レポート日記
一覧に戻る[ものづくりシリーズ]筆ペンで遊びながら、日頃の感謝を文字にしてみよう!

開催日:2014年05月24日
通常授業
今回の授業はものづくりシリーズ第4弾。
筆ペンを使い、メッセージカードをつくる授業です。
今回の先生は和書体アーティストの三舩セージ先生です。
三舩先生は現在、全国各地のイベントで作品制作やパフォーマンスを行うほか、
チラシや広告を中心としたデザイン業も手掛けていらっしゃいます。
三舩先生が現在の活動をはじめるきっかけは、学生時代に小中学生のボランティア指導員をしていた際に、
子どもたちへメッセージカードを渡し始めた事だそう。
そして、2008年から福岡の路上で書家として活動を開始し、現在に至るとのこと。
意外なことに、三舩先生は書を習った経験はなく全て自己流だそう。
「ジユウ(自由、字遊、児遊)な発想」と「笑顔のきっかけづくり」をテーマに日々を過ごす
通称”字遊人(じゆうじん)”な三舩先生に筆文字の楽しみ方を教わっていきます。
まずはアイスブレイク
参加者同士で、授業に参加したきっかけを話し合いました。
今回の授業テーマが筆文字ということで、幅広い年齢層の方が参加して下さいました。
普段文字を書く機会が少ない、筆ペンでうまく文字を書きたい、という理由で参加された方が多かったようです。
では、早速授業スタート!
筆ペンに慣れる
筆ペンって冠婚葬祭の時しか使わない方がほとんどではないでしょうか。
まずは普段あまり使わない筆ペンに慣れる作業です。
先生が用意してくれた様々なタイプの筆ペンを使って試し書きをし、それぞれの違いを確認していきました。
面白い筆文字を書いてみる
筆ペンに慣れたところで、次に、面白い筆文字を書くコツを先生が教えて下さいました。
◆書き順にこだわらない
◆利き手と違う方の手で書いてみる
◆どの部首を強調するか考える
◆文字の大きさひとつずつにメリハリをつける
◆文字のレイアウトを考える
書を習った方ならおわかりだと思いますが、全て習ったことと逆ですよね。
常識にとらわれないことが、自由に面白い文字を書くコツのようです。
グループで一つの作品をつくる
筆文字を書くコツを教わったところで、グループで一つの作品をつくります。
今日の授業の最終目標である、感謝の気持ちを込めたメッセージカードをつくる練習です。
誰にどんな思いを、どんな言葉で伝えるかは自由、メンバー全員が文字を書くことがルールです。
このワークの狙いは、みんなでアイディアを出してシェアすること、他の人のマネをすること、
人にマネされることだそうです。これも、面白い筆文字を書くコツだそうです。
グループそれぞれ、面白い作品ができあがりました!
いよいよメインの作業へ
グループでの予行練習が終わったところで、いよいよ本番です。
ハガキサイズの画仙紙にメッセージを書いていきます。
大好きなあの人に「ありがとう」を伝える。
誰にどんな言葉で感謝の気持ちを伝えよう?と考える時間も楽しいですよね。
相手の顔を思い浮かべながら、プレゼントを選んでいる時のようなワクワク感。
今回はそのプレゼントも手づくりですから、相手の方が喜んでくれること、間違いなしです。
完成した作品に三舩先生が魔法をかける
みなさん作品が完成したところで、三舩先生がラッカースプレーでシュッとひと吹き。
白黒だった作品に色が入ったことで、見栄えが格段とあがりました。
筆文字の良さを生かすために白黒でシックに決めるのもいいのですが、
アクセントに色をつけたり、はんこを押すことで、全体が引き締まった印象になるそうです。
授業コーディネーターの想い、三舩先生への質問
今回の授業はモノづくりや先生の話を通じて、自然に初対面同士が仲良くなり、
さらに多くの方に自分が好きなことを追求して欲しいというコーディネーターの想いが込められたものです。
そこで、三舩先生が好きなことを仕事にする上で、苦労したことを伺いました。
三舩先生いわく、路上で書家として活動していた頃が印象的だそう。
当時、現在の天神のパルコあたりの路上で活動していたそうですが、
最初の方はお客さんが全く来ず、声をかけられるのは警察かヤクザだったそうです。
また、型にはまるのが嫌で、書を習ったことがなかった三舩先生はお客さんからのアドバイスをもとに試行錯誤を繰り返していくうちに、自分なりの書のスタイルを作り上げ、お客さんもだんだんと増えていったそうです。
とはいっても、路上での活動では大変なことも。
しかし、もうやめようと思った時に限って差し入れをしてくれるお客さんがいたりと、
ステキな人との出会いが、路上での活動を続ける原動力になったそうです。
今回の授業では、常識にとらわれずに自由な発想でものづくりを楽しむ事、
そして、人との出会いの大切さを改めて感じました。
最後に参加者それぞれ自分の作品を手に記念撮影をして終了。
(ボランティアスタッフ 瀬﨑 麻美)
【今回の授業のコーディネーター】
吉田 篤史 授業企画コーディネーター
1988年福岡市出身。生まれつき気道が成形されない「先天性喉頭閉鎖症」で、医者には一生病院を出られるかどうかわからない、と言われていた。2歳で退院し、以後は表情やジェスチャーでコミュニケーションを覚え、小学校・中学校・高校・専門学校と普通に通い、現在は民間企業で事務をしている。ボランティアに興味があり、グリーンバード福岡に参加したのをキッカケに、抜群のコミュニケーション能力と、2011年に購入したiPadをもとにネットワークを拡大、今では福岡テンジン大学で授業コーディネーターを務め、自らの無声コミュニケーションの可能性を広げている。 |
【今回の先生】 三舩セージ JIYU design 代表/和書体アーティスト
福岡県古賀市産。約10年に渡り小中学生のボランティア指導員として活動。その際に子どもたちへメッセージカードを渡し始めた事をきっかけに、2008年から福岡の路上で書家として活動を開始。現在は全国各地のイベントで作品制作やパフォーマンスを行うほか、チラシや広告を中心としたデザイン業も手掛けている。「ジユウ(自由、字遊、児遊)な発想」と「笑顔のきっかけづくり」をテーマに日々を過ごす通称”字遊人(じゆうじん)”。 |
【今回の教室】 赤煉瓦文化館
明治時代の我が国を代表する建築家・辰野金吾と片岡安の設計により、 日本生命保険株式会社九州支店として明治42年(1909)に竣工。 赤煉瓦と白い花崗岩の外壁は19世紀末のイギリス様式で、ほかに尖塔やドームなど、小規模ながら変化に富んでいる建物。福岡市歴史資料館として使用された後、有料の会議室等を備えた市民に開かれた施設「赤煉瓦文化館」としてオープン。平成14年(2002)からは1階の一部が「福岡市文学館」として使用され、 文学に関するさまざまな情報を収集・提供している。国の重要文化財。 住所 : 福岡市中央区天神1-15-30
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