶の淹れ方を学んだ前回授業が好評で、連続参加の学生さんもいらっしゃいました。

 

 

まずは、4つに分かれたテーブルで自己紹介しながら“なぜこの授業に参加してみようと思った?”というお題で2~3分話をしました。「お茶は好きだけど、こだわりはなかったので」「普段はあまりお茶を飲まないけれど、仕事でお茶のショップを始めたから」といった理由が聞かれました。

 

 

◆想像力と五感で勝負!

 

「闘茶」体験の前に、原島先生からお茶と「闘茶」の歴史についてお話頂きました。元々は中国より薬として日本に伝わったお茶。951年に京で疫病が流行した際、村上天皇が高僧に依頼して人々にお茶を飲ませた記録が残っているのだとか。先人たちは、お茶に抗菌・殺菌・抗ウィルス効果があることを知っていたのかもしれません。

 

 

「闘茶」とは5種類のお茶を飲み分け、その正確性で勝敗を決める遊びです。その始まりは、鎌倉時代の京都とされています。皇族や僧侶を中心に、京都産茶葉と他の地域産茶葉の正確な飲み分けを競っていたとのこと。室町時代に入ると、茶器の普及とともにお茶は武士から庶民まで広く愛されるようになりました。やがて庶民にまで「闘茶」が広がると次第にギャンブル化していき、禁止令が出されたことから廃れてしまうことに。現代では、お茶屋さんの研修を兼ねて行われ、全国大会も開催されているそうです。

 

 

「闘茶」のやり方は以下の通りー

1. 5種類(花・鳥・風・月・客)の茶葉の香りを嗅ぎ、淹れた時の味などを想像します。

2. ランダムに淹れられたお茶を飲みます。

3. 1種類飲む毎に1.のイメージを参考に、どの茶葉かを決めます。

4. 自分が「これだ!」と思う茶葉の札を投札箱に入れます。

5. 最後に投札箱を開けて、順位を決めます。

 

 

 

 

 

原島先生曰く、自分なりにどんな味かを想像して飲むのがポイントだそうです。

 

 

◆そして、激闘の火蓋が切って落とされた・・・

 

いよいよ、実際に「闘茶」を体験します。今回原島先生が用意してくださった茶葉は

 

 

花:玉露

  茶摘みの前に遮光することで、テアニン(うまみ成分であるアミノ酸の1種)が多く含まれる。

 

鳥:上級煎茶

  日向で育て、茶葉の芽が小さく柔らかいうちに摘み取ったお茶。カテキンが多く含まれる

 

風:中級煎茶

  上級煎茶よりも遅い5月中旬、茶葉が大きく硬くなってから摘み取ったお茶。

 

月:番茶

  加工の際に大きく硬くなった茶葉や古い茶葉を加えた、普段使いのお茶。

 

客:ほうじ茶

  硬い葉や茎を強火で焙煎したお茶。カフェインが含まれていないので、夜飲んでも安心。

 

 

正式な大会では5回行う「闘茶」ですが、今回は体験版ということで2回行いました。まずは、茶葉を回してもらいます。パッと見た感じでは、あまり違いはないようです。原島先生が「香りや見た目の違いがわかりますか?揺らしてみてもいいんですよ」と声を掛けられると、学生の皆さんはハッとして自分なりの違いをメモしていきます。茶葉の色ひとつでも、青みがかった緑・濃い緑・茶色といった違いに気づきます。その他、茶葉の香りの微妙な違い、大小、形などの組み合わせから、実際の味を想像します。いつの間にか皆さん無口になっていきました。

 

 

 

 

なんとなくイメージができたら、1種類ずつ実飲!そして投札!一度札を入れてしまったら、やりなおしはご法度です。だんだんとお茶を飲んでいくにつれ、「うわ、さっきの間違いやん・・・」というつぶやきも聞こえてきます。2回目に備え、自分なりに感じた特徴と選んだ札をメモしながら5回の投札を行いました。皆さん、なかなか苦戦の様子。

 

 

 

 

 

スタッフが答え合わせし、原島先生が結果をホワイトボードに書き出されました。初めてにしてはなかなかの正答率だそう♪なんとなく感覚がつかめたらすかさず2回戦に突入です。初戦と同じ手順で5回の投札と結果発表すると・・・1回目よりも明らかに正答率が上がっていました。中にはなんとパーフェクトの学生さんも!緊張感も解け、自然と拍手が起こりました。1位から3位の方には原島先生から賞品が贈呈され、「闘茶」体験は終了です。

 

 

◆お茶を淹れる/淹れたくなるのはどんなとき?

 

「闘茶」を終えたところで、コーディネーターの江頭さんより投げかけられたのは「急須でお茶を淹れることのない人(特に若い世代)にお茶をすすめるにはどうしたらいいと思いますか?」という質問でした。参加してくれた学生さんの多くは毎日お茶を淹れることもあり、ちょっとしたカルチャーショックもあったようです。皆さんから出た意見は、次のようなものでした。

 

 

・おいしい和菓子が手に入ると、丁寧にお茶を淹れたくなる。

・一人暮らしだとティーバックをよく使うけれど、味はイマイチ。おいしいティーバックが欲しい!

・職場で手作りのティーバックを置いてみたら、みんながお茶を飲むようになった。

・茶葉の保存の仕方がわからない。つい袋を丸めて洗濯バサミでとめてしまうので、チャックシールがついてらいいかも。

・紅茶の場合、100gを買うのはヘビーユーザーに分類される。まずは30gや50gの少量から買えるようにしては?

・急須と茶葉をセットにしたスターターキットのようなセットがあったら、若い人もお茶を淹れるのではないか。

 

 

「闘茶」と日常のお茶―それぞれの楽しさを感じ、味わった授業でした。最後に原島先生から全員に参加賞を配って頂きました。忙しい日々の中でホッと癒されたり、粋に楽しむお茶の時間を大切にしたいものですね。

 

 

◆参加した学生さんの声

 

・お茶についてもっと詳しくなりたいと思った

・この「闘茶」はお茶を広める意味で良いイベント効果が出ると思う(お茶の仕事をしてて)

・次回作も期待しています

 

 

それでは、最後に記念撮影。

 

 

 

 

今回もご参加ありがとうございました。

 

 

(ボランティアスタッフ 日名子 美千代)

 

 


 

 

【今回の授業コーディネーター】

江頭 七央子

 

 


 

 

【今回の先生】

原島 政司 (お茶の千代乃園 代表/日本茶インストラクター)

 

 


 

 

【今回の教室】

警固公民館

住所 : 福岡市中央区警固1-11-2