レポート日記
一覧に戻る歯を磨く事で得られるのは、健康だけではない!?~お財布にもやさしいかもしれないブラッシングの話~
開催日:2012年02月25日
通常授業
2月25日(土)朝、大名の古民家 松楠居は、お蕎麦屋さんのダシが、ふんわりと香っていました。門をくぐった生徒さん、懐かしい雰囲気と香に、表情がやわらかくなります。
今回は、松楠居を教室に「歯」についての授業が行われました。
先生は、歯科衛生士の岩佐ゆかりさん。歯科衛生士になって3年、日々の業務のなかで、予防の大切さを感じ、自ら授業を企画されました!
歯と歯周病のお話
はじめに、歯と歯周病についてのお話がありました。
永久歯は、全部で28本。親知らずを含めると32本あります。歯の平均寿命は、性別.歯(前歯.奥歯など)によって違いはありますが、およそ50〜60半ばで歯を失い始めます。歯の数と生活自立度は、関係があり、自分の歯が残っている本数が多いほど、生活自立度が高いそうです。
歯を失う原因で1番多いのが、歯周病。歯周病は、歯周病菌が増えて歯茎が感染します。感染してる所から体が逃げようとして歯茎の下にある骨が下がって行き、歯を支えられなくなり、歯が抜けてしまう病気です。また、歯周病は心筋梗塞や早産など全身の健康にも関わってきます。
歯茎が晴れたり、歯茎から出血したりと、痛みの症状が少ないため、かなり進行した状態で、歯医者に来る患者さんが多いです。
この状態で、歯医者に行っても「歯を抜きましょう。」となってしまいます。
そのため、予防をすることがとても大切です。
おすすめは歯医者さんに行って、歯周病菌のチェックをしてもらうこと。
(「歯周病の検査をしてください。」と受付で言えばチェックしてもらえます。)
“痛くなったら行く歯医者”ではなく、かかりつけの病院のようにコミュニケーションをとり“予防のために行く歯医者”にしましょう。
ここで、休憩時間。クッキーとお茶を手に、グループ内でおしゃべりをしながら、ほっと一息です。
休憩の合間に、各グループに小さくカットされた海苔が配られました。
「みなさん、こんな風に歯に海苔をはってみてください。」
と、先生自ら小さな海苔を一本の歯に貼り付けて実演。
生徒さんも、戸惑いながらもチャレンジ!海苔をはり、自分の顔を鏡で見てみると、違いに驚いたり、笑ったり。グループ内で、お互いの顔を見て笑い合っている方もいらっしゃいました。
「海苔をつけてみてどうでしたか?患者さんで、歯のないおばあちゃんが、入れ歯をつけて、生き生きとされることがあります。歯の有り無しで、印象がだいぶ変わるんですね。」と先生。
楽しみながら、見た目にも大きく影響する「歯」の大切さが分かった休憩時間でした。
自分の歯の価値
後半は、休憩時間に食べたクッキーの話から始まりました。
噛んだときの「サクッ」という感覚は、歯根膜というところが、吸収した衝撃が脳へ伝わって、サクッとした感覚がします。入れ歯やインプラントは、自分の歯ほどの「歯ごたえ」はなく、味覚も変わってくるといいます。
自分の歯を残すことが一番良いんですね。そのために、半年に一回は歯医者に行くことをおすすめします。
予防で年に2回歯医者に行ったとして、かかる費用はおよそ1万円ですが、歯を失ってインプラントにした場合の費用は、およそ1000万円。自分の歯は、それほど価値があるんですね。
歯周病予防の歯みがきのポイント
お話を聞いて、歯の大切さがだんだん分かってきました。
いつまでも自分の歯で過ごすには、若いころからの予防が大切。一番の予防は、毎日の歯みがきです。先生から歯みがきのポイントを教えていただきました。
<歯みがきのポイント>
・ 歯と歯ぐきの隙間・・毛先を少し上に向けて(下の歯の場合は下に向ける)、力を入れずに横に動かします。(1本10回くらい。)
・ 歯の内側(前歯)・・歯ブラシのうしろのほうをあてるようにして、縦に磨きます。
・ 奥歯・・口を少し閉じて磨きます。奥歯の裏側は特にみがき残しが多いので、歯ブラシを斜めにして、磨くようにします。
歯ブラシや歯磨き粉は色んな種類がありますが、どういったものがおすすめとは言えません。例えば、油で汚れたフライパンを洗う時。洗剤がよくても、端のほうまでは磨けない、これと同じです。すみずみまで磨くようにしましょう。
食べ物は、歯と歯の間・かみ合わせの溝・治療した銀歯と自分の歯の境目につくとみがき残しやすいです。特に注意して磨きましょう。
歯をみがきましょう
最後は、先ほどのポイントを参考に、実際に歯みがきをしていただきました。皆さん、鏡を見ながら真剣な表情です。
先生が、生徒さん一人ずつ歯みがきをチェックをしていきました。
「きれいに磨けていますね。」
「あまり力はいれないでいいですよ。舌で歯をさわってざらっとしていなければ大丈夫。」
磨き残しや、歯みがきのくせ、診ていただいて改善点が分かります。
また、チェックの合間に、先生に質問をする方も多くいらっしゃいました。
普段、歯科衛生士さんからお話を聞く機会はなかなかありません。こんな風に気軽にコミュニケーションがとれたら、歯医者に行きやすくなりそうですね。
チェックが終わった生徒さんは、グループ内で「歯」の話題を中心に、和やかに交流なさっていました。
歯医者は、ちょっぴり苦手でしたが、授業に参加して「検診に行ってみようかな」という気持ちになりました。分かりやすく、楽しみながら歯の大切さを学べたこと、また親身にアドバイスなさっていた先生を通じて、歯医者が今までより身近に感じられたように思います。
授業で学んだ歯みがきで&半年に一度の歯医者で、歯を大切にしていきましょう。
ありがとうございました。
(ボランティアスタッフ 原田 裕美)
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