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レポート日記

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博多織七百年の歴史から魅る、博多のまち ~「博多ば」まち歩き VOL.2~

開催日:2014年04月06日

コラボレーション授業

【特別授業】 博多ば

「博多ば」プロジェクトは、博多リバレイン15周年事業として、参加型屋外バナー広告の掲出、定期的な市(マーケット)の開催、広報誌の発行、まち歩きイベントの開催などを通じて、博多リバレイン周辺一帯を新たな賑わいの「場」として活性化していく活動です。年間を通じていろいろな催しが行われますので、ぜひご参加ください。

 

 

今回の授業は、「博多ば」プロジェクトの一環として、リバカル協賛の元“学び”を通じて博多のまちをもっと知ってもらおう、興味を持ってもらおうと企画した授業の第二弾。

 

 

770余年前から受け継がれている伝統の技「博多織」。

今回は、ここ博多リバレインのHAKATA JAPANより、歴史を学び、製造工程に触れ、そして最後に博多織を使用した巾着袋を作って、博多の伝統の技を感じ取ってもらいましょう。

 

 

 

 

まずは、博多織や伝統の献上紋様を様々な技術や素材、そしてデザイナーとコラボレートしたオリジナルのものづくりを行なっているHAKATA JAPANの鴛海先生のお話を伺いました。

 

 

博多織の起源には幾つかの説があります。

その中でも、博多商人・満田弥三右衛門が宋より持ち帰った織物の技法に端を発するという説が一番有力なのだそうです。

 

 

 

 

さて、“博多織”とはどんな織物なのでしょうか?

 

 

博多織は“着物”としてではなく、

“帯”として発展し福岡で受け継がれてきた、伝統工芸品です。

 

 

“着物”の産地は全国各地に存在しますが、“帯”の産地は有名なところでは博多(福岡)、西陣(京都)、桐生(群馬)の3カ所のみです。

 

 

着物の製造が畳一枚の小スペースで行えるのに対し、帯は生地が厚手で製造に緻密な織技術が必要となり、そのぶん大きな織機を使用するスペースが必要となります。

そのため、全国でも限られた土地でしか産業として発展することはなかったのです。

 

 

そんな博多織の中で有名な紋様に“博多献上”と呼ばれるものがあります。

それは、江戸時代、黒田長政が徳川幕府への献上品として博多織を選んだことがきっかけでそう呼ばれるようになったそうです。

 

 

博多献上の柄は、槍の紋様のような独鈷(どっこ)と花の器を模した華皿(はなざら)、そしてその間を走る縞(しま)から成ります。

独鈷は聞き慣れない言葉ですが、仏具の一種なのだとか。

また、縞は太い縞と細い縞が存在し、それぞれ太い縞が親、細い縞が子を表しています。

太い縞が細い縞を挟んだ柄は“親が子を守る様子”を表現しており、細い縞が太い縞を挟んだ柄は“子が親を敬う様子”を表現しています。

縞の紋様で“家族愛”が描かれているのですね。

 

 

全盛期は200社以上あった博多織製造の会社も、今では50社ほどに減ってしまいました。

使われ方の主体は“帯”が中心ですが、現在では帯以外にもドレス生地やインテリア用品にも加工されています。

 

 

今回の授業の会場となっているHAKATA JAPANは2000年にスタートし、博多織を様々な商品に加工し、絶えず新しいアプローチを模索しつつ商品開発を行っていて、店内にもネクタイやバッグなど様々なアイテムも並んでいます。

 

 

先生の話を聞いた後は、6グループにわかれて会場の移動です。

快晴の空の下、川端商店街を通り抜け、「博多町家」ふるさと館へ。

 

 

 

 

ふるさと館では、博多織の実演を見学しました。

5メートルの織物が出来上がるのに準備期間1ヶ月、織るのに4日もの時間を要するそうです。

 

 

今は機器があれば一人で作り上げることができる博多織。

昔は2人がかりで、片方が紋様づくりを担当していたそうですよ。

 

 

実際に生徒の方も体験。

なかなか慣れない手織機に手間取りながらも、上手に機器を操作しています。

 

 

 

 

せっかくなので、ふるさと館の中もじっくりと見せていただきました。

ガイドいただいたのはボランティアの岩永さん、博多の商人の知恵が詰まった町家の作りと、博多べいと呼ばれる瓦でできた塀の物語などとても興味深いものでした。

 

 

 

 

さて、HAKATA JAPANに戻ってきました。

ここからは、まつもとさゆみさんによる博多織を使用したミニ巾着づくりのワークショップです。

 

 

 

 

皆さん黙々と作成を行っています。

 

 

 

 

普段、裁縫をしていない生徒の方は四苦八苦。

手慣れている方はあっという間に巾着を作り上げていました。

 

 

残った時間でHAKATA JAPANの中をぶらり。

博多織を使用した素敵な商品に皆さん見とれていました。

 

 

今回は、博多の街を代表する伝統工芸のひとつ“博多織”について、しっかりと学ぶことができました。参加者のみなさんも自分たちが住む土地の文化や物語を知りたいという思いの方が多く、今日の授業でひとつ福岡の街を語れる知識が増え、より愛着も湧いたのではないかと思います。地元を学ぶことの大切さを感じる授業でした。

 

 

 

 

皆さん、今回もありがとうございました。

 

 

(ボランティアスタッフ 吉開 崇人)

 

 


 

 

【今回の授業コーディネーター】

松下 由香

 

 


 

 

【今回の先生】

鴛海 伸夫 (株式会社鴛海織物工場代表取締役)

 

 


 

 

【今回の教室】

HAKATA JAPAN

住所 : 福岡市博多区下川端町3-1 博多リバレイン1F